簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

クリーンセンターにて(東海道五十七次歩き旅・山城国)

2025-01-31 | Weblog
 国道下を潜ったものの、川に沿って京阪本線の線路が通り、道路との
境には金網のフェンスが続いているので、目の前に見えている堤防道へ
は上がれない。踏切か堤防への登り口でもないものかと、直進し500m
程歩いて来たが、道はその先で行き止まりになっていた。



 「テロ防止・・・」と書かれた看板が建ち、バリケードで封鎖され、
道は右にカーブし、クリーンセンターに向かっていて「この先部外者
進入禁止」と書かれている。

 水環境保全センターから上がる白い蒸気を見ながら歩き続け、何時し
かその隣のクリーンセンターの敷地内に入り込んでいたらしい。



 道なりに来たが、おかしいとは思っていた。
途中には門扉のようなものが有ったし、道路ではゴミ清掃車しか出会わ
なかった。線路側は歩道のような形状だが、道路との段差が埋められ、
斜めに白線が引かれ駐車場になっていた。



 立ち止まってうろたえていると、怪訝な顔でこちらを見ている若い女
性と目が合った。
仕事を終えたところらしい女性は、東南アジア系の外国人のようだ。



 「これ行き止まりだね。本当はあの道で淀に向かいたいけど、どこか
らも上がれなくて・・・」と線路の向こうを指差して訴えると、「ここ、
道路違うよ。ホラあそこ。左曲がってその道上がるネ」と、指差したの
は横断出来ず下を潜ってきた国道である。



 引き返すより仕方無く、今来た道をとぼとぼと歩いていると、車が側
に寄ってきて助手席の窓が開き、「そこ、曲がるね、」と先程の女性が、
帰り際に念を押してくれる。

 「了解。そこだね。ありがとう」、と礼を言うと「ハイ! いいよ!」
と明るい声を残し、黄色の軽自動車はふかしたエンジン音だけを残し去
って行った。(続)





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