人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

当たったあ!

2016-04-28 12:06:35 | 回想
内山が負けた!
一体誰が想像したでしょう…
巨人は阪神に大勝! ピンチにゲッツー、エラーを貰う、ホームランは出る…5回が鬼門の投手(田口!)が初完投…何をやっても上手くいく展開…
して、ボクシングでは内山の弟分の田口(!)が、KO負けを知らないタフな挑戦者をバッタバッタと倒しまくって棄権勝ち…
河野もダウンを奪って持ち味を発揮して大差の判定勝ち…
おや?…やけにメインイベントの放送時間が延びてるぞ…ハハーン、こりゃ早く試合が終わっちゃったってワケ?…そうだろう、あの内山だ、相手はパンチ無いし、負ける要素など考えられない…
ゴング! ヤヤッ、意外!挑戦者が前に出てきたぞ! 結構いいのを貰った…しかし、いつも一Rは様子見の内山のこと全然気にしてない…という事は…次で決まったんだな…で、何?…信じられない!…内山の方が天を仰いじまったあ…これは効いた、どうにか立ったがフラフラしている、これで試合がストップしてもおかしくない痛烈なダウン、事実上これで決まってしまった…
最後にこういう結末が待っていたとは…スイスイ行かないもんですね物事は…昨夜は寝つきが悪かったです。ボクシングの恐ろしさを改めて思い知らされました。
約五十年前の昭和42年4月末、この夜とは違う空気に導かれましたが、会場が一瞬同じようにざわめきに包まれました。テレビ放映の解説では ”あ、当たりませんねえ…ダメです、当たりません!”と…次の一瞬、”あ、当たったあ!”映画俳優のようなイケメンで”不倒の男”と言われたチャンピオンが”ドタッ!”と顔から倒れたではありませんか!
世界ジュニアウエルター級(現スーパーライト)戦。チャンピオン、イタリアのサンドロ・ロポポロ。ロ-マ五輪の銀メダリスト、決して弱いボクサーじゃないです。少なくともこの試合までは…
全く絵を描いたように対照的に見える、無精ひげの挑戦者は日系ハワイ人の”ハンマーパンチ”藤猛です。
おそらくこれまでの日本人ボクサーで、(体重差無しで)もっともハードパンチャーだったのは、私見では彼か内山じゃないかと思われます。
当然のことながら、戦前の予想は”当たれば勝てる”で、そうなったのです。
その一撃はまた強烈、全く昨夜と同じ感じ、ロポポロ足を引きずってる。事実上、それで決まったも同然でした。その後のレフェリーの処置が悪く、哀れにもロポポロはロープを背に、何発もそのハンマーを浴びてしまうことになりました。おそらく彼はそれでボクサー生命が縮まってしまったことでしょう…。
試合後、藤はリング・アナからマイクを奪って”岡山のオバアチャン、観てる…ボクシングはヤマトダマシイネ…”と何を言ってるのか分からないメッセージ。これは流行語となり、一躍時の人となりました。
初防衛戦は半年後、峠の過ぎた欧州のボクサーにKO勝ちしたものの、翌年秋、ハンマーはついに当たらず…一発はおろかカスリもせず、挑戦者の正確無比のジャブ!を再三浴びて棄権負けしてしまいました。(ジャブでKOが決するというのも記憶に無いです)
これはちと相手が悪すぎました。アルゼンチンのニコリノ・ローチェ。私が観た中で、こと防御に関してはナンバーワンです。(何がスゴイって、フットワークをほとんど使わない、ベタ足のままあの手この手のテクニックでかわしまくるのです。井岡一翔に土をつけたアムラットという黒人みたいなタイのボクサーがこれに近いか…)
こういうネタを書いていて、ちょっと複雑な気持ちです。
昨夜の結果が無ければ多分書いてないでしょう…しかし、まざまざと思い出してしまいました…。まさかそういう展開になるとは…
昼間、同年代くらいの仕事仲間に「藤猛って知ってる?」「ああ、居たねえ…」と、当時の戦慄の試合展開を迷?解説していたのです。(何せヒマだったもんで…)
そして、頭のどっかにふと過りました…近頃想定外のことが多いな…とはいえ、こんなネタ書くことも…”あるかもね”と…。
コメント
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