昨日、2月18日（土）信組会議室で行われた八丈島歴史セミナーへ行ってきました。
このセミナーはハガキでの事前申し込みが必要ですので、
週末イベント情報に掲載できなかったことをお詫びいたします。
皆様に週末を楽しくお過ごしいただくために、
毎週金曜日に、その週末にある主だったイベントをお知らせしていますが、
事前申し込みが必要なイベントは、締め切りが早いものもあり、
わたしもすべては把握できない状況ですので、お許しください。
申し込みなし、または、当日申し込みで参加できるイベントだけ掲載しています。
島内のイベントに積極的に参加して、フルに週末を楽しみたい方は、
八丈島文化協会イベントカレンダーをまめにチェックすることをお勧めします。
わたし自身も事前申し込みが必要なイベントはほぼ行けないのですが、
今回はセミナー内容に非常に興味があったので、参加・取材してきました。
講師の佐々木究先生
今回のテーマは、「小学校の運動会と11月3日」でした。
わたしは毎年、小学校の運動会のお弁当を取材・掲載させていただいていて、
当ブログには、「運動会のお弁当カテゴリ」まで設けてありますので、
非常に気になるテーマです。
八丈島の小学校の運動会は、毎年11月3日の文化の日に行われ、
この日は昔から島を挙げてのお祭りのような雰囲気で、
クリーンセンターもお休みになりますよね。
ご馳走のお弁当を作って、夜は宴会になる地区もあります。
いつからか11月3日に行うことが伝統のようになり、
変更したら大反対にあった過去の実例も聞いていましたから、
昨年はじめて三原小・中学校合同運動会が10月23日（日）に行われることを
知ったときには、反対はなかったのだろうか？と心配になったりしました。
まさにタイムリーなテーマですので、ぜひお話を伺いたかったのです。
お話してくださったのは、大賀郷中学校の佐々木究先生です。
当日の内容はこちらです。
テーマ設定の理由は、やはり三原大運動会の開催があったようです。
伝統を変えることには抵抗を感じる人もいますから、
なぜ伝統になったのかを知りたいと思いますよね。
八丈島の歴史が記されてある「八丈島誌」には、明治39年頃から
小学校の運動会は11月3日から変更されてないと記されてるそうですが、
これは少し違うとのお話でした。
11月3日とは、どんな日なのでしょうか？
現代では、ご存知、文化の日で国民の祝日ですが、
旧制では、新年節（四方拝）・紀元節・天長節・明治節という
4つの祝祭日である四大節（しだいせつ）が大切にされていて、
明治時代には、11月3日は明治天皇の誕生日である天長節の日でした。
現代の若い人たちは、文化の日が明治天皇の誕生日だなんて
知らない人が多いですよね。
さて、八丈島の小学校運動会の歴史を調べていくと、古い記録では、
明治18年8月に、坂下2校連合運動会を垂土ヶ浜に開催との記録があるそうです。
垂土で大小と三小がどんな運動会をしたのでしょうね？
その辺の詳細は記録がないのではっきりわかりませんが、
たぶん浜遊びのついでに、運動会的なこともしたのでは？とのお話でした。
その後、何年間か、5校連合運動会が前崎で開催されています。
前崎とは八重根と横間の中間にある玉石の海岸ですが、
「あんな所でなにしたんだろうね？」とご参加の皆様、首をかしげていました。
しかも5校連合ですから、かなりの大人数で、謎は深まるばかりですね。
明治21年だけ11月3日の天長節に行われてますが、他は違う日ですね。
しかし、11月3日前後に行われてるのが多いから、天気の都合もあったのかもです。
明治27年に行われた5校連合運動会は、日清戦争祝勝記念だそうです。
時代を感じますね。いまではありえない話ですが、
同年の11月3日には、島内のどなたかが召集されて出発するので、
挙式をあげた後に、首途を祝すために運動会を開催したそうです。
この時代、いやな感じですね。日露戦後、凱旋記念の運動会と活動写真会。
そして、明治39年11月3日に天長節のお祝いと日露戦争凱旋を祝して、
各村で運動会を開催。この記述が八丈島誌の根拠か？とのことでした。
その後の運動会の歴史はこんなかんじに続きます。
明治40年も42年も年に3回も運動会をやってますね。
11月3日は天長節運動会の目的で行われたようです。
天長節の式典の後で、運動会をやったのでは？と仰る方もいました。
天長節運動会と連合運動会が八丈島では定例化する中、
大正時代になると、大正天皇の誕生日は8月31日だそうですが、
暑さの中の式典を避けるために、天長節は10月31日に制定されます。
なので、以後、大正15年までは10月31日に天長節運動会が行われました。
