思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

充実のCDセット18世紀『啓蒙主義の時代』(仏ハルモニアムンディ)30枚組ー2990円

2013-08-06 | 趣味

まだ全部は聴いていませんが、この全集は驚くほどのお買い得。買わなきゃ損です。

例によってフランス盤のCDは音がよく、歪がなく清い音で、曲目も演奏も品位が高く、流しておくだけで空間が美で満たされます。

それにしても最新録音も多数含む優れた演奏のCDが、どうして2990円なのか?30枚組です。

曲目は、ブログの字数制限で一部しか載せられませんので、上の行をクリックしてください。

 

Disc1:フランスのクラヴサン曲集

F.クープラン:第25組曲、第26組曲&第6組曲
 クリストフ・ルセ(チェンバロ)
 録音:19939月、19945

高名なオルガン奏者を輩出した一門の出身であるフランソワ・クープラン[1668-1733]は、トムランやダングルベールの影響を受けてクラヴサン弾きとなり多数の作品を残しています。円熟期に書かれ、クープランのクラヴサン人生の総決算とも言われる27の組曲から成る「クラヴサン曲集」から、ここでは古楽ファンに人気の「神秘的なバリケード」も入った第6組曲のほか、第25組曲と第26組曲を収録しています。
 これらの作品にクリストフ・ルセが挑んだのは、彼がまだ30代前半だった頃ですが、その演奏には揺るぎのない自信があふれ、たしかな構成感、新鮮で瑞々しい感性、運動性、そして歌心と、全てにおいて驚異的な出来栄えを示すものとなっています。

J-P.ラモー:コンセール用のクラヴサン曲集より第1番、第5
 クリストフ・ルセ(チェンバロ)、寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 録音:19923

ジャン=フィリップ・ラモー[1683-1764]は、オペラの世界で名を馳せたフランスの作曲家。ラモーによる唯一の室内楽である「コンセール用のクラヴサン曲集」は、サロンでの演奏用にと出版されたクラヴサンのソロを中心にした音楽で、オペラの作曲を重ねながら到達したラモーの円熟したスタイルを反映する作品群とみなされています。 若きルセの華麗なクラヴサンと、それを絶妙な間合いで支える寺神戸亮のヴァイオリンと、上村かおりのヴィオラ・ダ・ガンバによる優れた演奏です。 

 

II. LA MUSIQUE SACREE~宗教音楽

 

Disc2:宗教音楽=哀歌のたそがれ

・カンプラ:レクィエム
 フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)シャペル・ロワイヤル
 録音:19868

ヴェルサイユ楽派の作曲家、アンドレ・カンプラ[1660-1744]は、大聖堂で宗教教育を受け、聖歌隊に入って教会音楽の修行を積み、17歳で司祭となり33歳でパリのノートルダム大聖堂の楽長まで登りつめます。
 しかし、若い頃から聖と俗、教会と劇場のあいだを揺れ動く傾向のあったカンプラは、ここでの在職中に、劇場音楽であるオペラ・バレエ『優雅なヨーロッパ』を作曲、立場上の問題から弟の名前で発表するものの、大きな成功を収めてしまったために後に事実が発覚、大聖堂の楽長の地位を追われることになってしまうのです。
 長年勤め上げてきた教会の職を失ったカンプラですが、音楽家としての名声はすでに高かったため、コンティ公の宮廷楽長に就任、今度は晴れて劇場で活躍し大いにその名を高めることとなります。その後、カンプラは59歳のときには再び宗教の世界に戻り、83歳で亡くなるまでに数多くの宗教音楽を書きあげています。
 有名な「レクィエム」は、カンプラが紆余曲折を経て宗教の世界に戻って3年ほど経った1723年に書かれたもの。
 作風は豊かな旋律に彩られたきわめて美しいもので、165年後に書かれたフォーレのレクィエムのピエ・イェズに似た旋律があったり、随所に透明で優しい雰囲気を漂わせるなど、フォーレに与えた影響はかなり大きいのではないかと思われます。
 ヘレヴェッヘ初期の名録音として知られるこの演奏は、作品の魅力をきわめて美しく示したものにも関わらず長年廃盤だったので、今回の復活は大いに歓迎されるところです。

・ペルゴレージ:スターバト・マーテル
 アンナ・プロハスカ(ソプラノ)、ベルナルダ・フィンク(アルト)、ベルリン古楽アカデミー
 録音:200912

豊かな才能を持ちながらも、26歳という若さで亡くなってしまった作曲家、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ[1710-1736]。ナポリの「悲しみの聖母騎士団」からの委嘱によって作曲された最後の作品『スターバト・マーテル(悲しみの聖母)』は、数ある同名の作品の中でも最も美しいとされる不朽の名作です。
 重要な役割を果たすアルトを歌うのはベルナルダ・フィンク。コントロールの効いた、落ち着いた歌声が、十字架の下で嘆き悲しむ母マリアを切々と歌いあげます。ソプラノに迎えられたのは、1983年生まれの若手注目ソプラノ、アンナ・プロハスカ。現代ものから古楽まで、ピンと筋のとおった美声で歌いこなします。器楽パートをうけもつベルリン古楽アカデミーの切れ味鋭い演奏からも哀切感が漂い、深く澄みきった哀しみが忘れがたい感銘を与えてくれます。 

 

Disc3-4:オラトリオ

・ヘンデル:『ソロモン』全曲
 サラ・コノリー(アルト:ソロモン)
 スーザン・グリットン(ソプラノ:ソロモンの王妃、第1の遊女)
 キャロリン・サンプソン(ソプラノ:シバの女王、第2の遊女)
 マーク・パドモア(テノール:ザドク、従者)
 デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス:レヴィ人)
 ダニエル・ロイス(指揮)ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団
 録音:20065

第3幕のシンフォニアが「シバの女王の入城」として知られる大作『ソロモン』は、ヘンデルが晩年に書いたオラトリオで、旧約聖書に現れる古代イスラエル王ソロモンが題材。第2幕に「大岡裁き」ともいうべき場面があることでも有名なこの作品ですが、肝心な音楽も充実したもので、力の入った合唱曲のほか、ソロや重唱にも聴きごたえあるナンバーが揃っています。
 ダニエル・ロイス(レウス)は1961年生まれのオランダ人指揮者。2003年から2006年までRIAS室内合唱団の首席指揮者を務めており、この録音でもRIAS室内合唱団を完璧にコントロールして、ヘンデル晩年の書法の熟達をみごとに再現。歌手陣も、スーザン・グリットン、キャロリン・サンプソン、マーク・パドモア、サラ・コノリーと、有名どころが揃い、伴奏のベルリン古楽アカデミーもいつもの切れ味の良い演奏で大作を引き締めます。 

