簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

旧道と新道(日本一路線バスの旅)

2018-07-09 | Weblog


 日本一の路線バスは、これまでも車内では停留所の案内が繰り返し行われて
いるが、そこに乗車を待つ客も無く、無論降りる客もいないまま通過を繰り返
してきた。



 大和八木駅前を出発し凡そ2時間半、「星のくに」停留所でも停まることも
なく通過する。
思えばあの五條バスセンターを過ぎてから乗客の乗り降りは行われてはいない。



 天辻峠に至るまでの道は幅員も狭く、車窓の下には深い谷が落ち込む随分と
山深いところで、雲が湧きあがるのか所々で視界を遮っている。



 分水嶺である新天辻隧道を抜けると、国道は少しずつ高度を下げながら大塔
橋を渡ると、車窓右手にダム湖が見えてくる。
熊野川上流域につくられた猿谷ダム貯水池の、更に上流域となる地域である。
水量が少ない時期だからか、山肌には大きな爪でかき取ったような地層の横縞
模様が見て取れる。



 峠を抜けた辺りから国道168号には新しいトンネルが掘られ、幅員の広い真
新しいバイパスが目立つようになる。橋の架替えが行われている場所もある。
川に目を凝らせば所々で護岸壁の工事が行われ、既に修復されたと思われると
ころも少なくは無く、いたるところで土木工事が行われているのがよく解る。



 しかしバスは真新しいバイパスの恩恵を左程受けることもなく、多くは幅員
の狭い曲がりくねった旧道を走行する。
なぜならそこに集落があり、そこに停留所が有り、そこにバスを頼りにする住
民の生活が有るからだ。
しかし過疎の進んだ集落には乗客など居そうにないと分かっていても、バスは
律儀に停留所を巡って行く。(続)


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