簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

かわらずの松(東海道歩き旅・伊勢の国)

2023-02-13 | Weblog


 旧街道は相変わらず緩やかに曲がりながら、静かな町並みの中を抜け
ている。稀に旧家らしい平入りの家屋を目にするが、左程古い物では無さ
そうで、街道は旧態を留めているものの、この辺りにも当時を彷彿させる
ものは余り残されてはいない。
途中米洗川の袂に、大きな羽津の常夜灯が立っていた。



 これまでも街道筋や宿場の内外で、幾つもの常夜灯を目にしてきた。
常夜灯の多くは地元の篤志家等から寄付されたケースが多いが、これも
その土地その土地で意味合いが違っている。

 静岡から愛知にかけては、火伏の神として知られる秋葉神社の献灯で
あったが、伊勢路に入るとその多くは、伊勢神宮に至る道に設けられた
献灯となる。



 旧街道が羽津地区に入ると、前方に大きな松の木が一本、早傾きかけ
た西日を受けシルエットとなり見えてきた。
江戸時代後期に植えられた樹齢約200年という松だ。

 戦前まではまだ多くの松が並木を成して残されていたらしいが、戦後の
経済発展に歩調を合わすように切られ、遂にはこの一本だけになった。
昔この地は「川原須(かわらず)」と呼ばれていて、この松も「かわらず
の松」と呼ばれている。



 古墳時代の古墳跡地に立地している、古墳神社・志氐神社(しでじん
じゃ)門前の鳥居を見て進む。
その先で旧街道はいったん途切れ、左にとり国道1号線に迂回する。
反対の右にとれば羽津城址があるらしい。



 国道に出ると金場町の交差点に古い道標が残されていた。
角柱の角は風化したのか、可成り欠けて丸みを帯びているが、「桑名 
四日市道」等と刻まれているのが読める。(続)





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