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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
ついに山陰を離れる。鳥取から東日本方面への移動は、現在は第3セクター鉄道「智頭急行」経由で太平洋側へ抜ける特急「スーパーはくと」で大阪・京都まで行くのが一般的。速くて安く、車両もきれい(おかげで智頭急行は3セク鉄道の中では全国トップクラスの収益を誇っている)。
今回は、鳥取からしばらく日本海側を東に進み、姫路へ抜ける路線で大阪まで行く、かつてのメインルートを行ってみる。今はこの経路で鳥取まで来る特急は1日1往復だけで時間が合わないので、途中までは普通列車に乗る。その途中にも寄りたい場所がある。
最初は鳥取始発の浜坂行きワンマン普通列車。32.4キロを45分。“国鉄色”と呼ばれるオレンジ色の2両編成で後ろは鬼太郎列車、男鹿線・五能線でおなじみキハ40系だったが、
前はちょっと新しそうな車両。
キハ33といい、JR発足直後に、不要になった比較的新しい客車(機関車に引かれて走る)に運転台とエンジンを取り付け、自力で走れる気動車(ディーゼルカー)に改造したもの。だが新造と比べて、思ったほどコスト削減効果がなかったらしく、2両しか造られなかったという珍車。僕は空いていた後ろに乗ったけど。
鳥取の東隣の福部駅までは11.2キロ、12分もかかった。秋田駅の北隣、土崎や東隣、四ツ小屋の両駅も結構距離があるが6~7キロ。県庁所在地の隣の駅が11キロも離れているのは珍しい。秋田では新駅建設の計画もあるが、鳥取はどうだろう。だいぶ山の中を走っていたようだけど。
途中から兵庫県に入り、海が近いようだが、車窓風景は田んぼと山ののどかな風景。もう稲刈りをしていた田んぼがあった。
終点の浜坂は、JR西日本鳥取支社と福知山支社の境界の駅。大阪行きの特急は浜坂発着のものも1往復ある。温泉やカニの町のようだが、乗り換えが2分しかないので、向かいのホームの次の列車へ。キハ40系2両編成のワンマン普通列車。
僕が乗る特急は、17.9キロ、4駅先の香住(かすみ)始発なので、このまま25分乗っていればいいのだけど、ある駅で降りて、1時間後の列車に乗ることにしている。雨ならやめようと思っていたが、なんとか大丈夫そう。
列車は途中で、かの有名な「余部(あまるべ)橋梁」を渡る。天空に架かるような高い橋だが、2010年までに架け替え工事が行われており、今の姿もあとわずか。はるか下に集落や入り江が見渡せる。


小さな川の河口に鉄橋を見上げる公園が整備されているようで、見物人がたくさん。
鉄橋のそばに餘部(あまるべ。鉄橋とは漢字が違う)駅があり、車で訪れる人までいる有名観光地(?)だけど、
僕はその1つ東隣「鎧(よろい)」駅で降りる。これがいい駅らしい
僕がこの駅を知ったのは昨年、テレビ東京の「田舎へ泊まろう」(秋田テレビでは土曜昼放送)というテレビ番組で見てから。駅から眺める風景に目を奪われた。
調べてみると、青春18きっぷのポスターや朝ドラ「ふたりっ子」の撮影地になったりして、風景の良さに定評のある駅らしい。
もちろん無人駅なので、運転士にきっぷを提示(途中下車だから渡しちゃだめ)して下車。
車体の色はえんじ色というかワインレッド。向こうに海が見えている
意外と山あいの場所だ
到着したホームと駅舎は海と反対側にあり、細い道に1日数本しか来ないバス停と数件の民家がある
駅舎。その向こうに線路2本と海がある
風景は海側のホームから見られるので、地下道で渡る。海側のホームに停まる列車は今はない。
ホームから海に向かって数段の階段があって
これ。テレビで見た入り江を見下ろす風景。
海の色は濃い青とエメラルドグリーンのグラデーションの「山陰の海の色」!
曇り空は残念だが、赤い灯台もあったりしていい風景。“海が見える駅”というのは五能線各駅をはじめ各地にある。でも“入り江”を“見下ろす”駅はあまりないと思う。ここは入り江の形、見え方、距離、高さが絶妙で素晴らしいと思う。
海を眺めるベンチも(もっとちゃんとした造りのもありました)
位置を変えると見え方が変わる
下の海沿いの集落の方が大きいようだ
特徴的な岩場と上の方に小さな田んぼが
下り列車が到着。かろうじて海と列車が入るアングル
下り(鳥取)方向はトンネルがあり、これを抜けると余部橋梁
ベンチに座って、鳥取で買った駅弁を食べた。絶景独り占めでいい気分だけど、風で飛ばされそうなのと、さっきは入り江の上をぐるぐる飛んでいたトンビが、駅の上まで旋回し始めた。弁当を狙われているようで警戒しながら食べた。
まだ時間があるので、海まで下りてみる。海の見えるホームに続いて畑があり、その途中の細い道を入ると急な坂

