思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

『小沢一郎完全無罪』-「特高検察」が犯した7つの大罪  平野貞夫著(講談社刊)

2010-08-29 | 書評

以下は、
「検察が健全でないと社会正義は揺らぐ。・・平野君、どうか検察の仕事を理解してやってくれ」という前尾繁三郎元衆議員議長の遺言を聴いた著者の平野貞夫さんの著書『小沢一郎完全無罪』-「特高検察」が犯した7つの大罪」(2010年4月講談社刊)からの抜粋です。

小沢一郎さんについて語る人は、この本を読んでからにしないといけない、わたしはそう思いました。なにごとも、憶測や感情のみで判断するのは極めて危険です。その人の近くにいた信用に足る人物の話を聴くことは、とても大切でしょう。


「私は、衆議員事務局に就職してから、ほとんどの期間、一貫して議院運営委員会の事務畑を歩んできた。そして、政治家の犯罪やスキャンダルについて数多くの案件を国会の現場で処理してきたのである。・・
その後、私は、1992年から参議院議員になった。そして法務委員会の所属し、議員としての12年間のうち、11年間、司法改革に専念した。
私が司法改革に協力してきたのは、少しでも恩師(前尾繁三郎)の理想とする検察の在り方を実現し、遺言を守りたいと思ったからである。
そうした思いから、私は政界を引退した今でも、情報社会における検察制度の健全な見直しを念頭に置き、日本の社会の公正さを確保・維持する機関として、検察を非常に重要視してきたのである。」


この後の本文、平野さんの論は、単に小沢さんの擁護というのではなく、強大な権力をもつ検察という組織の犯してきた過ちの実際と、検察組織の民主化のためには何をすべきかという提言です。とても平易・明晰ですので、ぜひ一読をお勧めします。


また、以前にお勧めした優秀な元検事の郷原信郎さん(政治的には反小沢)の著書『検察が危ない』(ベスト新書)も必読です。ここでも、検察の実態を知ると唖然とします。


武田康弘
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民主主義を! ( C-moon )
2010-08-29 22:32:47

平野さんの著書は、まだ読んでいませんが、フリージャーナリスト、岩上安身さんによる平野氏単独インタビューの内容がツイッターで、youtubeでアップされているので見ました。
郷原さんにしても同様、同氏による単独インタビューのyoutube動画、また郷原さん自身がツイッターで意見を積極的に述べているので、検察の実態を掴むことができました。

ここで面白い結果があります。

小沢さんが民主党代表選出馬表明後、読売オンラインがネット上でアンケート調査をしました。その結果は……

小沢氏の出馬を支持するか?
支持する76% 支持しない24%

*結果が出た直後、直ちに結果を跡形もなく消してしまったところが読売らしいです(笑)
そして、読売、日テレが行うだろう世論調査の結果がどうなるのか。どのように解説するのか見ものです。

他にもネット上で
◇livedoorニュース
菅首相と小沢一郎氏、どちらを支持する?(8342票)
小沢一郎60,5% 菅直人39,5%

◇Infoseek(内憂外患)twitterアンケート(1734表)
民主党代表選、あなたならどうする?
小沢一郎支持95% 菅直人支持4%

◇ところが、共同通信の世論調査では
菅直人氏支持69,9 % 小沢一郎氏支持15,6%ということで「国民の多くは菅首相続投支持!」とのこと。(有効回答1029人)

このような乖離の原因はどこにあるのか、考えてみると、ネット上では郷原さんが主張するように

『以前から言っているように、第5検審が「起訴相当」とした「被疑事実」は、不動産取得時期と代金支払時期の「期ズレ」だけです。こんな事実で再度の起訴相当議決はありえません。万が一あっても、絶対に無罪です』

ということが、冷静に受け止められ、圧倒的に支持され、西松建設、水谷建設からの政治献金疑惑を含めて、検察のシナリオに基づいた国策捜査であることと認識されている。
あの東京地検特捜が2年近くもの月日と20億円もの税金を使い大手ゼネコンから陸山会事務所まで強制捜査しながら、未だ小沢さんが起訴されていない事実。
小沢さんの元会計責任者、公設秘書の大久保氏の公判も昨年一度行われただけで、そこで、元西松建設の担当者の正当な政治団体であったという証言から、2月に行われるはずの第二回公判も「訴因変更」という理由で延期され未だ行われていないこと。石川議員の公判も一度も行われていないこと……
検察の横暴さは、郵政不正事件の村木公判でも明らかです。
このことがメディアや野党、民主党の議員までが、小沢氏批判の基盤とする「政治と金」の問題だなんて呆れて開いた口が塞がりません。


こうした検察の横暴さとあがきがネット上で詳細に明らかにされ、また新聞、テレビでは伝えられない小沢さんの高い評価、そのダイナミズムは海外でも指折りの政治家として評価されていることなど、新聞とテレビニュースだけに頼らず、ネットで情報を得ている人たちの小沢さんへの正当な評価が現れた数字だと思います。

一方、既存メディアの世論調査での対象者抽出法である無作為抽出では、ネット上で情報を得ている人たちを拾いにくい側面があり、新聞とテレビニュースだけを情報源とした大多数の意見が反映されるという傾向が、こうした乖離現象を生んでいる原因のひとつだと思います。

僕は学生時代、読売新聞社の世論調査部で月に1週間から10日ほど、対象者の抽出、調査票の全国への発送(当時は直接面接方式だった)、都内での調査、集計というアルバイトを約4年間したいたので、良く解るのですが、世論調査とは、自社の記事、論調の国民への浸透度を測る後追い調査的な設問と傾向があり、必ずしも対象者の真意を知るものではないことを感じていました。
だいたい大新聞社の世論調査の対象者になったということだけで、変にかしこまり、大仰に新聞の論調をそのままに答える人が多かったですからね。
それと何も考えていない人。意見を持たない人が半数以上。そういう人は、現体制にYes。設問の流れのままにYesです(笑)

いずれにしても、タケセンさんが今回取り上げた、小沢氏の評価について、検察について私たちは「知らない」では済まされません。
「知らない」では、この国の行方は、いつまでたっても官僚とマスメディアが描くシナリオのまま進んでしまい、真の民主主義国家として立ちゆきません。
私たちが望むのは「普通の国」です。民主主義の独立した国。ささやかに豊かで平和であること。そのために邁進する政治家を正当に評価し、働いてもらいたい。舵取りをしてもらいたい。それだけです。

そのためには、タケセンさんが仰るように、こうして推薦していただいた良書を読むことも含めて「知ること」。「考えること」。そして「伝えること」が大切だと思います。
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