ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

プロコフィエフ/ロメオとジュリエット

2012-04-05 19:05:53 | クラシック(管弦楽作品)
本日はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」を紹介します。かの有名なシェイクスピアの物語をバレエ化した作品で全曲だと52曲、2時間半もあるらしいですが、私が買ったのは抜粋版の組曲です。それでも全20曲、80分近いボリュームなので聴き応えは十分です。プロコフィエフと言えば曲によってはかなり現代音楽的なものもあり、やや取っつきにくい印象があったのですが、本作は全編親しみやすい旋律に溢れており、誰でも楽しめる作品ではないでしょうか?

作品は第1組曲、第2組曲、第3組曲に分かれています。これは全曲の中から組曲にアレンジされた順番で、物語の時系列とは違いますが、大ざっぱに分類すると第1組曲は明るく希望に満ちあふれた内容。第2組曲は悲劇を暗示させる不安げな旋律が支配的。第3組曲はもう1度全体をおさらいしてヒロインの死で終わるという内容でしょうか?

何せ魅力的な曲がたくさんありますが、第1組曲では祝祭的な雰囲気を持つオープニングの「民族舞踊」、有名なバルコニーで愛を語り合う場面を描いたロマンティックな「ロメオとジュリエット」、第2組曲冒頭で後の悲劇を暗示する重々しい「モンタギュー家とキャピュレット家」、ドラマチックな「別れの前のロメオとジュリエット」、第3組曲ラストを飾る美しくも物哀しい「ジュリエットの死」などが特に秀逸です。特に「モンタギュー家とキャピュレット家」はソフトバンクのCM“予想GUY”などでも使われていたので誰でも知っている旋律ではないでしょうか?



CDはスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮ケルン放送交響楽団のものを買いました。ポーランド出身の名指揮者ですが、読売日本交響楽団の常任指揮者も務めていたので日本には特に馴染みが深いかもしれません。「ロメオとジュリエット」は組曲版もさらに抜粋されているのが多いので、全曲版のCDとしてはこれが最適かもしれません。
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