広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

鳥取砂丘

2009-09-17 22:17:29 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
鳥取市内の路線バスは、「日ノ丸自動車(日ノ丸バス)」と「日本交通(日交鳥取、本社は大阪)」の2社がほぼ同割合で路線を持っている。
松江市やかつての秋田市のように、公営バスと民間バスが共存する都市はわりとあるが、このように民間バス会社どうしが互角に共存しているのは珍しいと思う。ただし、25年ほど前に両社間で調整が行われたらしく、競合路線でもダイヤが重複しないように配慮されているようだ。※市中心部のバス事情を別記事で紹介します。

鳥取砂丘へは、季節や曜日によっては観光循環バス「ループ麒麟獅子」やボンネットバスが走っている(駅前はすべて0番乗り場発だった)が、9月の平日は一般路線バスのみ。
ボンネットバスに乗ってみたい… 日ノ丸バス
一般路線バスは鳥取駅と砂丘を結ぶ「砂丘線」が30分から1時間に1本運行されている。日ノ丸、日交の共同運行で、きれいに1本ずつ交互に担当している。なお、砂丘から500メートルほど離れた「砂丘東口」停留所を通る「岩井線」という路線が、30分に1本程度あるので、それを利用することもできる。
砂丘までは片道360円だが、僕が使っている周遊きっぷ山陰ゾーンでは、砂丘線に乗車できる。本当に使い出のあるきっぷだ。乗ったのは日ノ丸バス担当便。
始発の鳥取駅からたくさん乗り、大型車の全席が埋まった。ここでも個人旅行客が多いが、とりわけ若者、特に外国人が目に付いた。やっぱり「鳥取といえば砂丘」であり、山陰の一大観光地だ。

若桜街道を通り県庁前を曲がってしばらく進み、国道9号のバイパスに出ると、秋田市の割山とか新屋の7号線南バイパスみたいな雰囲気で海が見えてきた。
トンネルを抜けて、坂を上り下りするといよいよ砂丘。遠くに大きな砂山が見えた。大きい!
9月18日から行われる「砂の美術館・第3期展示」の砂像が作られていたり、砂丘地を利用したラッキョウ畑へ続く道も見える。鳥取の特産、ラッキョウは10月下旬頃に紫のきれいな花を咲かせ、見物客が多いらしい。境港では鬼太郎らしき絵が描かれた道案内標識があったが、ここでは同じ形式でラッキョウの絵が描かれ、たしか「らっきょう畑 Shallot field」と表示されていた。日本では、流通上、若採りラッキョウを「エシャレット」と呼ぶそうだが、植物学的には別にシャロット(エシャロット)という野菜があって、ややこしい。英語ではラッキョウはRakkyoらしいので、ラッキョウを知っている外国人がShallot fieldと聞いても、ラッキョウ畑と連想できるだろうか? ちなみに「鳥取市の花」はラッキョウ。

鳥取砂丘の中で観光地になっている部分だけでも広く(海に沿って東西に長い)、いくつかの施設や土産物屋があり、このバスは「砂丘センター展望台」「砂丘北口」という停留所を通る。
でも、砂丘のいちばんのクライマックスの部分に行くには、終点の「砂丘会館」で降りればいい(センターとか会館というのは土産物屋の名前)。
 
駅から約20分で砂丘会館着。車内放送では「お帰りの際も日ノ丸バスをご利用ください」と言っていたけど、時間的にムリそう。
この辺は鳥取市福部町といい、2004年までは福部村(ふくべそん)だった。つまり、昔は鳥取砂丘は2つの市と村にまたがっており、いちばんの見所は鳥取市外だったようだ。
 
バス停前の道路を渡ると、上りの階段とスロープがあり、「第3砂丘列」という高いところ(標高54メートル)に出る。あとはずっと砂で、そこから海に向かって下り坂(低いところで標高19メートル程度)になり、再び上り坂で波打ち際の直前に横に長い砂丘がある。これが有名な「馬の背」こと「第2砂丘列」(標高47メートル)。
浜だから、出入りは自由(夜は真っ暗とのこと)だが、階段に訪問者数をカウントするセンサーがあったり、「熱中症や裸足でのヤケドに注意」といった放送がエンドレスで流れたり、行政(国立公園だから環境省か)の管理はされていた。

植物や地質学的な観察をするとか、じっくり歩くのならともかく、馬の背のてっぺんまで登って戻ってくるのが定番コース。もっと簡単にここから眺めるだけという見方もあるけど、天気はいいしそれほど暑くないから行ってみよう。靴はウォーキングシューズ。
道のりは遠い
砂で歩きにくいので裸足になる人や、長靴を貸し出す土産物屋、足洗い場と自由に使えるサンダルを置いた公共施設もある。遠回りして馬の背まで行く馬車(有料)もあった。ラクダもいたけど、記念撮影用(有料)。

写真では砂の質感や高低差が分かりにくいと思うが、実際は壮大だった。砂だけで距離感が狂う。特に道しるべもないが、いちばん勾配の緩い部分が自然に通路になっている。所々に海岸性の植物が自生する群落があって緑に見える。遠くでパラグライダーをやっていた。
最後の上りがきつい
砂+上り坂は歩きにくい(だからと言って、裸足やサンダルの方が楽とは個人的には思わない。長靴は楽そうに見えた)。特に最後がなかなか堪えた。
馬の背を登り切って振り返る

砂と人だけ

海が見えた!
ちょうど10分かけて馬の背頂上に到着。あまり広くないから、近くに他の観光客がいて独り占めはできないが、海からの風が気持ちいい。曇り空のためか、海の色は秋田の日本海と違わない。
馬の背から海辺へ下りていく方は急斜面。真下に海を臨む感じ。波打ち際へ下りていく人たちもいたが、僕を含めて大部分の人は下りない。戻ってくるの(上り)が相当きつそうだから。
沖に島があり、東の方は磯?
砂丘の東は浦富(うらどめ)海岸というリアス式海岸で、島根の日御碕は出雲松島だったが、こちらは「山陰の松島」と呼ばれる景勝地のようだ。観光循環バスを使えば砂丘から行かれる。
左上が馬の背頂上。海岸へは急斜面
同じ道を戻るのも嫌なので、少しだけ脇にそれた場所を下る。
足跡があるけど、風紋らしきものが!
帰りも10分かかった。下り坂で少し靴に砂が入ってしまった。
 
帰りのバスは日本交通でやはり大型車。行きのバスで乗り合わせた皆様もいるが、それ以外の人もいて、大盛況。始発の砂丘会館で既に立ち客が出て、砂丘センターからもたくさん乗ってきて満員。旅行客とは少し雰囲気の違う人たちが何グループかいた。市内で看護学会の大会が行われており、その参加者のようだった。

雄大な風景を見て、歩いて体験できて来てよかった。夕刻は影ができて美しいそうだし、5~8月は海に日が沈む風景が見られたり、雪景色もいいとか。悪天候時は大変そうだが、また来て、もっとじっくりと見てみたい。
当然かもしれないが、ゴミが2つしか落ちてなかったのには感心した。同じ日本海側でも秋田の海岸はゴミだらけで恥ずかしい。

まだ、数時間残っているので、県庁前でバスを降りてみた
コメント (4)
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