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簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

松本駅(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-04-07 | Weblog


 松本駅は国鉄篠ノ井線松本~西条間の開通と時を同じくして開業した。
明治35(1902)年の事である。
今日では、JR篠ノ井線の途中駅であり、大糸線の始発駅であると同時に、
上高地の玄関・新島々までを結ぶアルピコ交通(旧松本電気鉄道)上高
地線の始発駅でもある。



 松本市の市制100周年を記念して駅舎や駅前広場の改修が行われている。
駅は4面8線を要する地上駅で、県下では長野駅に次ぐ一大ターミナルだ。
橋上に駅舎があり、松本城への玄関口の「お城口」と、北アルプスを望む
「アルプス口」の二つの入口があり、東西は自由通路で結ばれている。



 リニューアルの一環で、お城口階段下に、旧駅舎に掲げられていた駅
名標が飾られた。
説明によると老朽駅舎の改築をするさい、取り壊された駅舎に用いられ
ていたもので、市民の要望により掲出されたという。

 元々は昭和22(1947)年の駅舎落成を記念して、当時安曇野に在住し
た篆刻家であり俳人の曽山環翠(1881~19763)が揮毫し木彫りにより
制作された表札だ。



 駅前広場には、播隆上人の像も建てられている。
僧・播隆は江戸時代後期に越中の国に生まれた、修行の場を山岳に求め
た浄土宗の僧侶である。
文政11(1828)7月43歳の折、待望の槍ヶ岳に初登頂し、山頂に仏像
を安置する事に成功した。
一度目は途中で断念し引き返したのに続き、二度目の挑戦であった。



 像は、昭和61(1986)年に彫刻家上条俊介により制作され、山岳都
市で有り、北アルプスの玄関である松本駅前の広場に建立された。
その姿は、風に激しく煽られる衣が、厳しい自然に立ち向かう播隆の姿
を良く現している。(続)



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松本の町(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-04-05 | Weblog


 豊橋から飯田線に乗り、辰野、岡谷を経由して松本にやって来た。
駅近くのビジネスホテルに宿を取っていて、翌日は朝から、大糸線に
乗る予定だ。
記憶が正しければ、松本の町はこれが四度目の来訪になる。



 何度も来ているとは言え、これまでには車で来た折に、国宝の天守を
要する「松本城」とその近辺、これも国宝指定を受けている「旧開智学
校校舎」、それに「アルプス公園」を慌ただしく巡った位で、ゆっくり
と市内を巡り歩いたことがない。
そのほかは何時も鉄道の乗り継ぎ利用で、慌ただしく駅近のホテルと駅
を行き来するのみである。



 松本は旧信濃国に有って、譜代大名・戸田氏等が治めた6万石の城下
町である。
幸い戦災を逃れた事で町並も嘗ての面影を伝え、このような歴史的な建
造物が多く残っているが、城下町としても見るべきものがあるらしい。



 城下は本町、中町、東町に町割りされ、そこには二十四小路と呼ばれ
る小路が敷かれていたと言う。
町歩きもこれらの「なわて通り」「中町通り」巡り等が中心のようだ。
繁華街にあると言う、好きな松本民芸家具の工房も尋ねて見たい。



 今度こそは・・・、と何時も思いながらも、今回もここでの観光の予
定はなく、駅近くで泊まるだけで、翌日は松本駅から早々に普通列車に
乗り新潟県の糸魚川を目指す。

 駅前のどこかで簡単に夕食を済ませ、コンビニで明日の朝食を仕入れ、
チェックインすれば、「飯田線7時間の鈍行列車の旅」、長い一日がよ
うやくにして終わり、今度は大糸線の旅が始まる。(続)



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鈍行列車(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-04-02 | Weblog


 6時半過ぎに自宅を出て岡山からのぞみに乗り、名古屋でこだまに乗
り継ぎ、10時少し前に豊橋に到着した。
その豊橋を出たのは10時42分で、飯田線の92駅に停車を重ね195.7㎞
先の終点・辰野に着いたのが17時18分である。
そこから10分余りで終着駅の岡谷に到着して、およそ7時間に及ぶ乗車
からようやく解放されホームに降り立った。
そして20分待って乗り継ぎ、松本までやって来た。



 鉄道の各駅に停車を重ねながら運行される普通列車を「鈍行列車」と
呼ぶ事がある。特急や急行列車と違い、乗車料金以外特別な料金の必要
が無い列車でもある。しかしこの「鈍行列車」と言う言い方は、正式な
鉄道用語ではないようだ。



 「各駅停車」と言うのが一般的な言い方で、「各停」と略される事も
有り、また「特別」に対する対義の「普通」、或は「普通列車」と言わ
れる場合が多い。
駅や車内の放送でも、これらを耳にする事はあるが、多くは「各駅に停
まってまいります」等と案内され、決して「鈍行」と言われる事はない。



 国鉄の全盛時代の名残ではないかと思ったりもするが、何時頃から誰
が言い出したのかは知らない。しかし今でも本や雑誌、ネットの旅行記
等では「鈍行列車の旅」などと書かれたものを目にする事は少なくない。



 しかし一方で「鈍行列車」は、最早死語だと言う向きもあるようだ。
とは言え、この飯田線を7時間かけてのんびりと行く長距離各駅停車の
列車は、岡谷までの道程は正に「鈍行」の呼称がぴったりである。

 各駅に停まり、所々で長時間の停車をくり返しながら、時速に直せば
30㎞にも満たない速度で行く列車を呼ぶに相応しい言い方だと思う。
簡単に死語にされては堪らない。(JR乗り潰しの旅・飯田線 完)



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