鍼灸師になる前、「昭和鍼管」というのを使って、あちらこちらに鍼を刺して、「死ぬんじゃないか」と思う経験をしたことがあります。(^o^)
しかし、その経験は鍼灸師になってから役に立ちました。
詳細は省きますが、患者さんの気持ちを探りたかったのです。
治療時間に隙間ができるときがあります。
きのうは、30分ぐらい早く来る人が3人もいて、もっと早い人は1時間も早く来ていました。
そうなると、時間にズレが生じて隙間ができる。
そんな時、「患者さんの利益になる何かをやる」と考えているので、きのうは「鍼の刺鍼と抜針」の練習をしてもらった。
鍼灸師ですので、基本的に「刺鍼・抜針」はできるのですが、「手つき」を良くするためにやるわけです。
「手つきなど患者さんはわからないだろう」なんて考えてはいけない。
理由は、自分に「刺鍼・抜針」をしてもらうとわかります。
上の写真は、当院でやっている訓練の方法で、前にもこのブログに書いたことがあります。
「そんなことより〇〇の治し方を書け!」という声が聞こえてきますが、治し方と同時に大切なのが手法だと考えています。
患者さんの気持ちで「痛いし」「痛くない」が変わるのです。
それは、私が2週間に一回巨鍼をしてもらっていることとも関係しています。
鍼が刺せるようになったら、次は「できるだけ痛くないように」して、その次は「できるだけ気持ちいいように」を目指して訓練しているのです。
きょうの記事は一般の方(鍼灸師でない方)には面白くないかも知れませんが、ここに書いて、鍼灸師にもっと精進してもらおうと考えているのです。
「精進」の意味は「一つのことに集中して一生懸命努力すること」、「ひたすら修行に励むこと」、「一定の期間行いを慎み身を清めること」、仏教だと「肉食を断って菜食をすること」などです。
精進してもらう目的は、鍼灸業界がもっと発展してほしいと考えているからです。
「患者さんに痛いと言われたから鍼は使わずに手技療法にする」というのは、「逃げ」です。
だから、自分の体に鍼を刺して感触を掴み、それを臨床に生かすようにするのです。
他の業界でも伸びる人は、何らかの精進をしています。
いきなり何億も稼いだわけではありません。
積み重ねがあって、稼げるようになったのです。
違いますか?
どんな業界でも、下積みがあって成長するのです。
「誰でもすぐに」とか「スマホ1台で」なんてものは、信じない方がいいと思います。