田中和人作陶展風景
江嵜企画代表・Ken
第23回田中和人作陶展が3月25日から31日まで阪急梅田本店7階美術画廊で開かれており楽しみにして出かけた。
美術画廊を介してHankyuBeauty(化粧品)コーナーが素透しで見えた。いつものように会場の様子をスケッチした。
鉢、壺、お椀、お皿、花瓶、ぐい飲みなどなどここ2年の作品が展示されていた。三々五々会場を訪れた客人が作品を手に取って見ては買い求めておられた。筆者は、この日、一枚の小皿が目に留まり,早速、分けていただいたあと田中和人さんにお断りしてスケッチの体制に入った。スケッチを描くことはこの日訪問の重要な目的である。
田中和人さんに「いつものように絵の中に田中さんを入れるよ。」というと、彼から「後ろ姿にしてよ。」と注文がつき、彼が、客人とイスに座って談笑しているところを描きこんだ。
スケッチのあと田中和人さんとご一緒だった奥様としばし談笑出来て幸いだった。「三田での生活はいかがですか」と切り出した。
「作陶を初めて今年で50年になる。三田に移ってから40年になるが、スタッドレスタイヤに切り替えなかったのは初めてだ。三田に来てしばらくはマイナス10℃の日が当たり前だった。ただ、冬暖かいのは助かります。」と田中さんは話してくれた。
「40年前はバケツに水を入れておくと朝何十センチも厚い氷が張っていて解すのが大変でした。少しづつ暖かくなっていきましたが、例年、3月に咲く梅が今年は2月に咲き始めました。これからもどんどん温暖化が進んでいくのでしょうね。」と奥様が言葉を添えてくださった。
今年高校2年になった孫が確か小学校3年ぐらいの時に田中さんの三田の木器窯(こうづきがま)(電:079-569-1225)の作業場をお邪魔した時のことを今もよく覚えている。田中さんが孫に「何か作りますか」と声をかけたとき、孫が目を輝かせて「お願いします」と答えていた姿を昨日のことのように思い出す。
田中和人さんの作品はお人柄そっくりで穏やかで優しい。元気で作陶を続けて下さいと声をかけて会場を後にした。
新型肺炎コロナウイルスの影響で店内でもマスク姿が目立った。大阪と兵庫の往来を自粛してほしいと吉村大阪府知事の談話が先日あった。兵庫の人間がお邪魔虫のように思われているようで心穏やかでなかったが、コロナさんが一日も早く退散してくれることをひたすら祈るばかりである。(了)