小出さんは真の恋知(哲学)者だと思います。
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「私は、いつも今だけを見ているので、明日のことには興味がありません。先のことを考えていませんし、1年後、自分がどうなっているかなど、想像したこともありません。
私がこういう考え方になった決定的理由は、次郎という子どもを亡くしたことです。
次郎は先天的な障害を持って生まれ、たった半年間生きただけで、ある日突然逝ってしまいました。その時に、「ある時生れて、ある時死ぬ。命とはそういうものだ」と心の奥深く了解しました。そのため、死を恐れることはなくなりましたし、「明日死ぬかもしれない」と本気で思っています。
だからこそ今、私にできることをやる。原子力に託した愚かだった私の落し前は、私自身がつけるしかありません。」
小出裕章(こいでひろあき)原子核工学者・元京都大学原子炉実験所助手 『原発事故は終わっていない』毎日新聞出版の216~7ページより。
武田康弘
武田康弘