 

III. LE CONCERTO~協奏曲

 

Disc5:バロック協奏曲の典型

・ヴィヴァルディ:四季
 ミドリ・ザイラー(ヴァイオリン)、ベルリン古楽アカデミー
 録音:20099

有名なヴィヴァルディの『四季』の過激な演奏。「夏」の嵐も、弦楽器の弓が弦にひっかかる感触、ミドリ・ザイラーのソロは、まるでロックかと思うような印象。アンサンブルが刻むリズムも、単に激しいだけでなく、打ち付ける雨粒、足元からずぶぬれになるような錯覚をおぼえるほど。美しい風景画ではなく、どこまでもリアルな感触の『四季』です。

・テレマン:ヴァイオリン協奏曲『蛙』
 ベルリン古楽アカデミー
 録音:20013

柔軟な考えの持ち主で好奇心旺盛だったテレマンは、さまざまなスタイルの作品を書きましたが、中には非常に風変わりな作品もあり、たとえばここに収録されたヴァイオリン協奏曲イ長調には、蛙の鳴き声を真似た部分があるなど、実にユーモラス。ミドリ・ザイラーとベルリン古楽アカデミーによる活気のある演奏は、テレマンの楽しさをよく伝えてくれます。

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051
 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、リチャード・エガー(チェンバロ、指揮)
 録音:20085

バッハの代表作でもあるブランデンブルク協奏曲は、作曲時期がバラバラの作品を集めて出版された曲集で、中で最も早い時期に書かれたのが、ここに収められた第6番となります。バッハ若き日、ヴァイマールの宮廷楽団時代の作品と推測されるこの第6番は、ヴァイオリンを除く弦楽合奏とチェンバロという制約の多い編成で演奏される独特な音楽。
 イギリスのチェンバロの名手リチャード・エガー指揮するアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの演奏は、弾むリズムとエッジの効いた表現によりメリハリのある仕上がりとなっています。

・ヘンデル:オルガン協奏曲op.4-3
 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、リチャード・エガー(オルガン、指揮)
 録音:200611

オラトリオの幕間に演奏されるために書かれたというヘンデルのオルガン協奏曲は、その目的ゆえか、気分転換にうってつけの明るく親しみやすい曲調が印象的で、ペダルのない小型オルガン前提のフットワークの軽い音楽が独自の魅力を放っています。
 オルガンも巧みに弾くリチャード・エガーの手腕はここでも確かで、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの面々とともに、なんともフレンドリーな演奏を聴かせています。 

 

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今日7月26日に発売のツァイス新設計のプラナー50mmF1.4(ソニーα用)試写

2013-07-26 | 趣味

今日7月26日に発売のツァイス新設計のプラナー50mmF1.4(ソニーα用)が、

いま、3時に届きました。

2月26日にキタムラで先行予約した待ちに待ったレンズです。

 

35年前にコンタックスRTSと共に購入し、惚れ込んで使い続けたプラナー50mmですが、

レンズ設計の進歩がどのような描写を見せるか?

ワクワク・ドキドキ。

 

で、早速試写、

いまから仕事ですので、これだけですが、

際立つ自然さ(へんな言い方ですが)、実在感(立体感)、色の美・・・・う~~ん、素晴らしい!

 

この画像は縮小してあります。

 

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最高のミニ三脚=ベルボンULTRA MAXi mini III ーーー愛称はR2D2

2013-07-24 | 趣味

静物の撮影や望遠での撮影、
とりわけいま流行りの超望遠ズーム(35mm版合算で1000mm以上)付のカメラでの撮影には三脚がないと困ります。ちょうどよい木などがそばにあれば代用できますが、やはり三脚は必需品。わずかな手振れは、解像力不足の写真をつくってしまいますのでね。

かつて、わたしは大口径の天体望遠鏡で月面や惑星面の写真を撮っていましたが、合成焦点距離が10000mm(10m)から30000mm(30m)程度になるため、シャッターショックは厳禁で、カメラ側のシャッターは使えず、望遠鏡の筒先に黒い厚紙を離して置き、シャッター代わりにしました。体重移動の揺れが地面から望遠鏡に伝わるために、注意深く筒先で厚紙を移動させたものです。かつて「天文ガイド」などの専門誌に入選した写真は、そのようにして撮りました。

もちろん一般撮影ではそこまで神経質になる必要はありませんが、デジタル時代になり、パソコンで拡大してみる機会が増えたため、わずかな手振れも気になるものです。

 R2D2? (写真は、クリックで拡大します。)

大型の三脚を持ち歩くのは現実的でありませんので、軽くて小さなミニ三脚が便利ですが、ほとんどは造りがヤワで、手振れ防止には役立ちません。わたしは、長いことマンフロット(イタリア製)の低アングル専用を品を工夫しながら使ってきましたが、紛失してしまったのを機にいろいろ見て回り、素晴らしい三脚に出会いました。日本のベルボンの製品ですが、設計も造り見事で嬉しくなりましたので、ブログにします。

ベルボンULTRA MAXi mini III は、小型軽量(実測555g)で、小さなカメラバックに入ってしまいますが、信じられないくらいブレがなく、堅ろうです。高さも5段に伸ばすと意外なほどですし、連続でカチカチカチカチと回せば伸び、戻すのも同じ。面白いほど簡単で素早く出し入れできますし、伸ばしてもブレが少ないのは驚きです。

見本写真にあるカメラは、小型フルサイズのソニーRXー1Rですが、大型の一眼タイプα99でも使っています。姿は、賢くて可愛いロボット『R2D2』に似ていますので、ベルボンさん、商品名(愛称)をそうしたらよいと思いますが、どうでしょう。映画会社からクレームが来るかな?

