祖谷を過ぎると列車は最大の難所、大歩危、小歩危を行く。
昔の旅人はこの川沿いの道を歩いて山越えをしていた。
「足場の石の間隔が狭く大股で歩いては危ないから“大歩危”、また、ところによっては
足場の石の間隔が広く小股で歩いては危ないことから“小歩危”」であることから名付け
られたとされるこの地は、それほど厳しい渓谷沿いの難所だ。
鉄道はそんな古の難儀を知ることも無く、川の碧い色と岩肌の白のコントラスト、岩を食
む川の流れを楽しみながら進むことになる。
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長い時間電車に乗っているとトイレに困る事が有る。
大方の列車は一編制に一箇所はトイレの設備が有るが、JR四国の各路線を走る車輌には
トイレのないものが多い。
今乗っている高知に向う一両編制のキハ543にもトイレの設備が無い。
小歩危で停車すると、発車まで暫く時間が有るので、駅のトイレをご利用下さいとの
アナウンスがあり、何人かの乗客が駅舎に入って行った。
この間、乗客はホームに出て身体を伸ばしたり、小歩危の激流をカメラに収めたり、
ホームの端でたばこを吸ったりと思い思いに時を過ごし、のんびりと走る鈍行の旅を
楽しんでいる。
特急で一気に駆け抜けるよりも、こうしてゆっくりと行くのも悪くは無い。
大歩危を過ぎると4000メートル余りの大歩危トンネルに入る。
ここが徳島と高知の県境。
しばらくは登りが続き、JR四国の最高地点の駅(347m)、繁藤駅を過ぎると土佐山田
に向け急勾配を一気に下る。
明るい日差しの、広々とした高知平野をしばらく走ると終着駅高知に到着だ。(続)
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昔の旅人はこの川沿いの道を歩いて山越えをしていた。
「足場の石の間隔が狭く大股で歩いては危ないから“大歩危”、また、ところによっては
足場の石の間隔が広く小股で歩いては危ないことから“小歩危”」であることから名付け
られたとされるこの地は、それほど厳しい渓谷沿いの難所だ。
鉄道はそんな古の難儀を知ることも無く、川の碧い色と岩肌の白のコントラスト、岩を食
む川の流れを楽しみながら進むことになる。
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長い時間電車に乗っているとトイレに困る事が有る。
大方の列車は一編制に一箇所はトイレの設備が有るが、JR四国の各路線を走る車輌には
トイレのないものが多い。
今乗っている高知に向う一両編制のキハ543にもトイレの設備が無い。
小歩危で停車すると、発車まで暫く時間が有るので、駅のトイレをご利用下さいとの
アナウンスがあり、何人かの乗客が駅舎に入って行った。
この間、乗客はホームに出て身体を伸ばしたり、小歩危の激流をカメラに収めたり、
ホームの端でたばこを吸ったりと思い思いに時を過ごし、のんびりと走る鈍行の旅を
楽しんでいる。
特急で一気に駆け抜けるよりも、こうしてゆっくりと行くのも悪くは無い。
大歩危を過ぎると4000メートル余りの大歩危トンネルに入る。
ここが徳島と高知の県境。
しばらくは登りが続き、JR四国の最高地点の駅(347m)、繁藤駅を過ぎると土佐山田
に向け急勾配を一気に下る。
明るい日差しの、広々とした高知平野をしばらく走ると終着駅高知に到着だ。(続)
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