先日来られた研修の方は、開業して何年にもなる先生でしたが、巨鍼を見てもらいました。
武道には「見稽古」というのがありますが、それと一緒で、何度も見ることが稽古になるからです。
私が巨鍼を習いに斉斉哈爾に行ったときは、「何度も見る」なんて時間はありませんでした。
張雲飛先生は、すぐに「このゴム板に巨鍼を刺してみなさい」と言って刺鍼の訓練をさせるのです。
そして、すぐに私たちの背中に巨鍼を刺したのです。\(◎o◎)/!
しかし私は研修に来る方の「心の準備」も考えて、何度か見せてから巨鍼を触らせるようにしています。
これはスタッフでも同じです。
スタッフになったからといって、すぐに巨鍼を抜かせるなんてことはさせません。
特に、「巨鍼を抜く」のは簡単ではないのです。
下手すると痛みが出るからです。
現在のスタッフの「モモちゃん」も1年余りになりますが(週一勤務で)、この頃、ようやく巨鍼を抜かせるようにしているのです。
今の時代にこんなに時間をかけるなんて考えにくいかも知れませんが、患者さんを中心に考えますので、その方法を使っているのです。
十分に「見稽古」をしてもらい、それから巨鍼を触らせるのです。
十分に訓練を受けてないと、挫折してしまいます。
それは巨鍼に限らず、毫鍼でも同じです。
「細い鍼を使えば痛くないだろう」と、どんどん細い鍼を使うようになってきたと思うのです。
先日来られたこの先生は、経験豊富なのでさすがだな、と思うことがありました。
それは、「先生は5番鍼だけで治療するのですか」と質問してきたからです。
つまり、「5番鍼は太いから患者さんが痛がりませんか」ということだったと思います。
私は、5番鍼を使う理由を説明し、小学生にも5番鍼を使っていることを説明しました。
そして、臨床の前にやる実験の大切さを説明したのです。
すると、かなり納得した様子でした。
上の写真は、「背中がパンパンに張って凝り痛みがする」という方でした。
この方は、業務用冷蔵庫のような重たい荷物を運ぶ仕事をしているので、かなり背中に力を入れていると思いますが、それだけでは「背中パンパン」にはなりません。