 ローアングルは便利


武田康弘

 

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アルゲリッチ ルガーノ音楽フェスティバル2012--「溶岩の流出」こその癒し

2013-07-11 | 趣味

アルゲリッチとピレシュ(以前の表記ではピリス)、タイプの違う「大御所」(ピレッシには似合わない言い方ですが)が弾くモーツァルトの四手のためのピアノ(K381)から始まる3枚組。唖然とする見事な開始です。

ただし、想像すらしなかった二人の連弾は、これ一曲で、ちょっと残念。

最新(2012年)のルガーノ音楽フェスティバルですが、次々と奏されるアルゲリッチと友人たちとの共演=饗宴は(アルゲリッチ抜きの演奏もありますが)曲目も面白く、生気が満ち溢れ輝いています。豊かな音楽のご馳走が続きます。

各曲とも高い芸術性をもつ演奏であるのはもちろんですが、ただ流しておくだけも満ち足りた気分になります。「癒し」などという次元の音楽ではなく、「溶岩の流出」ですが、その方がケタ違いの癒しになるという優れた実例。

最新録音の3枚組で1300円、これを買わない手はない(笑)。

武田康弘

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素晴らしいピアニストたちの名曲集ー25枚組(RCA+CBSソニー)

2013-07-09 | 趣味

25枚のそれぞれのジャケットにはピアニストの顔写真が載っています。

名ピアニストたちのそれぞれの個性を堪能できます。わたしは、すでに手持ちのCDもかなりありダブりますが、音質が素晴らしく、以前に買った日本盤と録音が違うのでは?と思うほどです。

クレンペラーのマーラー交響曲集もそうでしたが、なぜ、フランス盤はこれほど音がよいのか(音楽性が豊かで、生演奏の雰囲気をもつ)不思議です。ホロヴィッツのスカルラッティなど感激です。

それにして楽しい企画で、嬉しくなります。あまりの安さにも仰天ですが(送料込みで2990円・一枚あたり120円!)、いま見たら、HMVでは、発売中止(限定版で入荷見込みなし)になってしまいました。

Amazonでは買えます。ただし、価格は7929円です。この価格でも一枚320円ですので、安いと思いますが。

(7月15日ーー追記 価格についてAmazonに知らせたところ、5977円に値下がりしました。)

 

追記、どういうわけか、再び、HMVで2990円で発売を始めましたので、お急ぎ下さい。

http://www.hmv.co.jp/news/article/1305180008/

 

以下が全曲目です。

Disc1
1. シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
2. シューマン:幻想小曲集 Op.12
3. ハイドン:ピアノ協奏曲ニ長調

 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
 ロンドン・シンフォニエッタ3
 録音:1976年、1980年(ステレオ)
 音源:RCA Ricordi

Disc2
ハイドン:ピアノ・ソナタ集
・ピアノ・ソナタ第32番(第47番)ロ短調
・ピアノ・ソナタ第34番(第53番)ホ短調
・ピアノ・ソナタ第44番(第32番)ト短調
・ピアノ・ソナタ第49番(第59番)変ホ長調

 エマニュエル・アックス(ピアノ)
 録音:199310月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc3
リスト:ピアノ作品集
・愛の夢 S.541-3
2つの演奏会用練習曲 S.145~第2曲『小人の踊り』
3つの演奏会用練習曲 S.144~第3曲『ためいき』
・詩的で宗教的な調べ S.173~第7曲『葬送曲』
・パガニーニによる大練習曲 S.140~第3曲『ラ・カンパネラ』
2つの演奏会用練習曲 S.145~第1曲『森のささやき』
・半音階的大ギャロップ S.219
・スペイン狂詩曲 S.254
・タンホイザー序曲 S.442

 ホルヘ・ボレット(ピアノ)
 録音:19721973年(ステレオ)
 音源:RCA

Disc4
・チャイコフスキー:『四季』 Op.37b(全曲)
・バラキレフ:イスラメイ(東洋風幻想曲)

 イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
 録音:19985月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc5
・ドビュッシー:映像 第1
・ドビュッシー:前奏曲集第1

 ミシェル・ダルベルト(ピアノ)
 録音:199712月(デジタル)
 音源:RCA

Disc6
・シューベルト:幻想曲ハ長調 Op.15D.760『さすらい人』
・シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 Op.120D.664

 レオン・フライシャー(ピアノ)
 録音:19639月(ステレオ)
 音源:Sony Classical

・シューベルト:即興曲集 Op.90D.899

 ネルソン・フレイレ(ピアノ)
 録音:19674月(ステレオ)
 音源:Sony Classical

Disc7
・J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988

 グレン・グールド(ピアノ)
 録音:198145月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc8
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲集
・ピアノ協奏曲第3番ニ長調 BWV.1054
・ピアノ協奏曲第7番ト短調 BWV.1058
・ピアノ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056

 グレン・グールド(ピアノ)
 コロンビア交響楽団
 ヴラディーミル・ゴルシュマン(指揮)
 録音:19675月、19585月(ステレオ)
 音源:Sony Classical

Disc9
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30

 ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)
 ニューヨーク・フィルハーモニック
 ユージン・オーマンディ(指揮)
 録音:19781月(ステレオ/ライヴ)
 音源:RCA

・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.36(ホロヴィッツ版)

 ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)
 録音:19804-5月(ステレオ/ライヴ)
 音源:RCA

Disc10
D.スカルラッティ:ソナタ集
・ニ長調 K.33
・イ短調 K.59
・ヘ長調 K.525
・ヘ短調 K.466
・ト長調 K.146
・ニ長調 K.96
・ホ長調 K.162
・変ホ長調 K.474
・ホ短調 K.198
・ニ長調 K.491
・ヘ短調 K.481
・イ短調 K.39
・ト長調 K.547
・ロ短調 K.197
・嬰ヘ短調 K.25
・ニ短調 K.5
・ト長調 K.201
・ハ短調 K.303

 ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)
 録音:1964年(ステレオ)
 音源:Sony Classical

Disc11
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18

 エフゲニー・キーシン(ピアノ)
 ロンドン交響楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
 録音:19885月(デジタル)
 音源:RCA

・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』

 エフゲニー・キーシン(ピアノ)
 録音:20018月(デジタル)
 音源:RCA

Disc12
バーンスタイン:
・2台のピアノと打楽器のためのシンフォニック・ダンス(ウエスト・サイド物語より)
・2台のピアノのためのソングス(ウエスト・サイド物語より)

 カーティア&マリエル・ラベック(ピアノ)
 ジャン=ピエール・ドロヴェ、シルヴィオ・グァルダ(打楽器)
 トリロック・グュルトゥ(ジャズ・ドラムス、打楽器)
 録音:198811月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc13
グラナドス:
・ピアノ組曲『ゴイェスカス』
・スペイン舞曲集 Op.37より(ガランテ/オリエンタル/ビリャネスカ/ホタ/サルダーニャ(アストゥリアーナ)/ロマンティカ)

 アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
 録音:19904月、19943月(デジタル)
 音源:RCA

Disc14
プーランク:
1. 2台のピアノとオーケストラのための協奏曲ニ短調 FP.61
2. ピアノとオーケストラのための協奏曲 FP.146
3. ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲 FP.51『オーバード(朝の歌)』

