簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

廃れてしまった日光線(JR乗り潰しの旅)

2011-06-06 | Weblog
 世界遺産・日光へ向かうJRの路線が日光線だ。
栃木県の宇都宮から終点の国際的な観光都市・日光まで、40.5Kmを7駅で結ぶ。



 餃子の町宇都宮では、駅構内や駅近くにも専門店が有り、列車の待ち時間を利用して
気軽に名物を楽しむ事が出来る。
時間が無ければ駅弁も良いが、この路線の列車はロングシート車が多い。
この車内で駅弁を食べるのにはかなり勇気がいる。





 日光行きは、駅ビル新幹線ホームの下の、こころなし薄暗い5番ホームから出発する。
このホームの雰囲気が、何となくこの路線を象徴しているような気がしてならない。
日光と言う超一級の観光地を持ちながら、この路線は決して人気の観光路線では無い。

 昭和30年代には、東京などから直行する準急が運行されていたらしい。
これは、日光を訪れる外人観光客の用に供していたので有ろう。
全国各地から訪れる修学旅行生を乗せた列車も、東北本線から直接乗りいれていた時期も
有ったと言う。
手元にある写真集「終着駅」(昭和50年・毎日新聞社)によると、宇都宮からは急行が日に
3本運行され、その所用時間は40分であったと言う。
このように栄光の時期もあったらしいが、今では、宇都宮への近郊通勤路線と言うよりも、
もっとローカル線のイメージが強い路線に成り下がっている。



 市街地を抜け、二つ目の駅が鹿沼。
園芸で使う“鹿沼土“の鹿沼だ。
周り一面こんな土ばかりなのかと、車窓から目を凝らして見てみたが、そんなものは見える
筈も無い。
この地は、さつきの生産やこんにゃくの特産でも知られた町だ。(続)


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39番札所・延光寺(四国遍路)

2011-06-03 | Weblog
 どうやら天気予報が当たりそうだ。
翌朝空は厚い雲に覆われ、今にも雨が落ちてきそうな雲行きで有る。
 予定では、これから2キロ余り先の39番札所・延光寺を打って、その先8キロ程の宿毛まで歩き、
そこから昼前後の電車で帰ることにしていた。

 しかし、これだと雨に降られてしまいそうだ。
ここまで来て叉雨に濡れるのも嫌だと二人の思いは一致、決断は早かった。
相談の結果、今回はこのお寺を打ったらそのまま帰る事にした。

 宿に荷物を預け空身でお寺に向かう。
荷物が無いのがこんなにも楽なものかと改めて思う。
宿を出て左折、車の往来の激しい国道56号を歩いていたら、「この道が近い」とゴミ出し中の
ご婦人が教えてくれた。



 教えられた道を20分ほど歩くと、静かな佇まいを見せる寺の山門が見えて来た。
山号は赤亀山、39番札所・延光寺である。



山門を入ると、その由来となった梵鐘を甲羅の上に乗せた亀の像が迎えてくれる。
境内には、大師縁の井戸も有る。
今は、「目洗いの井戸」として眼病の霊験があらたかとして信仰されていると言う。



 納経を済ませた。
これで土佐16ケ寺が終わり、阿波と合わせ二国のお参りが済んだ事に成る。
土佐路のことさら長かった札所間の労苦を思うと一入感慨が深い。

 雲行きが益々怪しく成って来た。
ゆっくりとしてはいられない、参拝を終え急いで宿に戻る。
預けた荷物を持って、無人の平田の駅に着いた時、予報よりも早く空からポツリポツリと
雨が落ちて来た。(四国遍路・完)






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老舗旅館「鶴の家旅館」(四国遍路)

2011-06-01 | Weblog
 遠くに平田の街並みが見えて来た。
下って来た県道もいつの間にか平坦な道に成っている。
その県道を外れ、屋並みの詰まった旧道に入る。
何だか人家が懐かしい。
靴紐のお陰か、ここまで大した足のトラブルも無く歩いてこられた。



 今晩の宿は、平田駅の近く、国道56号線沿いにある明治の初期から続き、今の代で
四代目と言う老舗旅館「鶴の家旅館」である。
その宿に、16時前に到着した。

 心配りの良い宿である。
早速の洗濯のお接待は、疲れたこの身には本当に有りがたい。
 すぐに風呂・・・も嬉しかった。
そこそこの大きさが有り、ゆっくりと手足を伸ばして浸かる事が出来た。



 今日の泊客はどうやら三組のようだ。
夕食時、堺と掛川から来たと言う二組の夫婦遍路と一緒に成った。
 阿波の遍路道ではそれなりに夫婦遍路とお目にかかる事も有ったが、土佐に入って
からは殆ど出あうことも無く「夫婦では、ここまでは持たないのかな・・」などと
話しながら来たところであっただけに、二組の遍路には少し驚きが有った。



 ほぼ同年代、お互いが今回初めての遍路とあって、事の他話が弾み、遅くまで
話し込んでしまった。宿には、少し迷惑をかけてしまったようだ。
 昼間歩き疲れ、へとへとに成った事さえも自慢話として通用するのはお互いがその
苦しさ辛さを共有しているからで有ろう。
 道中での情報交換も怠りない。
何が楽しいかと言えば、こんな時ほど楽しいものは無い。遍路冥利に尽きる。
お腹いっぱい料理を頂き、時を忘れて語り合う時間はあっと言う間に過ぎてしまう。
思い出深い一夜と成った。

 テレビの天気予報が翌日の雨を告げている。どうやら、昼頃より雨に成るらしい。(続)


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