舞妓さん
江嵜企画代表・Ken
なでしこジャパンがアメリカをPK戦を3-1で制して世界一になった。
18日朝4時前から起きて昨日京都でスケッチ した舞妓さんの絵を仕上げ
ながらテレビ観戦した。
前半はアメリカに再三再四ゴールを脅かされながら0―0でしのいだ。しかし
先にゴールを決めたのはアメリカだった。ところがナデシコは同点にもちこ
む。延長戦に入った。またアメリカが先に点を入れた。残り6分で2-3と
なった。
ここでアメリカのゴールキーパーが足を傷めるハプニングが起こった。暫
時あってプレー再開の直後、残り2分のところでコーナーキックを沢キャプ
テンがけり込んで同点、PK合戦の末、見事日本が勝った。
PK戦で、右足でボールを跳ね返したゴールキーパー、海堀選手の守り、
沢キャプテンの冷静な得点力。さらになでしこジャパンを世界一までリード
して来た佐々木監督の手腕はただただすごい。「決して諦めない。」
その一言が強烈に胸に残った。
舞妓さんのスケッチ会が京都四条河原町のさるカルチャーセンターであるか
ら出て来ないかと日本画教室の仲間から声をかけられ楽しみにして出かけた。
この日の京都は祇園祭、JR京都駅で降りてまず京都博物館で開かれている
日本画展を見て、同建物一階でとうふをおかわりOKの店で昼食、午後2時
から5時まで休憩3回をはさんで舞妓さんをスケッチした。
舞妓さんをスケッチするのは日本画家、森田りえ子さんに、高島屋日本画
教室での課外教室として祇園に案内していただいて描いて以来、かれこれ
5年振りだった。「孝ひな」という名前の舞妓さんだった。
立ち姿から始まってあれこれ生徒がポーズに注文をつけて、畳に座って、
これで行来ましょうと決まったポーズでスケッチがはじまった。正座は
苦にならないと話していた。斜めに構えて着物の裾を広げた形は厳し
かった。しびれをとりもどすことに時間がかかった。
ところが彼女は何ひとつ文句をいわない。辰巳寛先生(講師、日展、
日春展会員)のおっしゃる通りにやりますだけどすから、とさらりと
受け流した。さすがに鍛え抜かれたプロ魂を実感じた。
なでしこジャパンに話を戻す。なでしこジャパン世界一の裏に佐々木
則夫監督の存在抜きにして語れないと佐々木氏のエピソードを、
関西系のテレビ局が流していた。
その中で、奥さんの淳子さんが大病を患った。その時「わたしのせいで
サッカーをやめないで。人生は一度きりよ」と奥さんに言われた。
「あの日、妻が病床から掛けてくれた言葉が今でも僕の原動力に
なっている」と語ったと紹介していた。
これからPK戦に臨むというときになでしこジャパンの面々が
ニコニコ顔でリラックスしている様子が印象的だった。当の番組
でも佐々木監督は「笑うことでクールダウン出来る」と常々話して
いる。練習は厳しい。しかし、「笑いのノリさん」の愛称で
選手からも慕われていると紹介していた。
当の番組では日本人の良さとして①小回り、②俊敏性、③ボールの
扱い、④パスの精度を上げていた。これからは日本が世界の女子
サッカ―の目標にされるから厳しくなるだろう。その一方で、
子供たちの間でサッカーを始めたいという女の子がふえるだろうと
解説者が話していた。
なでしこジャパンはお祝いムードに酔う間もなくフランクフルト発の
この日の便で帰国の予定である。日本での女子サッカーリーグ戦が
帰国翌日に控えているからだと紹介していた。
「なでしこ」という日本語が、英語のfringed pinkにかわって
外国人スポーツ記者の間でも聞かれるようになった、とNHKBSで
決勝戦を中継放送したアナがご披露していた。
日本はまだまだ捨てたものではない。世界が日本を改めて見直すきっ
かけにもなるだろう。「なでしこジャパン世界一」に大いに元気をもら
って、眠気も吹っ飛んでしまった。(了)