 エリック・ル・サージュ(ピアノ)
 フランク・ブラレイ(ピアノ:1
 リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
 ステファン・ドゥネーヴ(指揮)
 録音:200312月(デジタル)
 音源:RCA

Disc15
・ビゼー:ラインの歌
・フォーレ:6つのノクターン

 ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)
 録音:19977月(デジタル)
 音源:RCA

Disc16
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

 マレイ・ペライア(ピアノ、指揮)
 ヨーロッパ室内管弦楽団
 録音時期:19903月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc17
・J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より

 スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
 録音:19707月(ステレオ)
 音源:RCA

Disc18
1. ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
2. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』

 スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
 シカゴ交響楽団1
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮:1
 録音:19601011月(ステレオ)
 音源:RCA

Disc19-20
・ショパン:夜想曲集(全19曲)

 アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
 録音:1965年、1967年(ステレオ)
 音源:RCA

Disc21
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』

 ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
 ニューヨーク・フィルハーモニック
 レナード・バーンスタイン(指揮)

 録音:1964年、1962年(ステレオ)
 音源:Sony Classical

Disc22
ケクラン:ピアノ・デュオ作品集
・組曲 Op.19
・デイジー・ハミルトンの肖像 Op.140
・フランス風ソナチネ Op.60
・ジンジャーのための舞曲集(ジンジャー・ロジャーズへの5つのオマージュ) Op.163
2台ピアノのための組曲 Op.6

 タール&グロートホイゼン(ピアノ・デュオ)
 録音:20008月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc23
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

 ヴァン・クライバーン(ピアノ)
 RCAビクター交響楽団
 キリル・コンドラシン(指揮)
 録音:19585月(ステレオ)
 音源:RCA

・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26

 ヴァン・クライバーン(ピアノ)
 シカゴ交響楽団
 ウォルター・ヘンドル(指揮)
 録音:196010月(ステレオ)
 音源:RCA

Disc24
シューベルト:
・ピアノ・ソナタ第1番ホ長調 D.157
・ピアノ・ソナタ第18番ト長調 Op.78D.894『幻想』
・歌曲集『美しい水車小屋の娘』~水車職人と小川(リスト編)

 アルカディ・ヴォロドス(ピアノ)
 録音時期:20017月(デジタル)
 音源:Sony Classical

Disc25
・ラフマニノフ:前奏曲全集(24曲)

 アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
 録音:19681970年(ステレオ)
 音源:RCA 

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ミヒャエル ザンデルリンクの素晴らしいインタビュー記事。

2013-06-27 | 趣味

一昨日ブログに出しました、サントリーホールでのミヒャエル ザンデルリンク・ドレスデンフィルハーモニーの演奏。
その感動を裏づけるようなインタビュー記事を見つけましたので、ご紹介します。スバらしい!!

なお、全文は、クリックで出ます。

Q: そこでマエストロに伺いたいのですが、いま、伝統から生まれる特別な音、とおっしゃいましたね。しかし、どうしてそのような「特別な音」になるのか、私たちはただ「長い伝統から」と言われてもピンとこないので、具体的な要因を知りたいのです。その音は、ずばりどこから、なにから生まれるのですか? ぜひお話ください。

MS: なかなか、鋭い質問ですねえ。まさに、みなさんが不思議に思う点でしょう。しかし・・・言葉で説明しろと言われても・・・(笑)。音楽に携わる私たちの役割は、全てとは言いませんが、ある種「魔法」みたいなもので(笑)。しかし、がんばって説明してみましょう。それは、ドレスデンの地理的な位置に因るところが大きいのです。ドレスデンは、ボヘミア族の住む地域にとても近い位置にあります。19世紀音楽史において、ボヘミア族の音楽は非常に重要です。ドヴォルザークしかり、スメタナしかり、です。彼らの音作りには、深みや濃さ、といったものがあります。たんに「民族音楽」というものではなく・・・音そのものの深み、そして重み、暗さ。そして、家族の起源をその民族にもつ音楽家が、ドレスデンのオーケストラに多数在籍していました。彼らの仕事によって、ドレスデンのオーケストラに独特の音色が構築されたのです。今日もなお、私たちはその創造の恩恵を受けている、というわけです。この音のことを「ドイツ特有の音色」(deutsche wunderHauch)という表現で呼ぶのです。


Q: なるほど。そこまで地域性に根ざしていることを、私たちは知りませんでした。

MS: もうひとつの理由は、政治的な状況です。ここ40年間ほど・・・誤解を恐れずに言えば、ドレスデン人は自信家で、周囲の政治状況にあまり影響されなかったと思うのです。これは、音楽の伝統を保つにはよいことでした。世界はいわゆるグローバリゼーションの時代ですが、私たちは、それに対し無頓着ですらあった、と言ってもいいでしょう。結果として、私たちは、音の独自性を守り抜くことができました。自分たちの気質を誇りに思ってもよいですね。

Q: ご説明、とてもわかりやすかったです。6月に実際に音を聴いてみて、きっと「このことか!」と納得できると思います。

MS: きっと納得していただけると思いますよ。  (うん、十分に納得-武田)

Q: マエストロはすでにチェリストとしてドレスデン・フィルと数多く共演され、また、指揮者としても数年の時間を過ごされていますね。この期間に、ご自分が感じた、オーケストラの音楽的な進歩がありましたら、話していただきたいのですが。ご自身の音楽性についてでもけっこうです。

MS: キーワードはやはり「伝統」なのですが、「伝統とは諸刃の剣で、危険でもある。」という発見をしたことです。何年も同様の演奏様式を踏襲していますと、他の視点から見てみる、ということをしなくなります。「あ、この曲か。」と思うと同時に「演奏法はこれ。」と決めてかかってしまうのです。結果、つまらない、たいくつな音になってしまいます。私がオーケストラのメンバーとともに心がけ、目下、成果が出ているな、と思われるのは、まず、これまでに築き上げられた奏法を守ること、得意とする演目を持ち続けることは大前提です。しかし、同時にその曲の可能性をひろく受け止め、奏法のディティールをもういちど明確化するのです。その曲がいわゆる古典なのか、バロックなのか、近現代、コンテンポラリー奏法によるべきものか、を考えます。このプロセスによって演奏技術は前進すると思うのです。強みは、すでに私のオーケストラが、それらの作業に必要な技術を持っていることです。ハードな練習にも耐えてくれますし、みな、それを楽しみながらこなしています。全員が納得して演奏できるスタイルはどういうものか、可能性を広げるプロセスに燃えていますよ。



Q: 素晴らしいですねえ。マエストロが、ご自分のオケのメンバーを形容するとしたら、どんな言葉で表現しますか?「働き者」ですか、「賢い人たち」ですか、それとも「夢想家」ですか?

