からくり出張所

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高出力化したスターリングエンジンのこと

2011年09月16日 22時47分42秒 | からくり情報

 相変わらずの暑い日が続いています。幸か不幸か本日は来客続きで家の中でウロウロしていたので会社に居るのと同じ涼しい状態でした。 娘が現れたので家人は二人でお出かけしていました。当方は昨日ほぼ一日外出したのでその埋め合わせもあって自宅作業です。

で、昨日は気になって仕方がなかった不調のスターリングエンジンをチェックするために川口市の協和合金さんを訪問。社長の松本さんから色々拝聴できたので大収穫でありました。 エンジン不調は私の組立単純ミス。人間は思い込みをしてしまうとどうしようもないのだなと思います。 間違ったことを気付かせる、或いは間違わないようにするためのドキュメントについてもお話しできました。 色々お話をし、このような会社が我が国工業界のベースを支えているのだと思うと政府には円高、グローバル化など看過できない問題を早急に決着すべき義務があると思います。 果たしてその力量ありや?

それはともかくこの会社では、設計と製造を一体に進められるのでスターリングエンジンのような個数の少ない模型も自在に商品化できるようです。 このエンジンは静岡インドアライブスチーム会場で入手したのですが、当時は高出力化シリンダーヘッドを開発中とのことでした。 最近これを問い合わせて早めに入手できたので組み立ててみたのですが、私のミスで動かなかったのです。 このスターリングエンジンについては、私のホームページインドアライブのブログに走り書きをしています。 この先浮上する技術なのか、或いはノスタルジックな技術としてお蔵入りするのか予断を許しませんが、「からくり」としてみると大変興味深いエンジンです。

Dscn1170  これが新旧のエンジンです。新は青いヘッドを含む交換部品だけです。焼けたシリンダ内部で左中央グレイのセラミック製ディスプレサーが熱を後方の高温シリンダに運び気体を膨張させます。このようにして熱から運動を取り出すからくり機械がスターリングエンジンです。下の低温ピストンでも膨張と収縮時に機械エネルギーを得るわけです。

ハイパワー化には熱容量の大きな青いヘッドに交換するのですが、その構造に模型としてのノウハウが込められているようです。これらの部品で50%の出力増加をするから不思議です。 組立が拙くてうまく動かせなかったのですが、原因が分かってしまうと年寄りの思い込みのなせる業でした。(^0^;)

Dscn1177  反対側から写しました。ヘッドは新型に交換済みです。左の箱は発電機です。フライホールの脇からベルトで回しています。

Dscn1214 協和合金さんの応接間で再組立をしたエンジンを動かしました。アルコールランプの炎が揺らがないよう即席の燃焼用フード、そのおかげなのか恐ろしいほどの勢いで回転しました。旧型ヘッドとは歴然たる違いです。発電機をoffにすると唸りを上げて回転するので負荷は必要のようです。 最大3000rpm、旧型の回転数から1000回転上がっています。

様々な試作品を拝見するとともに実験用として素材やデータシートまで頂戴しました。 このエンジンは写真から分かるように性能、鋳造の仕上げともに非常にいい出来だと思います。ベアリングを多用(8個)しているので耐久性も充分で実際には説明書にある運転時間よりも遙かに長く動かしても支障はないとのことでした。

お忙しい時間にかかわらず対応していただいた社長の松本さん、大変ありがとうございました。このように有意義な模型で考えることを学ぶ人が数多く出ることを期待しています。いつの間にか協和合金のスターリングエンジンのサイトが大変充実していますので興味をお持ちの方は是非ご覧下さい。熱エネルギーを直接静かな機械エネルギーに変換するところが魅力です。

さて、何にどのように応用するのかがこれからの課題ですが、どうなることやら。取り急ぎメモをアップしておきました。

そうそう、川口に行く直前に浅草のハヤタカメララボに野暮用があって立ち寄りました。 最近アナログカメラの委託が好調のようです。特に若い女性が興味を持ち始めているとのこと。写せば間違いのないデジカメから工夫を要するアナログへ一部シフトするのは自然の流れかも知れません。コンパクトデジカメからミラーレス一眼カメラへ激しいシフトが起きているようで、それに向けて大手参入もありか、という第n次戦国時代突入です。 どのカメラが生き残るのか、デジカメユーザには目の離せない時期のようですが、70数年前のカメラでもしっかり写せるアナログには無関係の話です。