簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

廃線跡を見て旧街道を歩く(四国遍路)

2013-06-05 | Weblog
 乱雑に放置された沢山の自転車は昨秋見たそれと全く変わっていないが、駅前が
なんだか別の駅のように違って見える。何かが違う・・。



 よくよく見れば、あの隠れ家のような蕎麦屋さんが見当たらない。小さな店ではあった
が、寂しい無人駅の前にひっそりと咲いた華のような店が、今は跡形も無く、なくなって
いて、無人駅の周りが一際寂しく見える。



 「潰れてしまったのか?」僅か半年余りの移ろいに、なんだか儚く虚しいものを感じ
ながらのスタートとなった。

 駅を背に国道11号線を渡り、すぐ先で並行する旧街道に出て左折すると、三角寺ま
では35キロほどの道程だが、今日はその数キロ手前の伊予三島に宿を取っている。





 旧道をのんびりと歩く・・と思いきゃ、以外にも往来には行き交う車が多い。
さすがに大型が走ることは無いが、国道の信号や混雑を避けて来るものか、はたまた
生活道路として何時もの当たり前の光景なのかは知らねど、行き違いにも苦労するよ
うな狭い道なのに本当に車が多く、のんびりと歩ける雰囲気には程遠い。



 それでも車が途切れると、「旧街道」と言う響きが心地いい雰囲気もそこかしこに感じ
られ、自然に足も速くなる。

 1時間も歩くと朝の寒さが嘘のように気温が上がり、暖かくと言うよりは暑くなってきた。
少し汗ばむほどだ。東川に架かる黒岩橋を予定通り過ぎる。

 暫く歩くと、左右にまっすぐ伸びる余り広くない道路と交差する。かつて別子銅山
で産出される鉱石を、新居浜の港まで輸送する任を担った鉄道の廃線跡である。(続)





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絵にも描けない美しさ(四国遍路)

2013-06-03 | Weblog
 『絵にも描けない美しさ~♪』つい鼻歌が出てしまう。

 浪穏やかな碧い海、指呼の間に小島が浮かびその隙間を縫うように白い波跡を残し
大小の船が行き交う。
緑の島影に聳える巨大な建造物は、控えめなライトグレーに塗り込められ、どの姿も
端麗で優美、まさに自然と人工の絶妙のバランス、コントラストである。





 それにしてもJRは、この途中になぜ駅を設けなかったのか・・・と、ここ瀬戸大橋線を
通るたびにいつも思う。自動車道は橋脚の島「与島」にパーキングエリアを設けている。
また、ここには橋が開通した当初、関西資本の会社が「フィッシャーマンズ・ワーフ」を
隣接地に開業した。



 当初はこれらの商業施設と合わせ、大橋を海上から眺める遊覧船が就航、空から
の眺めも楽しむヘリコプターも運行し、本線から島の施設に向かうランプウェイが車の
列で渋滞するほどの人気を呼んでいた。



 しかしブームは一過性で、覚めるのも早く、割高な高速料金も有ってか観光客が
減少、業者が不採算部門として事業から撤退してしまうと島から賑わいが去ってし
まった。このことは残念でならない。



 ここには何よりもこの超一級の観光資源である景観があり、更に周りの島々には
「鯛めし」や新鮮な魚を自慢する民宿などもある。



 与島を起点にこれらの島に渡る渡船が運行し、「橋脚の島の駅」からは、200m近い
主塔に昇る探検ツアーなども企画されれば、車でしか来られない島とはまた違って、
電車で来ても楽しめる島に展望が開けていたのではないか・・・。

 それに何より強風で列車が止まった時、揺れる橋の上より「橋脚の島の駅」のホーム
なら、どれ程の安心を感じることか・・・などなど思うのだ。(続)




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