MS: (まず大きく笑う)いま、おっしゃった全部ですよ! そしてさらに、なによりまず「意欲あふれる人たち」ですね。音楽に対して意欲があり、新しい発見にむけて意欲があり、発見したものを舞台でショーアップすることにも意欲があり、真の意味で「ライフ・ピープル」、日々生きていることを満喫している人たちだと思います。昨夜の演奏をそっくりそのままくり返せばそれでいい、と思っている人はひとりもいません。毎日が新しいなにかをみつけ、作るためにあるんです。

Q: 聞いていてほんとうに頼もしいです。今回の演目にはベートーヴェンとブラームスの交響曲がありますが・・・まさに「渾身の」プログラムなんですけれども・・・

MS: ・・・はい、そのとおりで。

Q: ドレスデン・フィルが本領発揮するためのプログラムです。

MS: ええ。ドレスデンだけでなく、すべてのドイツのオーケストラにとって主軸となるレパートリーです。そのなかにあってやはり私は、私たちならではの、特別な、現代的な視点に立った演奏をお聞かせできれば、と思っています。これらの古い演目に対して議論される、こんにちの音楽界の信頼してしかるべき主張には、敏感に耳を傾けるべきだ、と考えるからです。すでにここ20~30年ほど、中央ヨーロッパにおいて意識されている「本流追求」の傾向がありますが、私はこの流れを、演奏をもって皆様に知っていただきたいのです。

Q: 日本の音楽ファンは、一般にとても勤勉で、レパートリーや作曲家に関して、かなり知識を持っています。コンサートの観客で、事前に勉強する人も少なくありません。

MS: ええ、よく存じ上げております。

Q: ですが今日は、あえてマエストロに「この曲を聞くのなら、ぜひここを聞きなさい。」というアドバイスを伺いたいのです。

MS: もちろん、いいですよ。どの交響曲について語ればよいですか?

Q: ブラームスの交響曲第1番と、ベートーヴェンの交響曲第7番について、よろしくお願いします。

MS: ブラームスの第1番、これには、明快な解説ができます。ブラームスは、この最初の交響曲を発表するまでに20年の準備を要しました。第1楽章に感じとれるもの、それは「闘い」です。揺るがしがたい・・・ええっと・・・英語で、なんでしたっけ、そう、"Fate"(=運命)です、運命との闘いが、刻まれていくダン、ダン、ダン・・・という、リズムのひとつひとつに聞こえてきませんか。私はそこに、ブラームスが、「私は宿命のもとに20年の迷いの時期を渡ってきた。」という思いをこめていると感じます。そうやって自分自身を前へ、前へと励まし、ついにこのシンフォニーを世に出すときがきた、という、彼の思いです。そこを感じ取ることが、まず、いちばん面白いのではないでしょうか。雄大な交響曲は他にも数多くあります。当時の交響曲は四つの楽章から成り、どの楽曲にも独創性があるわけですけれども、わけてもブラームスのこの作品には、たんなる形式の長短・大小を越えた、「内容」の大きさがあるでしょう。その点において、彼の交響曲第1番は、新しい形式だったのであり、音楽史的にも非常に重要な作品と言えるのです。

Q: ありがとうございます。ベートーヴェンの7番についてはいかがでしょう。

MS: ベートーヴェンの交響曲第7番、これは、特別なシンフォニーですね。有名な「神聖化されたダンス」というワグナーによる形容がありますね。たいへん活き活きしているかと思えば、第二楽章などは葬送曲のような趣があります。そのコントラストが私の興味を引きます。ベートーヴェンが意図したフレージングを追求したいのです。オーケストラや指揮者によっては、各小節の出だしをすべて強調して演奏をする場合がありますが、私はそれを好みません。ベートーヴェンはあきらかに、2小節ごとにまとめている、と見るからです。ところで、ブラームスの第1番も、ベートーヴェンの第7番も、これらの曲が書かれた当時のオーケストラにとって、とても大きな挑戦と言えるものだったのです。そのころは、オーケストラの規模も小さかったですし、演奏技術もまだ十分ではありませんでした。すべてのオーケストラが、現在ほど進歩していなかったわけです。水準が上がった現在でもこれらの演目の演奏は「挑戦」なのですから、当時の指揮者はさぞ骨が折れたことでしょう!(笑)。

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ミヒャエル・ザンデルリンクードレスデンフィルにビックリ!いまサントリーホールで。

2013-06-26 | 趣味

まったくのカンと偶然で、いま(25日)、サントリーホールで、ミヒャエル・ザンデルリンクが指揮するドレスデンフィルのベートーベン交響曲7番とブラームスの交響曲1番を聴いてきました。

ミヒャエル・ザンデルリンクは、巨匠クルト・ザンデルリンク(2011年に99才で死去)の息子で、実力あるチェリストとしても知られているとのことです(プログラムに記載)。1967年生まれの46才。スポーツマンのような俊敏な身のこなしで、身長は185センチ以上ありそう。

健康で、まっすぐな演奏。
古典的にして斬新。
内声部の充実に支えられた快速。
強烈な推進力で、ドキドキワクワクの高揚感。

これは、ルドルフ・ケンペの再来!となる予感。

どういう指揮者か知らずに聴いたので、度肝を抜かれました。ドレスデンフィルの(シュターツカペレではありません)ドイツ伝統の響きが若やいで、溌剌としています。

まるで、アマチュアオーケストラのような全力投入の真剣勝負に、ひゃ~、ドイツはいま始まったばかり、と思ってしまいました。なんという若々しいエネルギー!

