思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

クルレンツィスは語ります 「工場のようなオケでなく、恍惚感や愉悦を生み、エネルギーが聴取に伝わる未来のオケがムジカ・エテルナです」

2021-03-12 | 芸術

 クルレンツィスは語ります。

 ムジカ・エテルナは、ロシアで唯一の国際的なオーケストラで、仕事をするためではなく、友情でつながっています互いに尊敬し、責任感を伴う友情です。団員約100名の国籍は12カ国。多くはコンクールの優勝経験があります。みな、工場のような管理されたオケではなく、質の高い『未来のオケ』をつくりたいという私の夢と考え方に共鳴して集まった仲間です。

 未来のオケはとは、聴衆にエネルギーを与える生き物です、超越的な体験を引き出す恍惚的なものです。恍惚感や愉悦は、工場で働くようなオケからは出てきません。友人や愛している人とだらかこそ生みだせるのです。

 わたしがギリシャで生まれたことはとても幸運です。ギリシャ哲学から多くのことを学んだことで、物事を見る特別の視点を持つようになりました。古代の哲学書を読めば、iPadやインターネットがなくても精神的に我々より進んでいた彼らの方が賢いことが分かります。

 天才的な作曲家は時代を超越しています、すべての音楽は現代音楽なのです。わたしがやろうとしてるのは、音楽を再生産するのではなく、解釈し、夢想しながら、超越的な体験を引き出したい。それにはエネルギーが必要です。人々はなぜロックコンサートで熱狂するのか。演奏者が感じているエネルギーが聴衆に伝わるからです。教育で無菌化された学者のような音楽家が奏でるのは、音楽の内部ではなく、音符に過ぎません。クラシックの音楽家はダンスのステップさえ知りません。 

(以上は、2019年来日時のパンフレットより。編集は武田による)


2019年2月の初来日時、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲演奏後。ソリストのコパチンスカヤは強力な同伴者 撮影武田康弘)

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