人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

ユダは語る3゛聞け!門をたたく音を”

2015-05-01 09:07:26 | 詩的文章
私はユダ…”この世に生まれ出ない方がよかった”と言われたもの

”求めよ、然らば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門をたたけ、さらば開かれん…”
(マタイ伝)

お前も知っていよう、この金言を…

だがあの”人の子”の語ることは逆説に満ちていた

周りの誰もが”神の子”と呼んでいたが、彼自らそう呼んでいたのだ

”求めよ!”…求めてやまないものに駆り立てるこの言葉…

何と人間らしいではないか!

人皆は飽くことなく求め、尋ね、門をたたき続ける

何処に行くとも、何に導かれるとも知らずに…

まるで世の元からの掟に従うように…

だが…私の向こう見ずの熱情は、この”裏切り”の言葉によって裏返された

そして私の”求め”は落ちてしまった…求める以前にあったものに…

私が求める以前に、私が求められていた

私が尋ねる以前に、私が尋ねられていた

私が門をたたく以前に、門はたたかれていたのだ…

私の意志に先立ち、原初の意志が立ち上っていた

そのものが求めてやまないものに駆り立てた

私は聞いた…門をたたく音を…

それは心臓の鼓動か…大地の鳴動か…

まさしく原初からの音信だった

このものによらずば、新しいことは何一つ始まってこない

人の生も、世界も開かれないのだ

このもの自らが人に、世界に開くのだ

神の王国の成就とは、人間の分際のことでは無いのだ!

見よ!噴煙とともに火柱が立ち上がる

聞け!地の底から大地を蹴破る音を!

お前の新天新地が開かれる…

さらば、聞くべし…

お前の門をたたく音を…




















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