ベートーベンの7番の終楽章は、なんとなんと、あのカルロス・クライバーより早い!!しかも完全に弾ききっている。
ブラームスの1番も、伝統の響きをベースに、疲れを知らぬエネルギーに満ちた快演。
(詳しくは後日に)

出会えて、最高!気持ちいい==。

下世話な話をすると、二階の前の中央ーS席で13000円は安過ぎでした。おち。

 

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α99は、「デシタルカメラのフラグシップ」です。(価格コムのレビュー)

2013-04-17 | 趣味
価格コムへ載せたソニー の35mmフルサイズカメラ・α99のレビューです。
 

5か月使いました。結論から言えば、最高!
α99は、一眼レフという従来の形式を超えた自由なカメラ。いわば、デジタルカメラのフラグシップといえます。
APSサイズの一眼レフα700よりもずっと使う頻度が増えました。気張らなくとも美しい画像が簡単に得られます。
わたしはほとんどディスタゴン24mmで撮っていますが、中央だけをトリミングで拡大する機構で1.4倍(35mm)にすることもしばしばです。でも画質は余裕たっぷりで美しい。新しい受光素子の透明でダイナミックレンジの広い画像は、ツァイスの品位の高い色を引き立たせて言うことなし。
35ミリフルサイズで手ぶれ補正がつくのはソニーだけですが、それにプラスしてミラーショックから解放された構造は、ストレスなく美画像を生み出します。ファインダーは、保守的な人には「不評」のようですが、光学式よりも明るく見やすいので助かります。
α99は世界に一つしかない独創的なカメラで、使うほどによさを実感しています。
最後に、
プロ機材を扱う業界に勤める親友(技術者)は、ゾナー135mmで撮ったわたしの写真を見て、「Jペグ万歳!」と叫びました。何の苦も無く、植物の葉の柔らかさと金属のゾクっとするような質感描写の共存する画像が得られる、凄い時代になったものです。

武田康弘

 

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知人宅にミニミニオーディオ設置。ビックリ!のオーディオプロS-20

2013-03-27 | 趣味

古いステレオを処分してラジカセで音楽を聴いている友人(白樺同人)から、ピアニストのマレイ・ペライア40周年記念BoxSet(CD68枚+DVD5枚)を購入したのを機に、小型の装置を組んでほしいと依頼がありました。

ラジカセからのアップということと、マンションなので大音量は必要ない(出せない)ので、総額5万円以内で簡単な装置を組みましたが、意外なほどの高音質に友人は大喜びでした。
(ミニミニオーディオの音場の豊かさにビックリ!・クリックで拡大)


スピーカーは、安価な小型スピーカーでは最高評価のオーディオプロのS-20です。定価は1セット3万円(最安値は大阪の逸品館で22300円)ですが、アンプ・CDプレーヤーを本格的ものにすると、価格と大きさを忘れさせるほど高品位です。低音の量と柔らかな雰囲気はとても小型SPとは思えません。第九もジャズもかなり聴けます。とてもバランスがよく豊かで聴きやすい音です。

(SPを白樺教育館の装置に入れて実験、素晴らしい!・クリックで拡大)

CDとアンプはチューナーも付いた一体型、DENONのM39。実売価格はアマゾンで22400円と安価です。小型・操作の簡単さ・柔らか味のあるデザインで選びましたが、素直で聴きやすく問題ありません。箱庭的な小さな音場となりますが、マンションでの再生なので、ダイナミックレンジの狭さはかえって好都合でした(スケールを大きくし分離や質感もあげるなら高価格のものが必要です)。

スピーカーコードは、逸品館の低価格スタッカード線で、SPの足はコイン状の金属をブチルゴムで5枚サンドイッチにしました=足を付けるのは必要で、音場感が相当にちがいます。この小型SPは、低音がとても豊かですので、壁から離して三点支持で支えると、フワッと音場が広がり、臨場感のある音になります。

友人も柳兼子さんの大ファンですので(お弟子さんの相川マチさんとは親交を持つ)、兼子さんのCDをかけましたが、ステージが小さく目前に再現され、感動を新たにしました。日本語の発声を芸術にまで高めた不世出の女性だな、とシミジミ思いました。

 ※オーディオに興味のある方は、こちらの記事をどうぞ。

 武田康弘

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クレンペラーのBoxSet モーツァルト交響曲&管弦楽曲8枚組

2013-03-14 | 趣味
以下は、アマゾンに出したレヴューです。
 
一連のクレンペラーのBoxSetは、すべて人類の宝と言えるものと思います。
このモーツァルトの交響曲と管弦楽曲集(交響曲は別テイクも収録)も、砂糖菓子のような人に媚びるような演奏の対極にあり、深みのある大きな音楽で、一音一音に豊かなエネルギーをもちます。テンポは悠然としていますが、リズム感は極めてよく、各楽器は十分に鳴り切っています。驚くほど廉価ですが、古い手持ちのCDとは比べものにならぬほで音質も改善されています。ぜひ、お聴きください。
 
武田康弘
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お応えしますーーソニーRX-100です。

2012-12-09 | 趣味

「35ミリフルサイズα99の先進性とツァイスレンズの魅惑」の記事に対して、価格も大きさも一般的でなく参考にならない、手軽で優れたカメラは何か、と問われましたので、お応えします。

常時携帯可能なコンパクトカメラで、ズームレンズの利便性と画質の魅力を併せもつカメラといえば、ソニーのRX-100です。潤いと色気のあるツァイスレンズは出色ですし、撮影素子もコンデジでは一番おおきなものです(1インチセンサー搭載ですが、驚くほど小型軽量)。画質は、少し前のAPS一眼レフを上回ってるのは?

アマゾンで46800円ですが、内容からすれば安すぎると思います。造りも素材もデザインも優秀で、「コンデジの革命」といえるのではないでしょうか。初心者からベテランまでみなが満足するカメラだと思います。気楽に持てる優れたカメラをお探しの方は、ぜひ、カメラ店で試してみて下さい。

武田康弘

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35ミリフルサイズ一眼、ソニーα99の先進性とツァイスレンズの魅力

2012-12-04 | 趣味

4年前の『CAPA』(2009年1月号)は、フルサイズ一眼レフの比較特集でした。キャノンEOS5DマークⅡ、ニコンD700、ソニーα900の三機種です。実写の大きな写真が数枚づつ載っていますが、画質のよさ・美しさは、ツァイスレンズの力が大きいようでソニーが優れていました。

それを見て、その時、わたしはソニーα900を買おうと思い量販店に行きましたが、ツァイス標準ズームを付けたカメラのあまりの重さと大きさに買う気をなくしました。これでは普段使いにならず、飾りカメラになってしまいます。やはり愛用のAPSサイズに利点が多いことを確認したのでした。

あれから4年、今またこの三社のフルサイズカメラが出揃いましたので、わたしは、実物を試しにカメラ量販店に出向きました。

α99のデザインは、α55-α77と同じくペンタプリズムがない利点を生かし、しなやかで丸みのある線が美しく新鮮です。未来的とも言えますが、柔らかみがあり親しみやすいので、よい意味での庶民性もあります。これ見よがしの威張った感じがなく、自然な美しさで好印象。重さも軽量化され、APSサイズの一眼レフ・α700と変わりません。ただし、ツァイスの標準ズームは1キログラム近くもあり、これを付けると重過ぎます。

ニコンのD600は昔ながらの武骨なデザインですが、標準ズームを付けても軽くて小さく、とても持ちやすく、流石だなと思いました。キャノンは中途半端なデザインで、持った感じもいまひとつでした。

