(学校で教えてくれない経済学)
ブリュッセルで21日開かれたEU首脳会議で、第2次ギリシャ支援策が合意されたことを受けて、21日のNYダウは、前日比152ドル高、12,724ドルで取引を終えた。NY外国為替市場では、ギリシャ支援策を好感して、ユーロ相場が上昇、1ユーロ=1.44ドル台までユーロが買われた。ドルが対ユーロで値下がりした結果、対ドルでは、1ドル=78.50円、1ユーロ=113.20円で取引された。原油相場はバレル73セント上げ、99.13ドル、NY金先物相場は、トロイオンス1,586.80ドルで取引された。
21日のWSJ紙によれば、公的支援が1,090億ユーロ(約12.3兆円)、民間部門は債券交換プログラム370億ユーロ(約4.2兆円)、債券買い戻し130億ユーロ(約1.5兆円)総額約18兆円の支援策となっている。さらに欧州金融安定基金{EFSF}による融資返済期間を当初の10年を15~30年に延長する。融資の利率を現行の5.5%から3.5%への引き下げも併せ決めた。民間部門の支援はあくまでギリシャ限定とすることを明記したと伝えた。
「ワールドWaveMorning」は、ドイツZDF,フランスF2,英BBCが、今回のEUによるギリシャ救済措置決定をいずれもトップに扱い放送したと紹介していた。英BBCは、ドイツメルケル首相は「今回の決定は魔法の杖ではない。会議は成功した。ギリシャ支援策に自信をもった」と語った。7月21日は、ベルギー建国記念日で、EU本部前で記者会見したメルケル首相が、興味深そうに何度も空を見上げ、頭上を飛び抜ける祝賀パレード戦闘機を眺める姿を英BBCが写していた。
21日の会合を前にして、フランスサルコジ大統領はドイツメルケル首相を訪ね、ECBトリシエ総裁入れて夕食後も協議したとドイツZDFは紹介していた。メルケル首相は民間部門の支援関与に固執、サルコジ大統領はフランスの銀行の負担が大きくなることから反対していた。細目は不明だが両首脳間で妥協が成立したものと見られる。
21日付けのWSJ紙電子版は、会議前のギリシャ、パパンドレウ首相の右手で顎を支え、沈痛な面持ちで椅子に座りこむ写真と会合のあと口元を崩してホッとした表情で笑う写真を上下に並べて掲載していた。WSJ紙日本版は、パパンドレウ首相は「わが国の存続を保証する支援の枠組みが出来た」と述べ、支援の条件となっているさまざまな経済改革を遂行する決意を語ったと書いていた。
「ワ―ルドWaveMoring」(経済情報)に出演した大和証券、キャピタルマネジメントアメリカの長谷川誠氏は「ドイツとフランスがギリシア支援で合意したことで市場に安心感が生まれた。取引時間中、オバマ大統領が米議会との間で、米連邦債務上限引き上げで合意した{後で否定された}との情報が流れ、NYダウは急反発した」などと解説していた。
今回のEU会合は、結果次第では通貨ユーロ自体の運命を左右するとの思いから各国首脳も緊張でピリピリしていた。日ごろ温厚な紳士のバローゾ欧州委員会委員長が新聞記者にしつこくつきまとわれて、怒りを露わにしていたとフランスF2が紹介していた。アメリカも連邦予算上限引き上げ期限が8月2日に迫った。週末には拡大アセアン全体会議ではクリントン米国務長官も出席する。南シナ海を巡る領土権争いが当然争点になるだろう。
20日から21日にかけての欧米の緊迫した動きをみていると、日本という国はなんと幸せな国だなと思う。大人も大人なら、子供も子供で、先日、建築家の安藤氏が大阪大学での講演の様子をNHK・BSが流しているのを見たが、学生自身、何が幸せで何が幸せでないかすら実感していないことがわかった。誰かが自分の面倒を見てくれると心底思いこんでいるのである。なでしこジャパンがどこかおとぎ話に出て来る国からの使いかと錯覚を覚える。24日午後3時から地元、ホームズスタジアム神戸での帰国後第一戦が楽しみでならない。(了)
