クラシック音楽も19世紀末にロマン派音楽が爛熟期を迎え、20世紀に入ると作曲家たちはさまざまな道を模索し始めます。一部は前衛性を増していき、調性を排除した十二音技法を確立してゆくのですが、この辺りは私にはさっぱり理解できないのでパスします。他方では“新古典主義”と言って、ロマン派音楽を飛び越え、モーツァルトやバロックの時代まで遡るグループもいました。今日ご紹介するフランシス・プーランク、ダリウス・ミヨーらもその仲間で、彼ら2人にオネゲルらを加えた6人を「フランス6人組」と言ったりもするようです。ただ、古典を模倣していると言っても、純粋なバロック音楽とは全く異なっていて、やはりメロディはどことなく無機質ですし、ジャズをはじめ新大陸の音楽の影響も感じられます。
まず、ミヨーの「屋根の上の牛」ですが、バロック風の朗らかな旋律にタンゴやサンバなど南米の陽気なメロディがミックスされた不思議な曲。やや調子っぱずれのトランペットには現代風の響きも感じられます。プーランクの「牝鹿」はそれに比べるとより正統派な古典音楽。計4楽章、20分あまりの小品ですが、モーツァルトを筆頭に18世紀の香りが感じられる軽快な曲です。特に跳ねるようなリズムの「ロンド」、優しいメロディの「アダージェット」が秀逸です。
CDはウラディミール・ヴァーレク指揮チェコ・フィルハーモニーのものを買いました。プーランク、ミヨーあたりは録音そのものがレアなので選択肢はあまりないですが、本盤が選曲的にもベストだと思います。このCDにはもう1曲、「ジムノペディ」で有名なエリック・サティが書いた「パラード」と言うバレエ音楽が収録されています。これがまた変わった曲で、冒頭部分はいたって正統派なんですが、その後はめまぐるしく転調していく、さらに途中でサイレンやタイプライターの音が挟まれたりと、何とも言えずユニークな曲です。ピアニストのイメージが強いサティにこんな珍曲があったとは驚きですね。
まず、ミヨーの「屋根の上の牛」ですが、バロック風の朗らかな旋律にタンゴやサンバなど南米の陽気なメロディがミックスされた不思議な曲。やや調子っぱずれのトランペットには現代風の響きも感じられます。プーランクの「牝鹿」はそれに比べるとより正統派な古典音楽。計4楽章、20分あまりの小品ですが、モーツァルトを筆頭に18世紀の香りが感じられる軽快な曲です。特に跳ねるようなリズムの「ロンド」、優しいメロディの「アダージェット」が秀逸です。
CDはウラディミール・ヴァーレク指揮チェコ・フィルハーモニーのものを買いました。プーランク、ミヨーあたりは録音そのものがレアなので選択肢はあまりないですが、本盤が選曲的にもベストだと思います。このCDにはもう1曲、「ジムノペディ」で有名なエリック・サティが書いた「パラード」と言うバレエ音楽が収録されています。これがまた変わった曲で、冒頭部分はいたって正統派なんですが、その後はめまぐるしく転調していく、さらに途中でサイレンやタイプライターの音が挟まれたりと、何とも言えずユニークな曲です。ピアニストのイメージが強いサティにこんな珍曲があったとは驚きですね。