今年のJAMは例年にない暑さだったので堪えました。体がよく三日間持ったものだと云うのが終わっての感想です。 火を使わない模型は室内ですが、ライブスチームは消防法のため屋外というのが日本の現状です。炎天下であろうと極寒であろうと屋外というのが原則でありまして、今回のように修行僧のような辛い運転会になることもあります。米欧のビデオを見ると大きなレセプション会場やホテルのホール等でライブスチームが走り回っています。もちろんそれなりの安全確保の上と思います。更にはライブスチームに対する一般の人たちの理解度が大きく違っているのでしょう。ライブスチームとは、火と水で動き、高温高圧で危険な要素を持っているもの。 そして機関車、操作手順、運転環境を巧みにコントロールして安全なものにしていることが理解されているのでしょう。模型人口の多さゆえに広い裾野から成り立っていることも普遍的な趣味の位置にあるのでしょう。 この条件の上でかの國のお上は室内OKを出しているのでしょう。 勢いかな?
こんなことを思いつつJAMの様子を眺めると乗車可能な五インチ(127mm)は、石炭を焚いて蒸気を発生していることが知られているのですが、45mmゲージ・ライブスチームの動作原理の分からない人が意外にも多いようです。アルコール燃料は煙も出さず、小型エンジンなので排気音も小さいため電動と思われているようです。 ところが、電気模型と異なり、本物と同じ機構と運転方法が必要でそれなりの原理も理解する必要があります。このような趣味人層を厚くすることで屋内ライブスチーム環境を当たり前のものにしたいなと夢想してしまいました。それほど暑くて充実の三日間でした。(苦笑)
初日は報告したように国鉄型蒸気は皆無でした。唯一居たのがEF58、これは違う世界のものです。 ところが二日目の昨日は国鉄型が集まりました。私が着いた時は吉祥寺北裏鐵道オーナーの満鐵ミカイが亜細亜号の編成を牽いて爆走していました。
私のCastleはクランクや偏心カムなどへの潤滑油を多めにして走行したところ、初日より軽快な走りになりました。まだ固さが残るのでさらなる走り込みを継続します。
三丁目の夕日に出演したC622も相変わらず快走していました。
この日は千客万来でなかなか忙しい日でした。わざわざおいでいただいたS田さん、お構いできず恐縮です。 夕方は品川駅のオイスターバーで旧友を迎えての宴会。しっかり楽しみすぎました。汗をかいて体内の水分が枯渇していたのか燃料の入ること、楽しい会合でした。
さて、最終日も出勤です。(笑) 昨日のハイオク燃料が残っていたのか辛い出庫です。 本日の機関車はそのような体調もあってか並の出来でした。シリンダー潤滑油の消耗が早すぎて、長時間の運転が難しい状態です。オイル不足になるとエンジンの滑りが悪いのか勾配で力が出ません。潤滑油用の蒸気弁の回転を重くして設定位置がずれないようにしてみます。 Castleで驚いたのは燃費の良さです。燃料タンクが空になる運転はありませんでした。バーナー管径が細くなったことと2本水管の効果が如実にでました。
さて、最終日はご覧のように重量級車両が勢揃いしました。仮設線路で走らせるのは可哀想な大型機関車が多かったのですが、これらのものが集まるのは滅多にない機会です。お客さんには楽しんでいただけたでしょうか? それにしても暑かったですね。お昼過ぎまで屋外に居たせいかボーッとしていました。
この角度もなかなかいいなと思ってパチリ、手前のアレゲニーは今回はお休みしていました。
この時間になると暑くて堪らなくなりました。避暑を兼ねて屋内展示場へ避難、このまま座って居たら熱中症になったかも知れません。
欠伸鉄道オーナー氏の直々のご説明で話題のジャイロカーの勉強をしました。メカだけでモノレールを倒れずに走るという面白い仕掛けです。マイコン等の近代技術は一切無し、この実用機が百年前の英国にあったと云うから驚きです。
こんな具合にあちこち見学しているうちに元気を取り戻しました。
この複雑なパイピングはアスターホビーの石炭炊き241Pです。内側高圧、外側低圧シリンダーの複式機関を実現した秀逸なモデルです。仏蘭西の高性能機関車です。このようなベースがあるのでTGVのような高速列車が運用できるのでしょう。 複雑なパイプにはガツガツ運転する私には要らないと負け惜しみ。 買えない値段には諦めもつくというものです。(苦笑)
後片付けを手伝って帰還しました。経堂まで送っていただいたT田さんありがとうございました。
思いついたことを取り急ぎメモしておきました。
(追記)
この回路は何でしょう?
じつはテンダーに積み込まれた電気発生装置、つまり発電機です。正確には蒸気熱発電機です。蒸気の熱を電気に変換しヘッドライトを点灯するというハイテクマシンです。蒸気と冷水の温度差を電気に変換するのです。
瓦礫屋本舗ご主人の開発したものでハイテクとローテクを組み合わせたエコマシンです。詳しくは ご主人のサイトを参照していただきたいのですが、ペルチェ素子、DC-DCコンバータ、蒸気というものを組み合わせて熱を電気に変えるものです。
自作パソコンに無意識に使っている素子かも知れませんが、理系の学生ならばこの程度の原理は一瞬のうちに思いつかねばなりません。それを実際に具現化したご主人の技術力にはいつもながら敬服いたします。 やっぱり私には作ることは無理です。(苦笑)