思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

善とは何か。フィロソフィーの善と宗教の善は、まるで異なります。

2017-07-27 | 学芸

ソクラテスのいう善美のイデアの追求の「善」=「よい」は、
宗教でいう善とはまるで異なります。

では、フィロソフィーの「よい」とはなにか、
それは、『白樺教育館』の玄関に掲げてありますが、以下です。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 最高のイデア(理念)とされる【よい】の意味について。


女性と対話するソクラテス
(レリーフ制作は紀元前2世紀)

 恋知(哲学)でいう【よい】とは、かたまじめな善(ぜん)のことではありません。

生き生きとしていること・輝いていること・しなやかなこと・瑞々(みずみず)しいこと・溌剌(はつらつ)としてること・高揚感のあること・囚われのないこと・愉快なこと・・・ を言います。

 「まじめ」ということも、学校や官の世界でいう「真面目」、厳禁の精神・既成秩序に盲従する「真面目」ではありません。ソクラテスとプラトンのいうまじめとは、恋愛におけるまじめ=真剣と同じです。興味のある方は、世界文学最高の古典の一つと言われる『饗宴』(プラトンによるソクラテスの対話編)をお読みください。アカデメイアの主祭神は、エロースの神です。善美をめがける動力源は、エロースの力とされます。宗教との根本的違いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

必然の神・アナンケを打ち破ったのが恋愛の神・エロースであったというギリシャ神話は、とても示唆に富むエピソードです。
規律・掟を絶対とする「厳禁の精神」のアナンケの支配下では神々の争いが絶えませんでしたが、
性愛を司るエロース神が、厳禁のアナンケを打ち破ったことで、調和=平和が訪れたのです。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 加計学園疑惑=最大の当事者... | トップ | 無視、虐め、暴力、抑圧、あ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学芸」カテゴリの最新記事