今日はロシアの作曲家ヴァシリー・カリンニコフを取り上げます。誰それ?と思う人もいるかもしれませんが、19世紀末に2曲の交響曲及びいくつかの管弦楽曲、ピアノ曲を残して34歳の若さで結核に倒れた夭折の作曲家です。いわゆるクラシックの偉人伝に名前が乗るような存在ではありませんが、今回UPする2曲の交響曲は一部ファンの間で根強い人気を誇っており、“知る人ぞ知る”隠れ名曲となっています。時代的にはチャイコフスキーの一世代下でグラズノフやラフマニノフとほぼ同世代。同時期のロシアの作曲家が概ねそうであったように、西欧のロマン派音楽の影響を強く受けつつも、ロシアの民族音楽を大胆に取り入れた非常にわかりやすい旋律を特徴としています。実際、第1番の第1楽章の出だしなんて歌謡曲か?と思わせるぐらいベタなメロディですしね。正直、芸術的な深みはあまり感じられないので、そこら辺がメジャーに成り切れなかった原因かもしれません。ただ、逆に言えばクラシック初心者でも取っつきやすい大衆性にハマる人も多いのではないでしょうか?
第1番、第2番とも構成はほぼ同じで、作品全体の主題を奏でる雄大な第1楽章。静謐な緩徐楽章の第2楽章。民族舞踊を思わせる陽気なスケルツォ風の第3楽章。そしてそれまでの楽章の主題を繰り返しながら、壮大なフィナーレへと向かう第4楽章という構成です。どれも親しみやすい旋律ばかりですが、中でも第2番第2楽章のアンダンテ・カンタービレの哀愁を帯びた美しさは特筆すべきですね。CDは何種類か出ていますが、さすがに有名指揮者のものはあまりなく、唯一メジャーな名前だったウラジミール・アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団のものを買いました。アシュケナージはロシア出身の世界的指揮者ですが、1963年に西側に亡命し、アイスランド国籍を取得しているので、いわば地元オケとの共演と言えます。アイスランド響の方も小さな島国のオケながら近年実力を高く評価されているそうですね。今後、他のCDも発売されるかもしれませんが、現時点ではカリンニコフ入門には最適の1枚と言えるのではないでしょうか?
第1番、第2番とも構成はほぼ同じで、作品全体の主題を奏でる雄大な第1楽章。静謐な緩徐楽章の第2楽章。民族舞踊を思わせる陽気なスケルツォ風の第3楽章。そしてそれまでの楽章の主題を繰り返しながら、壮大なフィナーレへと向かう第4楽章という構成です。どれも親しみやすい旋律ばかりですが、中でも第2番第2楽章のアンダンテ・カンタービレの哀愁を帯びた美しさは特筆すべきですね。CDは何種類か出ていますが、さすがに有名指揮者のものはあまりなく、唯一メジャーな名前だったウラジミール・アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団のものを買いました。アシュケナージはロシア出身の世界的指揮者ですが、1963年に西側に亡命し、アイスランド国籍を取得しているので、いわば地元オケとの共演と言えます。アイスランド響の方も小さな島国のオケながら近年実力を高く評価されているそうですね。今後、他のCDも発売されるかもしれませんが、現時点ではカリンニコフ入門には最適の1枚と言えるのではないでしょうか?