それから昭和になると、11月3日は明治節（明治天皇の誕生日）となり、
昭和2年から八丈島では11月3日に明治節運動会を開催するようになったそうです。
というわけで、現在に至る八丈島の11月3日の運動会の歴史がわかりましたね。
ここで、佐々木先生の曽祖父様の日記の一部が紹介されました。
八丈島の運動会に関する記載ですが、例年は11月3日は家族で運動会に行くとの
記載があるものの、太平洋戦争が激化する中ではその記載がないと仰ってました。
子ども達も疎開に行く子達が多く、運動会も開催できなかったのではないかとのこと。
簡潔な記録の曽祖父様の日記がなんだか胸に沁みました。記録って大切ですね。
わたしがこうして細かに掲載するのも八丈島のことを記録しておきたい思いがあります。
今回のとてもいいセミナーは、当日のイベントが多かったこともあり、
また告知が行き届いてなかったせいもあると思いますが、参加者が少なめでした。
なぜ文化の日の運動会が始まったのか理解することは、
八丈島の小学校の運動会の今後を考える基になることでしょうから、
長くなりましたが、要点をまとめて掲載させていただきました。
また、後半は、八丈島の中学校の陸上競技記録会の歴史をお話いただきました。
陸上競技記録会は1960年にスタートして、昨年で56回だそうです。
第1回の陸上競技記録会の南海タイムスの記事です。南海タイムス偉大！
当時の新聞記事を読めるのはほんとにありがたいですよね。
それもこれも八丈島に新聞社があるからです。他の島にはありませんよ。
前年は、大中と三原中の記録会があったようです。
これは昭和25年当時、八丈島に（5年間だけ）あった明治大学付属高校の
第1回体育文化祭が行われた記事です。明高と呼ばれてました。
わたしの母の友人には明高出身の方がけっこういらっしゃいます。
各機関も協力して、けっこう華やかな催しであったことがわかりますね。
現在の主な学校行事。左が小学校、右が中学校です。
運動会を年に3回もやってた頃と違い、現代は学校行事が多いですよね。
そして、小学校から島外へ出て行く行事があります。
わたしの時代の移動教室は、末吉小学校や永郷小学校でキャンプでしたから、
うらやましいぞ！いまの小学生。中学生も部活遠征で島外へ行きます。
島に住んでたっていろんな体験ができて、ほんとに幸せな時代です。
戦争記念に運動会やってた時代とは大きく様変わりしました。よかった！
ざっとですが、後半の内容もご紹介しました。
講演後は、「わたしの時代はこうだった！」的な参加者の報告会のようになり、
この内容も興味深いお話がいろいろあって楽しかったです。
講演のはじめに佐々木先生が、
「新任の先生は平成生まれ、311をよく覚えてない小学生がいる」と仰いました。
昔のことだけでなく、近代のこと最近のことも教えていかねばならないと。
昔の歴史を紐解くことも興味深いことですが、いまのわたし達の暮らしに近い、
小学校の運動会の歴史のお話を聞かせていただいた時間はとても有意義でした。
ありがとうございました！面白かったです！
さて、今回が第11回目の八丈島歴史セミナーは全5回のセミナーで、
第１回 １月２８日(土) 中納言宇喜多秀家の生涯 林 薫
第２回 ２月１８日(土) 小学校の運動会と１１月３日 佐々木究
第３回 ２月２５日(土) 中世東国の戦乱と長戸路氏 伊藤宏
第４回 ３月４日(土) 『八丈島小島青ヶ島年代記』を読む（１）茂手木清：
第５回 ３月１１日(土) 末吉地区史跡巡り
（集合：歴史民俗資料館駐車場）
このようなスケジュールになっています。（第2回まで終了）
当ブログの週末イベント情報ではご案内できない
事前申し込みが必要なセミナーですので、この機会にご案内しておきます。
時間：午後１時３０分～３時３０分
会場：七島信用組合八丈島支店２階ホール及び島内史跡
参加費５００円（資料代・会場使用料・保険料など）
※１回だけの参加も歓迎です。ただし、事前の申込みをお願いします。
※都合によりテーマ及び発表者が変更になることがあります。
参加ご希望の方は郵便ハガキにてお申し込み下さい。
※締め切りが１月１５日のため、投函がギリギリになる場合には
電話にて事前に連絡してからご投函下さい。
事前連絡先 0７0-3175-7253（八丈島文化協会携帯）
申し込み先：〒100-1621八丈町樫立１６３ 伊藤宏方 八丈島歴史セミナー事務局宛
記入項目 住所・氏名・電話（携帯）番号
主催： 『八丈実記』を読む会
後援 ： 八丈町教育委員会・八丈島文化協会
ご興味ある方はどうぞお申し込みの上ご参加くださいね！
