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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

弘前の選挙掲示板

2009-09-29 19:32:05 | 津軽のいろいろ
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選挙ポスター掲示場(掲示板)の設置場所は各市町村の選管が決めているそうだ。先日の選挙期間中に各地の掲示場を見て、その設置場所にはある程度の法則があった。
・市の代表駅クラスの大きな駅前にはないことが多い(秋田・大館・弘前・松江各駅前にはなく、出雲市駅前にはあった)
・市役所の近くには必ずある など
また、少なくとも秋田市の場合は、市立学校、市立保育所、コミュニティセンター、児童公園など市管轄の施設の前に多い。これは民家前など私有地に立てる場合は所有者の許可が必要だし、迷惑になるからではないだろうか。(ただし公職選挙法では「土地又は工作物の居住者、管理者又は所有者は、ポスター掲示場の設置に関し、事情の許す限り協力しなければならない」とされている)

そんな事情はどこの自治体も同じなのだろうが、青森県弘前市でヘンな設置方法を見かけた。
その1・ウラもオモテも
弘前公園から西へ1キロ。岩木川に近い新興住宅地の城西地区。
 
バスが通る住宅街を貫く道は、片側1車線ながらも中央分離帯や広い歩道があり、城下町弘前には珍しいゆったりとした道。大雪でも捨て場に困らなそう。
その道路上のあるバス停は、歩道を大きく切り欠いて設けられていて、バス停部分と本線の間にも分離帯がある。
その分離帯の上に掲示場がある(上の図の赤い部分)
しかも背中合わせで両面式!
つまり、バス停を向いている面と車道を向いている面がある。車道側の方がわずかに背が高い
道路管理者(市か県)管轄の分離帯だから、設置の手続きは楽だろう。設置作業も少し効率的にできるかもしれない。とても画期的な感じもするが、見る側からすればそうではない。
バス停側から
まず、歩行者やバス利用者にしてみれば、バスが通る道路部分を隔てて見なければいけないため、遠い。候補者の顔や氏名は分かっても細かな政策や公約を読むにはそれなりの視力や集中力が求められる。
さらに車道側はまったく無駄。信号待ちなどで止まるような場所でないから、車に乗っている人は高速で通過するだけ。反対側の歩道の通行人は2車線と中央分離帯越しに見るわけだから、とても遠い。ポスターが判読・判別できるだろうか。
こんな所に2枚も立てるよりも、普通に歩道沿いとか公園の前に1枚ずつ立てた方がずっといい。

その2・乱立地帯
弘前城趾弘前公園入口の追手門、洋風建築が移築された市立観光館、弘前市役所が集まる一角は、観光客で賑わう。外堀沿いの道路は車の通行も多い。
どこの市でも市役所の前には掲示場があるものだが、普通は1枚。でも弘前市役所周辺は異常といえるほど“乱立”(言い換えれば集中設置)している。
赤が掲示場、青は設置番号。ピンクの線は桜並木です
まずは市役所前の1つ南側、税務署前の小さな交差点。
民家の塀際に1枚。設置番号「9-5」
そこから北へ約60メートル。市役所庁舎脇の100円バスのバス停前に1枚。
設置番号「9-4」
さらに少し進んで交差点を左折。道なりでまた60メートルほどの「弘前市役所」の看板のある正面玄関入口に1枚。
設置番号「9-3」
さらに西へ60メートル。一般路線バスのバス停手前、市役所駐車場入口前に1枚。
設置番号「9-2」
わずか200メートル強の間に4枚もの掲示場があり、市役所敷地の2辺だけで3枚もある。秋田市で1か所から同時に2つの掲示場が見えた場所があったが、ここでは理論上は同時に3つ見えるはず(実際は木があったりして見えないかもしれない)。
車の量が多い地点だが、前車や信号注視が要求される地点だから、ポスターに目を留めるドライバーがどれほどいるかは疑問。通行人は観光客と弘前市職員が圧倒的に多いと思われるから、あまり意味がない。景観上もいいとは言えない。
全国的にこれほどの“掲示場乱立地帯”があるだろうか。弘前市内どこでも掲示場が多いのならまだ分かるが、例えば弘前大学周辺ではほとんど見かけない。市役所の手続きや設置業者の手間を“手抜き”しながら、法で定めた設置枚数(1投票区につき5箇所以上10箇所以内)をクリアするのために集中設置しているのでは?、と勘ぐってしまう。ここにこんなに存在する理由が思いつかない。
税務署の交差点と市役所玄関前の2枚あれば充分でないだろうか。余った2枚を住宅地や学生街(大学の正門前とか)に振り向けた方が、投票率向上につながりそうだけど。

おまけ1・期日前投票への取り組み
秋田市では、期日前投票制度を工夫し、とても利用しやすいし、市役所や支所の前にも「当日ムリなら期日前投票を」という目立つ看板を掲げて宣伝していた。
弘前市では規模や予算・人員の都合はあるのだろうが、市役所正面には
真ん中の垂れ幕で8月30日が投票日なことを知らせるだけ。期日前投票には触れていない
期日前投票所は遠隔の支所以外は、市役所の6階と駅裏1.5キロの出先機関(総合学習センター)だけ。中心部では市役所(駅や学生街からは歩いて行きにくい)だけで、しかも6階。
駅の自由通路やショッピングセンターで済ませられる秋田市に比べると、弘前市は期日前投票への敷居が高いと思う。弘前市は、駅前の再開発ビル(旧ダイエー)の1階に市役所の窓口機関があるから、そこで実施できないもんだろうか。

僕は弘前市に対しては、昔住んでいた好きな町というだけで、住んでいるわけでも納税しているわけでもないのですが、選挙に関してはあまり親切でないな、と感じてしまった。

おまけ2・タロウさん
弘前市の衆院選投票区は「青森4区」。黒石市などのほか、青森市の一部(旧浪岡町)も選挙区で、青森市は地域によって2つの選挙区があることになる。
掲示場右上のポスターの候補者がジャーナリスト・ニュースキャスター(今はコメンテーターかな?)と同姓同名だ。3世議員で、元知事の息子。ジミン党から今回5選を果たした。

全国的にはキムラタロウさんといえば、フジテレビの夕方の番組の人を思い浮かべるが、青森4区の全域でフジテレビ系列局が映らない(再送信するケーブルテレビ局もない。例外で県境や沿岸の一部世帯では秋田テレビが映ると思う)から、津軽の皆さんはこちらを連想するんだろう。
もっともキャスターの方はNHKでニュースセンター9時などに出ていたから、津軽でも知っている人はいるだろうけど、僕たちの年代より上でないと知らないし、知っていても過去の人になってしまっているだろう。
コメント
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