シェイクスピア作品に登場する暴君を解説した以下の文章は、いまの日本の首相、菅と安倍両氏を解説したようで、面白いです。
いつまでも反民主主義の首相では、日本は格差が拡大し、報道や思想の統制が進み、不幸が続きます。
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「混乱の時代に頭角を現し、最も卑しい本能に訴え、同時代人の深い不安を利用する人物」、それが暴君だ。
「統治者としてふさわしくない指導者、危険なまでに衝動的で、邪悪なまでに狡猾で、真実を踏みにじるような人物」であるにもかかわらず、国全体がそのような暴君の手に落ちてしまう。
暴君はあからさまな嘘をつくが、いくら反論されても押し通し、最後は人々もそれを受け入れてしまう。
暴君は命令を発するのみで、もちろん自ら手を汚したりはしない。
暴君に仕えるのは、暴君と同様に自分のことしか考えない悪党だけだ。
暴君は冷静で偏見のない判断には興味はない。追従と確認、そして従順さがほしいのだ。
暴君が勝利するように思える時代もある。が、最後は抑圧されても消えない人間的精神によって暴君は倒される。皆がまともさを回復する最良のチャンスは、普通の人々の政治活動にある。
以上は、『暴君 シェイクスピアの政治学』(岩波新書)スティーブン・グリーンブラット著 (ハーバード大学教授 シェイクスピア研究の大御所)の宇野さんの書評(朝日新聞)です。