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このセミナーはハガキでの事前申し込みが必要ですので、
週末イベント情報に掲載できなかったことをお詫びいたします。
皆様に週末を楽しくお過ごしいただくために、
毎週金曜日に、その週末にある主だったイベントをお知らせしていますが、
事前申し込みが必要なイベントは、締め切りが早いものもあり、
わたしもすべては把握できない状況ですので、お許しください。
申し込みなし、または、当日申し込みで参加できるイベントだけ掲載しています。
島内のイベントに積極的に参加して、フルに週末を楽しみたい方は、
八丈島文化協会イベントカレンダーをまめにチェックすることをお勧めします。
わたし自身も事前申し込みが必要なイベントはほぼ行けないのですが、
今回はセミナー内容に非常に興味があったので、参加・取材してきました。
講師の佐々木究先生
今回のテーマは、「小学校の運動会と11月3日」でした。
わたしは毎年、小学校の運動会のお弁当を取材・掲載させていただいていて、
当ブログには、「運動会のお弁当カテゴリ」まで設けてありますので、
非常に気になるテーマです。
八丈島の小学校の運動会は、毎年11月3日の文化の日に行われ、
この日は昔から島を挙げてのお祭りのような雰囲気で、
クリーンセンターもお休みになりますよね。
ご馳走のお弁当を作って、夜は宴会になる地区もあります。
いつからか11月3日に行うことが伝統のようになり、
変更したら大反対にあった過去の実例も聞いていましたから、
昨年はじめて三原小・中学校合同運動会が10月23日（日）に行われることを
知ったときには、反対はなかったのだろうか？と心配になったりしました。
まさにタイムリーなテーマですので、ぜひお話を伺いたかったのです。
お話してくださったのは、大賀郷中学校の佐々木究先生です。
当日の内容はこちらです。
テーマ設定の理由は、やはり三原大運動会の開催があったようです。
伝統を変えることには抵抗を感じる人もいますから、
なぜ伝統になったのかを知りたいと思いますよね。
八丈島の歴史が記されてある「八丈島誌」には、明治39年頃から
小学校の運動会は11月3日から変更されてないと記されてるそうですが、
これは少し違うとのお話でした。
11月3日とは、どんな日なのでしょうか？
現代では、ご存知、文化の日で国民の祝日ですが、
旧制では、新年節（四方拝）・紀元節・天長節・明治節という
4つの祝祭日である四大節（しだいせつ）が大切にされていて、
明治時代には、11月3日は明治天皇の誕生日である天長節の日でした。
現代の若い人たちは、文化の日が明治天皇の誕生日だなんて
知らない人が多いですよね。
さて、八丈島の小学校運動会の歴史を調べていくと、古い記録では、
明治18年8月に、坂下2校連合運動会を垂土ヶ浜に開催との記録があるそうです。
垂土で大小と三小がどんな運動会をしたのでしょうね？
その辺の詳細は記録がないのではっきりわかりませんが、
たぶん浜遊びのついでに、運動会的なこともしたのでは？とのお話でした。
その後、何年間か、5校連合運動会が前崎で開催されています。
前崎とは八重根と横間の中間にある玉石の海岸ですが、
「あんな所でなにしたんだろうね？」とご参加の皆様、首をかしげていました。
しかも5校連合ですから、かなりの大人数で、謎は深まるばかりですね。
明治21年だけ11月3日の天長節に行われてますが、他は違う日ですね。
しかし、11月3日前後に行われてるのが多いから、天気の都合もあったのかもです。
明治27年に行われた5校連合運動会は、日清戦争祝勝記念だそうです。
時代を感じますね。いまではありえない話ですが、
同年の11月3日には、島内のどなたかが召集されて出発するので、
挙式をあげた後に、首途を祝すために運動会を開催したそうです。
この時代、いやな感じですね。日露戦後、凱旋記念の運動会と活動写真会。
そして、明治39年11月3日に天長節のお祝いと日露戦争凱旋を祝して、
各村で運動会を開催。この記述が八丈島誌の根拠か？とのことでした。
その後の運動会の歴史はこんなかんじに続きます。
明治40年も42年も年に3回も運動会をやってますね。
11月3日は天長節運動会の目的で行われたようです。
天長節の式典の後で、運動会をやったのでは？と仰る方もいました。
天長節運動会と連合運動会が八丈島では定例化する中、
大正時代になると、大正天皇の誕生日は8月31日だそうですが、
暑さの中の式典を避けるために、天長節は10月31日に制定されます。
なので、以後、大正15年までは10月31日に天長節運動会が行われました。
それから昭和になると、11月3日は明治節（明治天皇の誕生日）となり、
