簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

遠い遠い三角寺(四国遍路)

2013-06-14 | Weblog
 あわてて足首を掴み、反対の手でつかんだ親指を身体の方に曲げ、ふくらはぎを
伸ばし、撫ぜるようにマッサージを続けると、ふくらはぎは柔らかさを取り戻し、痛み
も収まっていった。



 伊予寒川の手前で旧道を外れ、国道に出ると左遥か前方に製紙工場の白い大きな
煙突が見えるようになる。今晩の宿は、あの煙突の近くにあるので、目標物が捉えら
れれば元気も出ょうと言うものだが、この日はばかりはまるで様子が違う。



 ここまで来るまでにも右足が何度もつりはじめ、そのたびに立ち止っては屈伸を繰り
返し、凌いできた。こんなことを繰り返しているので反対の左足までもがおかしくなり、
「つらない」ように細心の注意と右足の痛さをこらえながら歩き続けているものだから、
まるで景色も目に入らないし、写真を撮る気力も萎え、沸いては来ない。





 明日以降の三角寺や雲辺寺の山登りを考えると、「大丈夫だろうか・・・」と不安を
覚えながらも両足を引きずるように歩き進め、予定より30分ほど遅れて三島駅前の
ホテルに辿り着いた。

 バスタブに熱いお湯を張り、じっくりと温め、マッサージをしておけば明日には楽に
なるだろうと、何度も湯につかったその直後、ベッドに横に成ろうと体をずらした瞬間、
今度は反対の左足が見事に「つり」、腿の付け根まで激痛が走り脂汗が・・・。





 「今まで順調に来ているのだから、一度ぐらいは・・。無理は止めよう」と言う連れの
言に救われて、我慢せず翌日のリタイアを決意するのである。

 秋までお預けになった。それにしても三角寺は、本当に遠い。(四国遍路・完)




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