本日はドイツの大作曲家、リヒャルト・シュトラウスを取り上げたいと思います。当ブログでも最晩年の傑作「4つの最後の歌」を以前にUPしており、2回目のピックアップですね。19世紀後半の後期ロマン派の時代から第二次大戦後まで息の長い活動をした人ですが、作風は年代によって明確に変化しており、主に20代から30代にかけてがド派手なオーケストレーションによる交響詩の数々を、40代以降はオペラを中心に作曲活動を行いました。今日ご紹介する「英雄の生涯」は34歳の時の作品で、全部で7つある交響詩の中でも最後の作品です。演奏時間も約45分あり規模的にも最大ですね。管弦楽法を極めたリヒャルト・シュトラウスの作品の中でも最もスケールの大きい楽曲と言われ、全編にわたって絢爛豪華な音絵巻が繰り広げられます。
音楽は一人の“英雄”の生涯が恋愛、戦争、隠遁など6つのテーマで描かれます。定説によると“英雄”とはリヒャルト・シュトラウス自身のことで、30代にして功成り名を遂げた自らの人生をナルシシスティックに描いたものだとか。真実だとすると鼻持ちならない野郎ですが、曲そのものはその才能を裏付けるかのように色彩豊かなオーケストラサウンドと美しい旋律に彩られた名曲です。冒頭の勇壮な英雄の主題、愛する伴侶と結ばれる場面の幸福感に満ちた旋律も素晴らしいですが、荒々しい戦闘の場面等を乗り越えた後に訪れるエピローグが出色の出来です。英雄が激動の生涯の幕を下ろす様を消え入るようなバイオリンソロと静かに燃え上がるオーケストラで描ききった感動のフィナーレです。
そんな「英雄の生涯」のCDはリヒャルト・シュトラウスの他の交響詩との様々な組み合わせで発売されていますが、私が買ったのは「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を併録したダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団のCDです。ティル・オイレンシュピーゲルは民話の登場人物で、とんち話やいたずら話で有名なドイツ版一休さんとでも言うべき存在だとか。15分ほどの小品ですが、ティルのいたずらの数々を明るくカラフルなオーケストレーションで表現した非常に親しみやすい名曲です。
音楽は一人の“英雄”の生涯が恋愛、戦争、隠遁など6つのテーマで描かれます。定説によると“英雄”とはリヒャルト・シュトラウス自身のことで、30代にして功成り名を遂げた自らの人生をナルシシスティックに描いたものだとか。真実だとすると鼻持ちならない野郎ですが、曲そのものはその才能を裏付けるかのように色彩豊かなオーケストラサウンドと美しい旋律に彩られた名曲です。冒頭の勇壮な英雄の主題、愛する伴侶と結ばれる場面の幸福感に満ちた旋律も素晴らしいですが、荒々しい戦闘の場面等を乗り越えた後に訪れるエピローグが出色の出来です。英雄が激動の生涯の幕を下ろす様を消え入るようなバイオリンソロと静かに燃え上がるオーケストラで描ききった感動のフィナーレです。
そんな「英雄の生涯」のCDはリヒャルト・シュトラウスの他の交響詩との様々な組み合わせで発売されていますが、私が買ったのは「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を併録したダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団のCDです。ティル・オイレンシュピーゲルは民話の登場人物で、とんち話やいたずら話で有名なドイツ版一休さんとでも言うべき存在だとか。15分ほどの小品ですが、ティルのいたずらの数々を明るくカラフルなオーケストレーションで表現した非常に親しみやすい名曲です。