操作性ですが、ソニーだけが右手側ですべて行え、液晶モニターも可変式でどのような角度からも見られます。これは撮影の時にとても便利で、様々なアングルで撮ることが可能です(α350とα55を使って実感しています)。しかし、ニコンとキャノンは旧態の固定式でした。

ソニーのファインダーは光学式ではないので、光を見る快感がないとも言えますが、実際に写る画像(撮影素子で受け止める光のありよう)を見ることができるので、この方式(EVF)は理にかなっていると思いました。ホワイトバランスの調整機構を通して色をファインダー上で確認できますし(ファインダーを見ながら自由自在に操作できるのは面白く有用)、露出の明暗、逆光時の光のありようや絞りによるボケ具合も確かめられますので、狙い通りの写真を撮るにはペンタプリズムを使う光学式よりもEVFの方が優れているといえます。今後さらに自然な見えと動体追随性を高めてこの方式を極めるのがデジタルカメラとしての正解ではないでしょうか。

最後に一番肝心の写りのよさですが、2400万画素と画素数を欲張らずにダイナミックレンジを2倍以上(α900比)に広げた新型のα99は、ヨドバシカメラのホームページの写真を見ると階調の豊かさがあり、進歩が実感されます。別のテスターの写真を見てもゆとりのある美しさを感じますし、ソニーが不得手としていた高感度も6400までは綺麗ですので、充分でしょう。

というわけで、先月20日にα99を購入し、いろいろ試しています。
画像は美しく余裕感があります。レンズは、ツァイス24mmF2と、ソニー50mmF2.8マクロと、ツァイス135mmf1.8の三本です。やはり単焦点の切れ味と軽さ(135mm以外)は気持ちがよいです。ミノルタ時代から有名なソニーのマクロは295グラムと軽く、レンズが奥にあってフードの必要がないので軽快です。また、ツァイスの24mmの色乗りのよい上質な美しさには改めて感動しますし、135mmの品位の高さと恐ろしいほどの解像力には、これまた改めて驚かされます。

35ミリフルサイズの優れたカメラが出て、ようやくデジタル時代にふさわしい写真―カメラ環境が整いましたが、レンズは、やはり単焦点の優れたものがほしいと思います。α用のツァイスレンズはまだ3本のみです(来春に4本目でようやくプラナー50mmF1.4がでる)ので、これからソニーは責任を持って充実させてほしいと思います。ツァイスレンズの色乗りがよく品位の高い描写には抗しがたい魅力があります。やはり「写真はレンズで決まる!」です。

わたしは、フィルム時代の愛用品―コンタックス645+ツァイスレンズ7本・RTSⅠ~Ⅲ+ツァイスレンズ9本に変わるカメラ環境を望んでいますが、645のシステムは重過ぎて閉口でしたので、デジタルは35ミリ止まりにしようと思っています。

 (α99の写真は、α700+ツァイス135mmF1.8で撮影したものです。スタンドの明りと窓からの自然光)


武田康弘

 

 

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ケンペの「5番(運命)と6番(田園)」を通して聴くことで分かるベートーベンの精神

2012-11-09 | 趣味

EUからの輸入盤では、ケンペのベートーベンの交響曲は5番(運命)と6番(田園)が一枚のCDになっています。
LP時代はもちろんのこと(田園は40分かかるのでLP片面には入らない)、CD時代になってからもこの二曲を一枚のCDにすることはなく(全くゼロかどうかは分からない)、従って、二曲を続けて聴く機会はありませんでした。

以前にお勧めしたケンペのボックスセットでも、一枚ものとして出ているCD(共にEUからの輸入盤)も、この二曲がセットですが、ケンペの演奏ほど内声部が細やかに聴き取れ、内から自然に湧き上がる演奏は他にありません(クレンペラーの演奏もそうですが、彼の演奏は巨人族のものでケンペは等身大)。実に清く音楽的にふくよかですので、5番の後に6番をそのまま聴いてしまいます。こういう体験は今までありません(できません)でした。

そうして幾度も聴いて(流して)いて、あっ、と気づきました。ベート―ベンは、『ハイリゲンシュタットの遺書
(・・・・人との社交の愉しみを受け入れる感受性を持ち、物事に熱しやすく、感激しやすい性質をもって生まれついているにもかかわらず私は若いうちから人々を避け、自分ひとりで孤独のうちに生活を送らざるをえなくなったのだ。耳が聞こえない悲しみを2倍にも味わわされながら自分が入っていきたい世界から押し戻されることがどんなに辛いものであったろうか。しかも私には人々に向かって「どうかもっと大きな声で話して下さい。私は耳が聞こえないのですから叫ぶようにしゃべってください」と頼むことはどうしてもできなかったのだ。音楽家の私にとっては他の人々よりもより一層完全でなければならない感覚であり、かっては私がこのうえない完全さをもっていた感覚、私の専門の音楽畑の人々でも極く僅かの人しか持っていないような完璧さで私が所有していたあの感覚を喪いつつある、ということを告白することがどうして私にとってできたであろう・・・・)
を書いた後で、この正反対と思われる二曲を同時に作曲し発表したのですが、その意味が分かりました。知識として知っていただけで分かっていなかった意味が突如浮かび上がりました。

「運命」との闘いに勝利した後の「田園」による癒しと解放――新たな世界への旅立ち。

ケンペのまったくどこにも無理のない音楽的に豊かな演奏で聴くと、少し低く見られることもある「田園」が眩い輝きをもっていることが分かります。この「田園」は単独でも同曲中最高の名演ですが、「運命」と同時に聴くことでベートーベンの精神を追体験できます。得難い時間のプレゼント。みなさんもぜひ。

武田康弘

 

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「音楽は、他では得られない内面的充足をもたらす。」ーーマレイ・ペライア談

2012-10-31 | 趣味

 

10月5日のブログで『マレイ・ペライアのピアノ曲全集』に感激しご紹介しましたが、わたしはペライアの個人的な事柄についてほとんど何も知りません。
CDを聴き進むうちに彼の人間性についても興味が湧きましたので、アマゾンの書籍欄で「ペライア」を検索してみたところ、2012年2月号の『レコード芸術』にペライア(1947年ニューヨーク生まれ)のインダビュー記事が掲載されているのを知り、早速注文しました。

ペライアの「語り」は実に素晴らしく、演奏から受けた感じと同じでとても嬉しくなりましたので、以下に書き抜きます(一部簡略化)。


「たいへん幸運なことに、わたしは自分が愛する作品を演奏することが出来ます。録音でも演奏会でも、人々から求められるものではなく、自分自身の熱狂に従ってプログラムを決めます。」