昭和2年から八丈島では11月3日に明治節運動会を開催するようになったそうです。
というわけで、現在に至る八丈島の11月3日の運動会の歴史がわかりましたね。
ここで、佐々木先生の曽祖父様の日記の一部が紹介されました。
八丈島の運動会に関する記載ですが、例年は11月3日は家族で運動会に行くとの
記載があるものの、太平洋戦争が激化する中ではその記載がないと仰ってました。
子ども達も疎開に行く子達が多く、運動会も開催できなかったのではないかとのこと。
簡潔な記録の曽祖父様の日記がなんだか胸に沁みました。記録って大切ですね。
わたしがこうして細かに掲載するのも八丈島のことを記録しておきたい思いがあります。
今回のとてもいいセミナーは、当日のイベントが多かったこともあり、
また告知が行き届いてなかったせいもあると思いますが、参加者が少なめでした。
なぜ文化の日の運動会が始まったのか理解することは、
八丈島の小学校の運動会の今後を考える基になることでしょうから、
長くなりましたが、要点をまとめて掲載させていただきました。
また、後半は、八丈島の中学校の陸上競技記録会の歴史をお話いただきました。
陸上競技記録会は1960年にスタートして、昨年で56回だそうです。
第1回の陸上競技記録会の南海タイムスの記事です。南海タイムス偉大！
当時の新聞記事を読めるのはほんとにありがたいですよね。
それもこれも八丈島に新聞社があるからです。他の島にはありませんよ。
前年は、大中と三原中の記録会があったようです。
これは昭和25年当時、八丈島に（5年間だけ）あった明治大学付属高校の
第1回体育文化祭が行われた記事です。明高と呼ばれてました。
わたしの母の友人には明高出身の方がけっこういらっしゃいます。
各機関も協力して、けっこう華やかな催しであったことがわかりますね。
現在の主な学校行事。左が小学校、右が中学校です。
運動会を年に3回もやってた頃と違い、現代は学校行事が多いですよね。
そして、小学校から島外へ出て行く行事があります。
わたしの時代の移動教室は、末吉小学校や永郷小学校でキャンプでしたから、
うらやましいぞ！いまの小学生。中学生も部活遠征で島外へ行きます。
島に住んでたっていろんな体験ができて、ほんとに幸せな時代です。
戦争記念に運動会やってた時代とは大きく様変わりしました。よかった！
ざっとですが、後半の内容もご紹介しました。
講演後は、「わたしの時代はこうだった！」的な参加者の報告会のようになり、
この内容も興味深いお話がいろいろあって楽しかったです。
講演のはじめに佐々木先生が、
「新任の先生は平成生まれ、311をよく覚えてない小学生がいる」と仰いました。
昔のことだけでなく、近代のこと最近のことも教えていかねばならないと。
昔の歴史を紐解くことも興味深いことですが、いまのわたし達の暮らしに近い、
小学校の運動会の歴史のお話を聞かせていただいた時間はとても有意義でした。
ありがとうございました！面白かったです！
さて、今回が第11回目の八丈島歴史セミナーは全5回のセミナーで、
第１回 １月２８日(土) 中納言宇喜多秀家の生涯 林 薫
第２回 ２月１８日(土) 小学校の運動会と１１月３日 佐々木究
第３回 ２月２５日(土) 中世東国の戦乱と長戸路氏 伊藤宏
第４回 ３月４日(土) 『八丈島小島青ヶ島年代記』を読む（１）茂手木清：
第５回 ３月１１日(土) 末吉地区史跡巡り
（集合：歴史民俗資料館駐車場）
このようなスケジュールになっています。（第2回まで終了）
当ブログの週末イベント情報ではご案内できない
事前申し込みが必要なセミナーですので、この機会にご案内しておきます。
時間：午後１時３０分～３時３０分
会場：七島信用組合八丈島支店２階ホール及び島内史跡
参加費５００円（資料代・会場使用料・保険料など）
※１回だけの参加も歓迎です。ただし、事前の申込みをお願いします。
※都合によりテーマ及び発表者が変更になることがあります。
参加ご希望の方は郵便ハガキにてお申し込み下さい。
※締め切りが１月１５日のため、投函がギリギリになる場合には
電話にて事前に連絡してからご投函下さい。
事前連絡先 0７0-3175-7253（八丈島文化協会携帯）
申し込み先：〒100-1621八丈町樫立１６３ 伊藤宏方 八丈島歴史セミナー事務局宛
記入項目 住所・氏名・電話（携帯）番号
主催： 『八丈実記』を読む会
後援 ： 八丈町教育委員会・八丈島文化協会
ご興味ある方はどうぞお申し込みの上ご参加くださいね！
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