宮木駅を出て、ようやく辰野にやって来た。
ここは飯田線195.7㎞の終点である。
嘗ては中央本線の優等列車も停車した、2面4線を有する大きな駅だが、
今停車する特急はなく、僅かに快速が停まるのみである。
駅の手前にJR東海と東日本の境界があり、東日本の管轄駅となる。
中央線のルートから外れたせいか、駅業務は外部委託されている。
豊橋を出たのが10時42分、ここ辰野到着は17時18分で、この間6時
間半ほどの普通列車の旅であった。
飯田線はここが終点であるが、多くの列車は辰野からそのまま中央本線
に乗り入れ、川岸を経て岡谷まで行って終着駅となる。
夕暮れが迫り、通勤や通学の客で混み合う中、辰野を発つと岡谷の到
着は17時31分の予定で、これで凡そ7時間にわたる鈍行列車の旅が完全
に終わる。
中央本線の東線は、嘗ては岡谷からは川岸、辰野、信濃川島、小野を経て
塩尻に到り、そこで中央西線に引き継ぎ、名古屋に向かうのが正規のルート
であった。しかしこれだと岡谷と塩尻の間は、大きく「U」字に迂回する。
首都圏からの利便性を向上するため、この間に塩嶺トンネル(5,994m)を
掘り、距離を16㎞ほど、所要時間も大幅に短縮させる事になった。
新線は昭和58(1983)年に開通した。
トンネルの塩尻側の出口付近にはみどり湖駅が新設され、東線の殆ど
の列車はこの短縮線を行くようになり、旧ルートの辰野と塩尻間を行く
列車は極めて少なく、完全にローカル線化してしまった。
飯田線の殆どの列車の終着が岡谷と言うのも、中央線への乗り換えの利
便を考えての事である。(続)
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