小泉政権から変わりだし、安倍政権で大きく右に傾いたわが日本は、テロを心配しなくてはならない国になりました。
親アラブで、アメリカとはその点で距離を取り、独自外交をしてきた旧自民党時代ではありえなかった事態になったのです。
イスラム国のテロ行為は許しがたいものですが、その原因つくり培養したのは、イラクでのアメリカ軍を中心とする無差別の空爆=巨大な暴力行使であることは確かです。
人質事件の真っ最中にイスラエルを訪れ、武力主義の首相=ネタニヤフと握手し、テロとの戦いを宣言した安倍首相は、過激派だけでなく一般のアラブ人までにも悪感情を植え付けました。
これほどまでに愚かな政策を実行してきた背景には、戦前の大日本への回帰を希求する「日本会議」のウヨク思想がありますが、日本国家主義のイデオロギーに囚われると、現実的に国民が損害を受けるだけでなく、その歪んだ想念に支配され、人間的自由や幸福が奪われていきます。
実に愚かで、危険です。得も徳も失います。
安倍首相の罪は計り知れないほど大きなもの。
武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室客員)
ただ、恨みや憎しみの感情は間違いなく負の連鎖をうみ、人間にとってなにもよいものは生みださないことはもうわかりきったことです。9・11のテロとてそうだったのではないでしょうか?その批判や憎悪の矛先はテロリスト達のみへと向けられます。大切な人を殺された人たちにとってはもちろん直接的に危害を加えた相手を憎む感情を持ってしまうのはわかるのです。だけど、テロを起こさせた元はどこにあるのかを考えたならテロリストだけを恨み、国家が組織的に仕返しをするという行為に出ることが如何に愚かなことなのかがわかると思います。強大な力でそのような残酷な行為をすればまたそこで多くの大切な命が奪われ、恨みや憎しみの連鎖に繋がります。他者を巻きこむ自爆のようなあまりにも無惨な自殺的テロ行為に出るその背景には、やはり家族や友人という大切な人を殺された経験や酷い格差不平等や差別があったりするのではないでしょうか?『何故』という根本から目をそらして批判の矛先を違えてしまうのは愚かで危険なことだと思います。あえて目をそらし戦争行為によって富む一部の富裕層がいることは多分今では多くの人が知ることとなっていると思いますが、何故ふつうに生活している多く人々が、その一部の人たちの為に税金を払い健康や命を犠牲にしなければならないんですか?ほんとうにもうこんなことはやめにしませんか。報道がテロリストたちの残虐性を騒ぎ立て、如何に捕え仕返しをするかということばかりに偏り過ぎれば、根本の解決から遠ざかることになってしまいかねない。
私は残酷なテロ行為は許されるものと思っていません。だけど何故テロリストたちがうまれ何故テロ行為に出るのか、その背景・根本を考えなければテロをなくしていくことは出来ないのではないでしょうか?少なくともまず空爆などの攻撃を国レベルで止める判断をすることがテロを減らしてなくしていくことに道を繋げる賢明なことなのではないかと私は思います。安倍総理をトップとする日本政府が今回のことを理由に使い、国民の命を守る為と大嘘ついて騙し(最早このことは関して騙されている人は少ないと思いますが)私たちひとりひとりの生活、健康も命も危険にさらし、アメリカを真似て戦争へと進むことは許されないことです。
テロを生む温床をなくす努力をせず、ただ、空爆を強め、関係のない人々まで殺す。
テロを理由にして軍事力ー軍事費を増やす、それではテロを防ぐことに一つもプラスしません。冷静に考えれば誰でも分かることです。
日本の役割は、アフガンの中村医師のような行為です。真の人道であり、もっとも効果がある助力です。