人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

お前は見た

2014-11-10 17:06:10 | 詩的文章
これは一体どういう事なのですか!

眩いばかりの調和世界から、僕は再び表側へと意識が向けられた

愕然とする光景が、繰り広げられていた

道行く人々は、果たして生きているのだろうか?

人々は自らの命の源を、知らずにいるのだ

それ無くしては、片時も生きられぬものを

この浮世の全ての営みは、本体の無いがらんどう

コンクリートの壁ばかりが、一面覆っている

川も池も原っぱも、全てが灰色に染まっている

命の絶たれた営みは、滅びるばかりなのか…
 
僕には分かりません¡ それでもここに戻るのですか

表と裏とには、動かぬ壁で隔てられているのですか

僕は紫に黄昏れゆく街中で、茫然と立ちつくしていた

すると…

光と闇とを分かちながら、知られざる雲がささやいた

お前は見た、上昇する大地を

お前は見た、天地をつなぐ柱を

お前は見た、生き通しの巨人を

お前は見た、遍く広がる光の筋を

お前は見た、光の綾なす連なりを

そうだ…お前は見たのだ

見えているものばかりが、全てでは無いのだ

人々は思いの中で、我々を拒否している

移ろう思いの底では、いつも我々とつながっている

本体を持たない影も無く、部分品だけの全体も無い

明かされることの無い、ものの真実などあるだろうか

裏側の本体は、表側の仮体に転じる

仮初のような人生の窓にも、永遠の今が映っている

お前の全ての縁の中に、我々自らを顕わす

お前がお望みならば、その瞬間をとくと見るがよい…


夢と現のはざまで、訳が分からなくなって

ほうほうの体で、歩いているうち

突き出たものに、躓いた

コンクリートを破って出たものは、巨木の根っこだった…















コメント
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