(学校で教えてくれない経済学)
『単一通貨ユーロの硬貨は単一でない』という書き出しで始まる近着のニューズウイーク日本版に掲載された藤田岳人記者の「ユーロが抱える構造的欠陥」という記事には色々教えられ、興味深く読んだ。「一つのヨーロッパという理想を目指しながら、各国の独自性は保ち続けるという考え方だ。ユーロという通貨の表はヨーロッパ大陸の姿、裏は加盟各国それぞれの特徴を表す異なったデザインが描かれている。」とその文は続く。宣伝するつもりはさらさらないが、今週号はユーロに関するおどろおどろしい記事が満載で、お時間の許す方は、是非、本屋さんでも立ち読み願いたい。
今朝CNBCテレビを見ていたら週末、ワシントンDCで開かれるG20の会合ではユーロ危機について話し合われると画面に出ていた。毎度のことで恐縮だが、イソップ物語の「ネズミと猫」の話をいつも思い出す。猫に鈴を付けることは誰も分かっている。ところが実力のないネズミが集まっても成果は期待できない。集まって解散するのが関の山だろう。
22日のNY株式市場で、NYダウは一時520ドル以上暴落、引けにかけてやや戻したが、前日比391ドル,3.5%安、10,733ドルで取引を終了した。先のCNBCテレビ画面のテロップに,当然ながら英語であるが『バーナンキ・ノー・ロンガ―・コントロール・フィナンシャルマーケット』と出ていた。英語を母国語とする人間がNo Longer(ノ―・ロンガ―)という文字を見ると実感として「世も末」と感じるであろう。平たく言えば、色々えらそうなことは言っていたが、さすがの米FRB議長のバ―ナンキさんも万策尽きたとマーケットに見切りをつけられたことを「ノー・ロンガ―」という一語が示した。
野球の話で恐縮であるが、「ノー・コン」のピッチャーがマウンドに立つと、野手もベンチも試合に集中出来ず、もはや野球にならないことを、昨今の地元プロ野球チームの試合をテレビ観戦していていやというほど思い知らされている。命を取られるわけではないのだから、しっかり腕を振って投げてこいとベンチもリリーフ投手を送り出すのだろうが、それが出来ない。無駄な四球を出して自滅している。
23日付けのWSJ紙電子版を読んでいたら、アジア株安から始まり欧州株安さらにブラジル株へと負の連鎖が続き世界同時株価安となった。CNBCは,米国経済のリセッション入り、中国製造業指数の落ち込みが重なり、株価暴落だけでなく原油はじめ銅、すず、アルミ、ニッケルに加えて金、銀など貴金属相場も大幅値下がりしたと報じていた。22日のNY原油{WTI}はバレル5.59ドル安、80.33ドルまで急落した。同日のNY金先物相場も、トロイオンス44.70ドル安、1,736.59ドルで取引された。1,918ドルを付けてわが世の春を謳歌していたかのように見えた金相場も艶消しである。
一方、NY外国為替市場では、安全通貨としてドルが買われ、1ユーロ=1.3457ドル前後で取引された。ドルが対ユーロで買われた結果、1ドル=76.25円前後で円相場は比較的安定している。対ユーロで売られていたドルだが、ユーロにメルト・ダウンの可能性が出て来ると、経済・金融共に万策尽きたかに見えるアメリカのドルにさえ見直し買いが入る。太陽(アメリカ)が輝いてこそのお月さん(ユーロ)なのかもしれない。
先日、NHK/BSを見ていたら、さる天文学者が月が地球から徐々に離れて行っている。最近の天候異変に無関係ではないと話していた。お月さんが我々の日々の生活に大きく関わっていることをユーロ崩壊の危機に直面した昨今の動きを見て、改めて認識した次第である。(了)
『単一通貨ユーロの硬貨は単一でない』という書き出しで始まる近着のニューズウイーク日本版に掲載された藤田岳人記者の「ユーロが抱える構造的欠陥」という記事には色々教えられ、興味深く読んだ。「一つのヨーロッパという理想を目指しながら、各国の独自性は保ち続けるという考え方だ。ユーロという通貨の表はヨーロッパ大陸の姿、裏は加盟各国それぞれの特徴を表す異なったデザインが描かれている。」とその文は続く。宣伝するつもりはさらさらないが、今週号はユーロに関するおどろおどろしい記事が満載で、お時間の許す方は、是非、本屋さんでも立ち読み願いたい。
今朝CNBCテレビを見ていたら週末、ワシントンDCで開かれるG20の会合ではユーロ危機について話し合われると画面に出ていた。毎度のことで恐縮だが、イソップ物語の「ネズミと猫」の話をいつも思い出す。猫に鈴を付けることは誰も分かっている。ところが実力のないネズミが集まっても成果は期待できない。集まって解散するのが関の山だろう。
22日のNY株式市場で、NYダウは一時520ドル以上暴落、引けにかけてやや戻したが、前日比391ドル,3.5%安、10,733ドルで取引を終了した。先のCNBCテレビ画面のテロップに,当然ながら英語であるが『バーナンキ・ノー・ロンガ―・コントロール・フィナンシャルマーケット』と出ていた。英語を母国語とする人間がNo Longer(ノ―・ロンガ―)という文字を見ると実感として「世も末」と感じるであろう。平たく言えば、色々えらそうなことは言っていたが、さすがの米FRB議長のバ―ナンキさんも万策尽きたとマーケットに見切りをつけられたことを「ノー・ロンガ―」という一語が示した。
野球の話で恐縮であるが、「ノー・コン」のピッチャーがマウンドに立つと、野手もベンチも試合に集中出来ず、もはや野球にならないことを、昨今の地元プロ野球チームの試合をテレビ観戦していていやというほど思い知らされている。命を取られるわけではないのだから、しっかり腕を振って投げてこいとベンチもリリーフ投手を送り出すのだろうが、それが出来ない。無駄な四球を出して自滅している。
23日付けのWSJ紙電子版を読んでいたら、アジア株安から始まり欧州株安さらにブラジル株へと負の連鎖が続き世界同時株価安となった。CNBCは,米国経済のリセッション入り、中国製造業指数の落ち込みが重なり、株価暴落だけでなく原油はじめ銅、すず、アルミ、ニッケルに加えて金、銀など貴金属相場も大幅値下がりしたと報じていた。22日のNY原油{WTI}はバレル5.59ドル安、80.33ドルまで急落した。同日のNY金先物相場も、トロイオンス44.70ドル安、1,736.59ドルで取引された。1,918ドルを付けてわが世の春を謳歌していたかのように見えた金相場も艶消しである。
一方、NY外国為替市場では、安全通貨としてドルが買われ、1ユーロ=1.3457ドル前後で取引された。ドルが対ユーロで買われた結果、1ドル=76.25円前後で円相場は比較的安定している。対ユーロで売られていたドルだが、ユーロにメルト・ダウンの可能性が出て来ると、経済・金融共に万策尽きたかに見えるアメリカのドルにさえ見直し買いが入る。太陽(アメリカ)が輝いてこそのお月さん(ユーロ)なのかもしれない。
先日、NHK/BSを見ていたら、さる天文学者が月が地球から徐々に離れて行っている。最近の天候異変に無関係ではないと話していた。お月さんが我々の日々の生活に大きく関わっていることをユーロ崩壊の危機に直面した昨今の動きを見て、改めて認識した次第である。(了)