ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

メンデルスゾーン/真夏の夜の夢

2013-07-06 12:51:07 | クラシック(管弦楽作品)
メンデルスゾーンと言えば泣きのメロディが印象的なヴァイオリン協奏曲、本ブログでも紹介した交響曲「スコットランド」&「イタリア」がクラシックファンの間で根強い人気を誇っていますが、最も有名な曲と言えば今日ご紹介する「真夏の夜の夢」の中の「結婚行進曲」で揺るぎないでしょう。♪パパパパーン、パパパパーンと高らかなトランペットで始まるこのメロディ。ワーグナーの「ローエングリン」の「婚礼の合唱」と並び、古今東西を問わず結婚式の定番ですね。男性の私でも思わずテンションが高まるアゲアゲ↑のメロディです。ただ、それ以外にも名曲が目白押しなのがこの「真夏の夜の夢」。シェイクスピアの同名の劇のために作られた、今で言うサントラのような作品で、思わず心が浮き立ってくる勇壮な「序曲」、女声ボーカルが入る幻想的な「妖精の歌」、ホルンの調べが美しい「夜想曲」と全編に渡って親しみやすい旋律に満ちあふれています。



CDはオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のものを買いました。クレンペラーは戦前から活躍する伝説の名指揮者ですが、88歳まで長生きしたおかげでステレオ時代にも比較的録音が残されています。本盤も1960年の録音ですが、音質も良好ですし半世紀前の演奏とは思えないですよ。なお、CDには「フィンガルの洞窟」が収録されています。この曲はメンデルスゾーンがスコットランドを訪れた際に、ヘブリディーズ諸島にある有名な洞窟にインスパイアされて作った曲だそうです。メンデルスゾーンはこの旅行をもとにスコットランド交響曲も作曲していますし、随分と実りのある旅だったようですね。10分あまりの曲ですが、短調の陰りのあるメロディを基調としながら、途中にドラマチックに盛り上がるシーンもあり、コンパクトにまとまった名曲だと思います。
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ドヴォルザーク/交響曲第7番

2013-07-03 21:55:29 | クラシック(交響曲)
前回のシベリウスに引き続き私の大好きな作曲家がドヴォルザークです。当ブログでもはや6回目の登場ですね。交響曲「新世界」があまりにも有名な彼ですが、以前に紹介した第8番も名曲ですし、今日取り上げる第7番も素晴らしい内容です。ドヴォルザークと言えば音楽史ではチェコ国民音楽の父として位置付けられていますが、本作はどちらかと言うと親交のあったブラームスの影響を強く感じさせる重厚なロマン派音楽です。



第1楽章はまさにブラームス的な曲調。重々しく不安げな冒頭部分から一転して美しく牧歌的な旋律が現れ、それが再び繰り返され徐々に盛り上がっていきます。第2楽章は緩徐楽章で、後期ロマン派の真髄とでも言うべき夢見るような美しい主題が奏でられます。ドヴォルザークの書いた曲の中でも最も美しい旋律と言っても言い過ぎではないのでは?第3楽章は本作で唯一民族音楽をダイレクトに取り入れた楽章でフリアントと呼ばれるチェコの舞曲をモチーフにしています。第4楽章は再びブラームス的重厚さを感じさせる壮大なフィナーレです。CDはカルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のものを買いました。ドヴォルザークの交響曲はたいてい7番と8番がセットになっているのですが、8番は既に持っているので7番が単独で収録されている本盤を選んだ次第です。「新世界」の陰に隠れがちですが、もっと広く聴かれてもいい名曲だと思います。
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シベリウス/交響曲第4番

2013-07-01 21:09:08 | クラシック(交響曲)
基本的に“広く浅く”をモットーに、いろんな作曲家のいろんなジャンルの作品をちょこちょこ買っている私ですが、過去エントリーにも書いたようにシベリウスは大好きな作曲家でして、この4番にて交響曲全7曲制覇しました。いわゆる交響曲作家では初めてかも?ベートーヴェンも1番&2番は未聴ですし、マーラーやブルックナーなんて完全に途中で頓挫してますからね。とは言え、7曲全てが素晴らしいってわけでもなく、やはり世間的に地味と言われている3番&6番はいまいち心魅かれませんでした。私はベタながら1番&2番が好きですね。次いで5番、7番、そしてこの4番と言ったところでしょうか?



解説によるとこの4番はシベリウス40代半ばの作品。なんでもこの頃の彼は重い病気を患っていたらしく、死の恐怖を感じながら作曲したとか。なるほど全体的に暗いのも頷けます。シベリウスのトレードマークとでも言うべき大地から湧き上がるような壮麗なオーケストレーションは本作でも頻繁に出てきますが、たとえば1番&2番だとそこから怒涛のようにメロディアスな展開になだれ込むところが、そうはならずに元の暗い展開に戻ります。盛り上がりそうで盛り上がらないところがじれったいですが、一方で全曲を通じて静寂の中に研ぎ澄まされた美意識とでも言うべきものが感じられます。CDはパーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団のものです。フィンランドの生んだ名指揮者で、同国の国民的作曲家であるシベリウスの演奏については世界的権威として知られています。本盤もEMIに残した全曲録音のうちの1枚です。交響詩「吟遊詩人」も収録されていますが、こちらも4番同様に地味な曲風。ハープの奏でる幻想的な響きが印象的な小品です。
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