海上自衛隊の広報施設・呉資料館、愛称「てつのくじら館」の最大の目玉は、
なんと言っても平成16(2004)年まで実戦配備されていた「ゆうしお型潜水艦・
あさしお」の内部見学である。
本物実物の潜水艦が展示されるのは、国内ではここが最初の試みらしい。
資料館の建屋の前に据えられた全長76.2m、幅9.9m、重さ2250tの潜水艦の内
部へは各階の展示室を辿り、3階のスペースを抜け、そこに設けられたブリッジ
を渡る事になる。
流石に現役潜水艦「みちしお」で体験した、ハッチから垂直梯子を使って乗艦と
はいかないので、ここでは見学用に開けられた入口から入艦となる。
75名が乗り組んだという館内は狭く、通路は人一人がやっと通れる程の幅
しかない。その両側にある艦長室(艦内唯一の個室)や士官室、トイレやシャ
ワー室、キッチンなどが公開されていて、乗り組み員の実際の生活ぶりを窺い
知ることが出来る。
どの部屋も広さは全くない。ベッドも高さが1m未満と思える狭苦しい三段
ベットで、良くこんな場所で睡眠がとれるものだと、隊員のタフさには感心さ
せられる。士官クラスならようやく二段ベッドとなるが、隊員にとってはこの
場所が唯一のプライベート空間、安息の場所らしい。
通路の奥には艦の心臓部・発令所があり、ボランティアスタッフが控えてい
て説明を加えてくれる。
ここには艦をコントロールする操舵や色々なセンサー、計器類が並んでいる。
実際に使われていた潜望鏡も体験することが出来る。
勧められて覗いて見ると丸い画面に細い十字の線目盛りが刻まれている映像は、
望遠鏡を覗いた時そのもので、クリアな視界は思った以上であった。(続)
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