洋菊とシクラメン
江嵜企画代表・Ken
亡父の月命日には必ず阪神御影駅そばにある田中花店を訪れる。
この日は、小菊の絵のコピーと先日、神戸市高齢者美術作品展
で幸いにも努力賞をいただいた時の「朝顔」の絵のコピー2枚
をお店に持参した。
ご主人とおかみさんがたまたま揃って店に出ておられた。型
どおりお供えの花を頼んだ。2~3名他の客人がおられ忙しく
しておられた。時間待ちと言えば大袈裟であるが、店の表で、
何かスケッチにころあいの花はないかと物色した。
手頃な値段で西洋菊を見つけた。お代を払おうとしたら突然、
おかみさんが表に出られた。どうしたのかなと思う間もなく
おかみさんが、もうひと鉢、なんとシクラメンと一緒に袋に
いれ、ささやかですが、お祝いの気持ちですと、といただいた
2鉢が、本日のスケッチである。
シクラメンはシーズンだし、描いてみたいなと思っていた。
以心伝心か、おかみさんが筆者の心の中を見抜いて選んで
下さったに違いないと、思わぬプレゼント、ルンルンで帰宅した。
前日の3日、家人同道でKさんのお参りに加古川別府へ出かけた。
描いているとき蝶になって飛んできてくれた小菊の原画を仏前に
供えた。帰路、姫路まで足を延ばし、書写山圓教寺をお参り
出来たことは幸いだった。
実は姫路美術館で浮世絵展を見る予定だった。前のバスに乗って
大手門で降りなさいと言われて乗ったバスがたまたま書写山
巡回バスだった。降りるの忘れたと言うのが現実だが、Kさんが
せっかくだから圓教寺まで足を延ばしてお参りしておいでと
教えてくれたに違いないと本気で思っている。
今回の2鉢は、思い出に残るスケッチの一枚になるかもしれない。
(了)