ブリュッセルで21日開かれたEU首脳会議で、第2次ギリシャ支援策が合意されたことを受けて、21日のNYダウは、前日比152ドル高、12,724ドルで取引を終えた。NY外国為替市場では、ギリシャ支援策を好感して、ユーロ相場が上昇、1ユーロ=1.44ドル台までユーロが買われた。ドルが対ユーロで値下がりした結果、対ドルでは、1ドル=78.50円、1ユーロ=113.20円で取引された。原油相場はバレル73セント上げ、99.13ドル、NY金先物相場は、トロイオンス1,586.80ドルで取引された。
21日のWSJ紙によれば、公的支援が1,090億ユーロ(約12.3兆円)、民間部門は債券交換プログラム370億ユーロ(約4.2兆円)、債券買い戻し130億ユーロ(約1.5兆円)総額約18兆円の支援策となっている。さらに欧州金融安定基金{EFSF}による融資返済期間を当初の10年を15~30年に延長する。融資の利率を現行の5.5%から3.5%への引き下げも併せ決めた。民間部門の支援はあくまでギリシャ限定とすることを明記したと伝えた。
「ワールドWaveMorning」は、ドイツZDF,フランスF2,英BBCが、今回のEUによるギリシャ救済措置決定をいずれもトップに扱い放送したと紹介していた。英BBCは、ドイツメルケル首相は「今回の決定は魔法の杖ではない。会議は成功した。ギリシャ支援策に自信をもった」と語った。7月21日は、ベルギー建国記念日で、EU本部前で記者会見したメルケル首相が、興味深そうに何度も空を見上げ、頭上を飛び抜ける祝賀パレード戦闘機を眺める姿を英BBCが写していた。
21日の会合を前にして、フランスサルコジ大統領はドイツメルケル首相を訪ね、ECBトリシエ総裁入れて夕食後も協議したとドイツZDFは紹介していた。メルケル首相は民間部門の支援関与に固執、サルコジ大統領はフランスの銀行の負担が大きくなることから反対していた。細目は不明だが両首脳間で妥協が成立したものと見られる。
21日付けのWSJ紙電子版は、会議前のギリシャ、パパンドレウ首相の右手で顎を支え、沈痛な面持ちで椅子に座りこむ写真と会合のあと口元を崩してホッとした表情で笑う写真を上下に並べて掲載していた。WSJ紙日本版は、パパンドレウ首相は「わが国の存続を保証する支援の枠組みが出来た」と述べ、支援の条件となっているさまざまな経済改革を遂行する決意を語ったと書いていた。
「ワ―ルドWaveMoring」(経済情報)に出演した大和証券、キャピタルマネジメントアメリカの長谷川誠氏は「ドイツとフランスがギリシア支援で合意したことで市場に安心感が生まれた。取引時間中、オバマ大統領が米議会との間で、米連邦債務上限引き上げで合意した{後で否定された}との情報が流れ、NYダウは急反発した」などと解説していた。
今回のEU会合は、結果次第では通貨ユーロ自体の運命を左右するとの思いから各国首脳も緊張でピリピリしていた。日ごろ温厚な紳士のバローゾ欧州委員会委員長が新聞記者にしつこくつきまとわれて、怒りを露わにしていたとフランスF2が紹介していた。アメリカも連邦予算上限引き上げ期限が8月2日に迫った。週末には拡大アセアン全体会議ではクリントン米国務長官も出席する。南シナ海を巡る領土権争いが当然争点になるだろう。
20日から21日にかけての欧米の緊迫した動きをみていると、日本という国はなんと幸せな国だなと思う。大人も大人なら、子供も子供で、先日、建築家の安藤氏が大阪大学での講演の様子をNHK・BSが流しているのを見たが、学生自身、何が幸せで何が幸せでないかすら実感していないことがわかった。誰かが自分の面倒を見てくれると心底思いこんでいるのである。なでしこジャパンがどこかおとぎ話に出て来る国からの使いかと錯覚を覚える。24日午後3時から地元、ホームズスタジアム神戸での帰国後第一戦が楽しみでならない。(了)