思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

NHK歴史探偵ー北条政子(15日放映)は素晴らしかった。情の深さと頭のよさ・新しい日本をつくりあげた偉人!

2022-06-17 | 学芸

昨晩(15日水)のNHKの歴史探偵『北条政子はどんな人物か』は、素晴らしい番組でした。

政子の情の豊かさと深さをあらわす新発見、鎌倉幕府をつくる過程で数多くの戦いをし、また、その後の後鳥羽上皇との戦い(承久の乱)で未亡人になった武士の妻たちに寄せる濃やかな心をあらわす櫛(くし)の紹介。

朝廷=後鳥羽上皇と戦うことになり動揺する鎌倉武士たちを一つした有名な名演説を、ジュリアス・シーザーが殺されたときに、ブルータスを弾劾したアントニーの名演説を引き合いに出しての説明など面白さも満載。知情意すべてに傑出した政子だからこその演説の説得力に改めて感心。

弟の執権 泰時の死後の混乱を、戦いや刑罰ではなく、協力で乗り越える新たな手法で幕府を安泰に導く知恵と度胸の実行力

二代目執権・泰時の武力ではなく、法(御成敗式目)による統治の成功への架け橋となった政子の思想と行動。それは、後の時代よりも進んだ日本を生み出したこと。江戸時代の儒教道徳を超えた男女同権の世を現実のものとした政子の偉大さを伝えていました。

実力ある安定した北条政権の日本だったからこそ、その後の元寇に勝つことができたことなど、まことにわたしが言いたいこと、このblogで描いてきた見方が示されていて、最高の気分でした。う~~ん素晴らしい。再放送をぜひご覧ください。

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以前に示しましたように、北条政子・義時(政子の弟)・泰時(義時の長男)の3人により、日本は新たな日本になったのです。日本史最大の変革を成し遂げた北条政権は、まことに素晴らしい。

また、同時代に親鸞による浄土真宗が茨城の地で開かれ、承久の乱で処分されて僧になった後鳥羽の息子の一人、周観(のち善性)が自身の傷心をうめるために、また父の罪滅ぼしのために父が流罪とした親鸞に帰依し、弟子となって板敷山大覚寺と東弘寺を開基したのです。わたしが調べたことが世に知れると嬉しいです。来年は開宗800年です。泰時は、政子の供養のための校合を親鸞に頼み、その作業中、いくども労いに訪れています。

1207年の法然門下の死刑と流罪は、後鳥羽上皇が28才の時に起こした愛欲に基づく悪行で、その14年後1221年の承久の乱は、後鳥羽上皇の権力欲による悪行です。この二つの悪行が、結果として日本に思想(宗教)と政治の同時革命を起こしたわけです。親鸞は主著「教行信証」の末尾で、後鳥羽と順徳の名をあげて、法に反し義に違した朝廷を厳しく批判しています。


武田康弘



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