ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

コダーイ/ハーリ・ヤーノシュ、ガランタ舞曲 他

2013-07-24 23:54:22 | クラシック(管弦楽作品)
前回のリストに続き、ハンガリー出身の作曲家コダーイ・ゾルターン(余談ですがハンガリーは日本と同じく姓→名の順で表記します)を取り上げます。リスト及び同時代のバルトーク・ベーラと並んでハンガリーの国民的作曲家として知られていますね。とは言え、リストは民族的にはドイツ人で音楽も王道ロマン派ですし、バルトークもかなり前衛色の強い作品が多いので、民族音楽をダイレクトに取り入れたこのコダーイこそが最もハンガリーらしい作曲家と言ってもよいでしょう。



中でも一番有名なのが「ハーリ・ヤーノシュ」です。もともとは同名のオペラのために作られた曲ですが、20分強に抜粋した管弦楽組曲の方が今では有名ですね。ハンガリー民話に登場するホラ吹き男ハーリ・ヤーノシュの半生を音楽で描写したもので、場面に応じて行進曲風・舞曲風などさまざまですが、とりわけ秀逸なのは古い民謡をモチーフにした第3曲「歌」、第5曲「間奏曲」ですね。琴のような音色の民族楽器ツィンバロンも効果的に取り入れられています。次に有名なのが「ガランタ舞曲」。コダーイの出身地であるガランタの町に伝わるジプシー民謡を管弦楽にアレンジした15分強の小品で、中でも哀調漂う第2曲のメロディが耳について離れません。

そんなコダーイ作品の決定版ですが、やはりハンガリー人指揮者のものに限るでしょう。中でもケルテス・イシュトヴァーン指揮ロンドン交響楽団による録音は40年以上経った今でも定番として広く普及しています。このCDにはもう1曲「ハンガリー民謡<孔雀は飛んだ>による変奏曲」、略して「孔雀変奏曲」も収録されています。タイトル通り同名の民謡を16もの変奏でつなげたたもので、実は収録曲の中でで一番長く27分弱あります。こちらも民族音楽を華麗なオーケストレーションで味付けした名曲です。
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