
「赤字ローカル線の」存続議論がかまびすしいが、地方の路線バスも
事情は同じようなものらしい。
コロナ禍では全体の利用者が激減し、是まで黒字路線で赤字路線を支え
ていた構図は完全に崩壊し、近頃岡山でも鉄道のみならず路線バスでも、
路線の統廃合、減便や廃止の議論も頻りに行なわれている。

岡山市と、隣接する倉敷市は、市内を走る公共交通機関が乗り放題と
なる「運賃無料デー事業」を2022年度に実施した。
岡山では7/24,8/28、9/25、10/30、11/3、11/20、11/27、12/25の8
回行い、市内を走る或は市境を跨ぐ路線バスと路面電車を、倉敷でも同
様に9/24,10/9,10/16,11/5の4回、市内を走る路線バスと水島臨海鉄
道線の利用を終日無料とした。

「運賃無料デー」は公共交通の窮状を救うべく需要喚起が目的である。
需要が落込み収入減に悩む事業者の救済も、詰まるところの公金投入で、
一時的な効果は認められるものの、継続的なものでも無く、これだけを
永続するわけには行かない。

岡山では地元の商工会などは、無料デーにタイアップして、この日に
合わせて来店する客に対し、特典を提供する店舗やイベントなどの情報
を公開するマップサイトを開設した。
人の動きを想定し、コロナ禍で不振を極めた商店などを後押ししようと
するもので有る。

岡山市の交通政策課は、初回7月24日の状況を纏め、8月中旬に新聞
発表をした。それによると、「利用者数が前週の日曜から約3割増え、
コロナ禍前と同水準に上った」「流行7波で利用が減少傾向であっただ
けに、苦境に立つ公共交通の需要喚起に一定の効果があった」と自画自
賛したが、果たしてそうであろうか?(続)

(写真:JR磐越西線 本文とは無関係)




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