ー恋人たちの会話ー
「あなたはこないだ、あなたにとって神が最愛のものだ、みたいなこと言ってたわよね?...それって私よりってことなの?」
「そ、それはだね、人生で何時、一番愛というものを感じたか、っていう話の流れで出たことなんであってね...」
「何だか歯切れが悪いわね...じゃあ、最愛のものは私なの? ...そうなんでしょ?、違うの?」
「そ、そんなこと、分かりきったことじゃあないかi...目の前に居る君を前にして、"君でない"、なんて言えやしないよi」
「でも、私分かってるわ、あなたは信仰的な人なのよ、神は万物の創造主、神無しであなたは生きていけないんだったら、神が最愛のものになるんじゃなくて?...」
「確かに、僕もそういう風なことを言ったよ、でも、今は...」
「今は?...私ってことなの?...ああっ...もしかしてあなたは容易く節を曲げちゃう人なの?」
「ち、違うよi...多分...」
「"たぶん"ね...はっきりしない人ね、はっきり言ってちょうだいi 私なの、神様なの、どっちなのi」
「だ、だから今は"きみ"(小声)だって言ってるじゃあないかi」
「そうなの?...じゃあ、あなたは平気で神様の札を踏みつけられる人なのね、護教精神なんて無い人なのね?」
「護教精神?...そんなものは知らないなあ...札でも、お守りでも持ってこい、ってもんだよi 最愛のものは、信念なんかとかじゃ語れないものだよi」
「じゃあ、あなたの目の前に神が現れても、そういうことが言えて?...」
「ええっ...目の前に...そいつあ、ダメだi、無理だi...いいや、君だって無理だよi」
「私も...何で? 私は神様なんか信じちゃないわよi...第一それが本当に神様なのか、幻想なのか分からないんじゃなくて?」
「いや、見えようが、見えまいが"現前する"ってのはどうしようもないことだよi」
「じゃあ、神があなたの目の前に現れたら、それがあなたの最愛のものになるってことなのね?」
「そうだよi 最愛のものというのは、いつも現前するものなんだよi...神は万物の創造主、神あっての僕...そういう理屈を知っていても、どうしても現前するものがすべてになっちまうさ...」
「それで、今は私が目の前に居るって訳ね?」
「そうだよi...君を目の前にして言うのもなんだけど...いつも現前している君を見ていると、現実に見えていない君のことも見えてくるようだ...まるで女神様のように思えてくるよi」
「だから女神様と私とどっちなのよおi」
「そ、そんなあ...どっちでもいいじゃないか!」
「じゃあ、それが私と別の彼女だったら、そういう風に思えるの?」
「それは、目の前に居ないんだから分からない」
「もし、居るんなら...」
「そういう風になるかなあ?」
「呆れたi...もう、知らないi、さよならi...」
"どうして、こうなっちゃうかなあ?...ぐすん...
だから...この答えは分かりきったことなんだi..."
「あなたはこないだ、あなたにとって神が最愛のものだ、みたいなこと言ってたわよね?...それって私よりってことなの?」
「そ、それはだね、人生で何時、一番愛というものを感じたか、っていう話の流れで出たことなんであってね...」
「何だか歯切れが悪いわね...じゃあ、最愛のものは私なの? ...そうなんでしょ?、違うの?」
「そ、そんなこと、分かりきったことじゃあないかi...目の前に居る君を前にして、"君でない"、なんて言えやしないよi」
「でも、私分かってるわ、あなたは信仰的な人なのよ、神は万物の創造主、神無しであなたは生きていけないんだったら、神が最愛のものになるんじゃなくて?...」
「確かに、僕もそういう風なことを言ったよ、でも、今は...」
「今は?...私ってことなの?...ああっ...もしかしてあなたは容易く節を曲げちゃう人なの?」
「ち、違うよi...多分...」
「"たぶん"ね...はっきりしない人ね、はっきり言ってちょうだいi 私なの、神様なの、どっちなのi」
「だ、だから今は"きみ"(小声)だって言ってるじゃあないかi」
「そうなの?...じゃあ、あなたは平気で神様の札を踏みつけられる人なのね、護教精神なんて無い人なのね?」
「護教精神?...そんなものは知らないなあ...札でも、お守りでも持ってこい、ってもんだよi 最愛のものは、信念なんかとかじゃ語れないものだよi」
「じゃあ、あなたの目の前に神が現れても、そういうことが言えて?...」
「ええっ...目の前に...そいつあ、ダメだi、無理だi...いいや、君だって無理だよi」
「私も...何で? 私は神様なんか信じちゃないわよi...第一それが本当に神様なのか、幻想なのか分からないんじゃなくて?」
「いや、見えようが、見えまいが"現前する"ってのはどうしようもないことだよi」
「じゃあ、神があなたの目の前に現れたら、それがあなたの最愛のものになるってことなのね?」
「そうだよi 最愛のものというのは、いつも現前するものなんだよi...神は万物の創造主、神あっての僕...そういう理屈を知っていても、どうしても現前するものがすべてになっちまうさ...」
「それで、今は私が目の前に居るって訳ね?」
「そうだよi...君を目の前にして言うのもなんだけど...いつも現前している君を見ていると、現実に見えていない君のことも見えてくるようだ...まるで女神様のように思えてくるよi」
「だから女神様と私とどっちなのよおi」
「そ、そんなあ...どっちでもいいじゃないか!」
「じゃあ、それが私と別の彼女だったら、そういう風に思えるの?」
「それは、目の前に居ないんだから分からない」
「もし、居るんなら...」
「そういう風になるかなあ?」
「呆れたi...もう、知らないi、さよならi...」
"どうして、こうなっちゃうかなあ?...ぐすん...
だから...この答えは分かりきったことなんだi..."