ハードバピッシュ&アレグロな日々

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フランク/交響曲 & ダンディ/フランスの山人の歌による交響曲

2013-06-15 12:17:42 | クラシック(交響曲)
本日は19世紀後半にフランスで活躍した2人の作曲家による交響曲をご紹介しましょう。セザール・フランクとヴァンサン・ダンディ。前者は交響曲以外にもヴァイオリン・ソナタ、ピアノ五重奏曲なども残しているポピュラーな存在ですが、後者のダンディはかなりマイナーですね。生前はオペラを6曲、交響曲を4曲発表するなど精力的に活動していたようですが今でも演奏されるのはこの「フランスの山人の歌による交響曲」のみ。それでさえ決してメジャーとは言えません。フランクの交響曲は古今を問わず様々な名指揮者が録音していますが、ダンディの作品で事実上CDで出回っているのはこのシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団のものだけではないでしょうか?フランス音楽を得意とするデュトワならではの貴重な録音ですね。



まず、フランクから。出身はベルギーですが、10代の頃にパリに移住し、後にフランスに帰化したそうです。遅咲きの作曲家として知られ、有名なヴァイオリン・ソナタも唯一の交響曲も60代半ばの作品。ようやく名声を得たと思った直後に馬車との接触事故が原因で68歳で死ぬという不遇の生涯を送った人です。作風は古典の王道を行くもので、フランスっぽいというよりむしろ同時代のブラームスを思わせる重厚な作風です。重々しい冒頭部分に続いて美しい主題の現れる第1楽章、雄大な第3楽章が素晴らしいです。

続いてダンディの交響曲はタイトルにあるようにフランス南部の山岳地帯に伝わる牧歌をモチーフに作曲されたもので、素朴で親しみやすい楽曲です。交響曲でありながらピアノ独奏があるのも特徴で、本盤でもジャン=イヴ・チボーデというピアニストが美しいピアノを聴かせてくれます。ただ、ピアノ協奏曲と違い、主役はあくまでオーケストラなので、そこまで大々的にフィーチャーされるわけではありません。このピアニストの中途半端な扱いがコンサートなどであまり演奏されない原因なのかもしれません。ただ、楽曲そのものは美しい旋律に満ちあふれた非常に魅力的なものです。ピアノが優しい旋律を奏でる第1楽章、壮麗なクライマックスを迎える第3楽章が絶品ですね。もっと多くの人に知られて欲しい名曲だと思います。
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