岸和田だんじり祭試験曳き風景
江嵜企画代表・Ken
岸和田だんじり祭の試験曳が4日の午後2時からあります。時間が
許せば来られませんかと声をかけていただき、楽しみにして出かけた。
試験曳きと聞いたとき正直意味が分らなかった。本番は宵宮(17日)、
本宮(18日)の要するに予行演習だというのである。
その日の朝、神戸は台風12号の余波で結構きつい雨が降っていた。
念のため友人宅に電話をいれた。「えっ?!神戸は雨ですか?こちら
は薄日ですよ。これから雨になるかもしれませんね。でも、予定通り
やります。」との嬉しい返事である。
あらかじめ指定された南海本線なんば駅12時40分の急行に乗り岸
和田駅に13時6分に着いた。改札で出迎えてもらい、その足でご自
宅を訪問、挨拶のあとFさんのご主人が今年は町の当番で多忙を極め
ておられたが、だんじりが時間待ちする岸和田商店街まで数分間だっ
たが、だんじりのよもやま話などをお聞かせいただけたのは幸いだった。
予行演習とは言え、岸和田だんじり祭を目の前で見るのは初めてである。
まずスピードの早さに驚いた。次に運動会の綱引きの時のような太い
ロープが、目見当で優に50メートルはあった。総勢200人ほどの
町の住人が全て当る。それぞれのグループが指定された場所でロープを
引っ張るのである。子供やご婦人方も交じっているのではないか。それが
一糸乱れずに一気に走り抜ける敏捷さに驚いた。
事故はないのかと素人はまず考える。Fさんの解説では街角を猛スピードで
回るところが一番難しい。いままで事故で命を落としたこともあった。
警察は何をしているのか、と聞いたら、原則、警備含め責任は全てそれぞれ
の町内会がもつと教えてくれた。そのためだんじりの先頭、周りには責任者が
大きなうちわをもって命がけで走り回って警戒しているのがわかった。
余談ながら、岸和田が、この10月からはじまるNHK連続テレビ小説
「カーネーション」の舞台となる。デザイナーのコシノさんがご当地
岸和田の出身で、既に町のあちこちでロケが始まっているそうだ。
だんじりはどうするのか?と聞いたら、時代背景もあり、京都太秦の
撮影所に本物のだんじりを持ち込み100人以上の若衆が本番さながらの
演技を見せてくれるだろうと話していた。
京都の祭りが「静」の代表なら、岸和田は「動」の代表と言われている。
躍動感溢れる岸和田だんじりが日本全国のお茶の間をわかしそうだ。
岸和田商店街で待機する出陣直前の宮本村だんじり風景をスケッチした。(了)