「芸術家であり続けるには、音楽への愛を持ち続けることです。・・楽器を演奏するのはとても難しい。練習して練習して練習して、そして音楽は失われる。だからこそ音楽への愛を維持することが第一です。わたしは若い演奏家にアドバイスします、『作品を手がける前に、まず対位法をよく理解しなさい。不協和音や通奏低音、装飾音について知りなさい。そうすれば音楽に触れる手掛かりを失うことはない』と。若者たちは手早い答えや手早い秘訣を求め、きょう成功したいと欲している。しかし、音楽においては、成功するかどうかは問題外で、理解することこそが重要なのです。漠然とした方法ではなく、明確に捉えなくてはならない。」

 「父がよくオペラに連れていってくれたのです。わたしの母はいまも98歳で健在ですが、まったく音楽には興味を示さない人です。わたしはオペラが大好きになり、次の日には家でアリアを歌っていました。それで父がピアノを買ってくれて、わたしは音楽を愛するようになりました。練習は嫌いでしたが、弾くのは好きで、ピアノで即興をするのも好きでした。」

「膨張するのは簡単なことですが、すべての音が簡潔でないと、ベートーベンやブラームスのもつ真の古典的な美観を抱くことはできません。」

「音楽において声は感情とつながって用いられるし、感情と血脈となりえます。どうしてか分かりますか?音楽にはつねに不協和音があるからです。協和音と不協和和音があり、決してどちらかだけではないからこそ、緊張が生まれるのです。緊張は純粋なものではありえない。人間関係においてもピュアなものなどなにもないのです。必ずなにかが引っ付いてきて・・・フロイト以降、人は純粋さについて考えることはできません。ピュアであるのを望むことはできますが、いつもそこには微細な不純さがあるものです。」

「誠実さは、わたしにとっては最も重要なものです。正直でないものは、信頼することができない。もしもメッセージを交わそうとするなら、それは率直なものでなければなりません。だから、誠実さはピアニストにとって、もっとも大切な本質のひとつです。すべての偉大な作曲家は深いところで正直です。」

「音楽はエゴではありません。演奏家のエゴなんて重要ではない。ただひとつ重要なのは、作曲家の伝えたかったことを伝えられるかどうかです。・・・したがって、できる限り作曲家がもった思想、精神生活を共に生きる必要がある。作曲家の感情とコミュニケーションをとり、彼らの人生を生きようと努めなくてはいけません。」

「作曲家という難しい人物=偉大な人物は勇敢に考える。それが鍵です。『どうして?なぜそうではないのか?』といつも問い続けている。問い続けることでスタイルは発展してくる。」

 ―――そして演奏が終わればあなたは自分自身の人生に戻る。――――

「そう、わたしはとても幸運な人間で、素晴らしい妻がいて、家族があり、二人の男の子がいる。だからわたしはとても静かで、快適な家庭生活を送っていますし、いつでもそこに戻ることができます。」

「音楽は完全な世界を体現してみせてくれる。言い換えれば、それは不協和音が解決をみる世界です。そして、旅の終わりで、満ち足りて終わる世界。主音で終結するからです。わたしたちの実人生ではそのようにはいかない。音楽のなかでは、そうした完璧な世界を思い描くことはできる。そして、調和から切り離され、満たされることがなく、不協和音が解決されないわたしたちに、音楽は自分の人生を育む精神的な栄養をくれる。音楽が人をよりよき人にするとはわたしは思いません。しかし、なにかしら他では得ることのできない、内面的な充足をもたらす。そのようにして、音楽は完璧な世界への道へと繋がっているのでしょうーーー」(以上、マレイ・ペライア談。ききては、青澤隆明)

武田康弘

 

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わたしの敬愛するピアニスト・ペライア68枚+5枚の大全集――感激です。安すぎ!

2012-10-06 | 趣味

うーーーん、これは素晴らしい!

いま、先行予約しておいたペライアのCD68枚+DVD5枚の大全集が届き、聞きながら書いています。わたしの敬愛するペライアの全集が出るとは夢にも思っていませんでしたので、現物を手にして興奮しています。

死後というのではなく、まだ壮年期のペライアの73枚!という大全集(今までに発売された全録音)ーー2ケ月前に先行予約の案内を見た時にはビックリしました。

音を出して、ますます感激!
リマスターされているようで、元々よい録音が更によい音で鳴っています。
紙ジャケットは一枚一枚すべてオリジナルを再現、CD盤のレーベルもオリジナルデザイン。写真の通りとても心のこもったつくりのBOXセットで、メーカーの力の入れようが伝わります。

(クリックで拡大)

手持ちのCDと10枚以上はダブってしまいますが、そんなことは全然気になりません。この見事な全集は驚くほどの低価格、オンライン特価11990円です。
彼の演奏は、豊かさと気品に満ち、独創的なのにふつう。明晰で、神経質さがありません。繰り返し聴きたくなる魅力に溢れるものですが、これが丁寧につくられたBOXに収められて、見ているだけでも楽しくなります。

ピアノ音楽好きの方には貴重な宝物になります。売り切れないうちにぜひどうぞ。独奏曲だけではなく、室内楽や、協奏曲もみな含まれています。まだ見ていないDVDも楽しみです。


武田康弘

---------------------------

 

(追記)

魅力の塊

 10月5日から1週間で15枚ほど聴きました。
ペライアはわたしが一番敬愛するピアニストですが、ますます好きになりました。

 音の美しさ、
丁寧さ、
リズム感のよさ、
推進力、
品位の高さ、
音楽の豊かさ、

至福の時間が続きます。
彼のピアノは魅力の塊です。

 少し詳しく言うと、
音の美しさと丁寧さは、心の内で感じる抒情的世界への慈しみが生む内的な美ですし、
リズム感のよさと推進力は、外からではなく心身の中から湧き上がる自然な力です。例えて言えば、エンジンの力で走るクルマのリズムや推進力ではなく、生身の人間がもつ内なる力がつくるものです。外なる価値や機械に頼るイヤらしさとは無縁です。
品位の高さと豊かさは、ペライアの人間性―善美への憧れが生む落ち着きと、深々とした真摯な心から滲み出す豊饒です。

 言葉で言えぬほど素的な全集を出してくれたペライア本人とソニーレコードに深く感謝します。レコード人生40数年で一番嬉しい贈り物です。わたしの最高の還暦祝いになりました。どうもありがとう!

 武田康弘

 

 

 

 

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