標高差が40メートルあり、何回か折り返してジグザクに下りていく
下の方では車道になった
中央にスプリンクラーらしきものが埋め込まれている。秋田県内陸部や北陸の豪雪地帯で消雪用として設置されるものに似ている。秋田市では見られないが、それほど雪が多くないからだと思う。
でも、日本海側とはいえ、ここでそれほど雪が積もるとは思えない。単なる凍結防止用だろうか。秋田ならロードヒーティングのパイプを埋め込む状況だが、工費や工法の関係だろうか。
矢印が駅。下りは楽だったけど、上りはきつそう
昔は、下で獲れた魚をケーブルカーで駅まで運んで出荷していたそうだ。
下から見る入り江
漁協の出張所みたいなのとその前に自販機があったほかは、民家だけ。生活の場に立ち入ってしまったおじゃま虫だし、ネコに不審な目で見られて、居心地が悪くて早々に駅へ戻る。この入り江は駅から見下ろすのがいいのかもしれない。
やって来た列車で1駅。香住から特急に乗る。
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
ついに山陰を離れる。鳥取から東日本方面への移動は、現在は第3セクター鉄道「智頭急行」経由で太平洋側へ抜ける特急「スーパーはくと」で大阪・京都まで行くのが一般的。速くて安く、車両もきれい(おかげで智頭急行は3セク鉄道の中では全国トップクラスの収益を誇っている)。
今回は、鳥取からしばらく日本海側を東に進み、姫路へ抜ける路線で大阪まで行く、かつてのメインルートを行ってみる。今はこの経路で鳥取まで来る特急は1日1往復だけで時間が合わないので、途中までは普通列車に乗る。その途中にも寄りたい場所がある。
最初は鳥取始発の浜坂行きワンマン普通列車。32.4キロを45分。“国鉄色”と呼ばれるオレンジ色の2両編成で後ろは鬼太郎列車、男鹿線・五能線でおなじみキハ40系だったが、

キハ33といい、JR発足直後に、不要になった比較的新しい客車(機関車に引かれて走る)に運転台とエンジンを取り付け、自力で走れる気動車(ディーゼルカー)に改造したもの。だが新造と比べて、思ったほどコスト削減効果がなかったらしく、2両しか造られなかったという珍車。僕は空いていた後ろに乗ったけど。
鳥取の東隣の福部駅までは11.2キロ、12分もかかった。秋田駅の北隣、土崎や東隣、四ツ小屋の両駅も結構距離があるが6~7キロ。県庁所在地の隣の駅が11キロも離れているのは珍しい。秋田では新駅建設の計画もあるが、鳥取はどうだろう。だいぶ山の中を走っていたようだけど。
途中から兵庫県に入り、海が近いようだが、車窓風景は田んぼと山ののどかな風景。もう稲刈りをしていた田んぼがあった。
終点の浜坂は、JR西日本鳥取支社と福知山支社の境界の駅。大阪行きの特急は浜坂発着のものも1往復ある。温泉やカニの町のようだが、乗り換えが2分しかないので、向かいのホームの次の列車へ。キハ40系2両編成のワンマン普通列車。
僕が乗る特急は、17.9キロ、4駅先の香住(かすみ)始発なので、このまま25分乗っていればいいのだけど、ある駅で降りて、1時間後の列車に乗ることにしている。雨ならやめようと思っていたが、なんとか大丈夫そう。
列車は途中で、かの有名な「余部(あまるべ)橋梁」を渡る。天空に架かるような高い橋だが、2010年までに架け替え工事が行われており、今の姿もあとわずか。はるか下に集落や入り江が見渡せる。




小さな川の河口に鉄橋を見上げる公園が整備されているようで、見物人がたくさん。
鉄橋のそばに餘部(あまるべ。鉄橋とは漢字が違う)駅があり、車で訪れる人までいる有名観光地(?)だけど、

僕がこの駅を知ったのは昨年、テレビ東京の「田舎へ泊まろう」(秋田テレビでは土曜昼放送)というテレビ番組で見てから。駅から眺める風景に目を奪われた。
調べてみると、青春18きっぷのポスターや朝ドラ「ふたりっ子」の撮影地になったりして、風景の良さに定評のある駅らしい。
もちろん無人駅なので、運転士にきっぷを提示(途中下車だから渡しちゃだめ)して下車。


到着したホームと駅舎は海と反対側にあり、細い道に1日数本しか来ないバス停と数件の民家がある

風景は海側のホームから見られるので、地下道で渡る。海側のホームに停まる列車は今はない。


海の色は濃い青とエメラルドグリーンのグラデーションの「山陰の海の色」!
曇り空は残念だが、赤い灯台もあったりしていい風景。“海が見える駅”というのは五能線各駅をはじめ各地にある。でも“入り江”を“見下ろす”駅はあまりないと思う。ここは入り江の形、見え方、距離、高さが絶妙で素晴らしいと思う。






ベンチに座って、鳥取で買った駅弁を食べた。絶景独り占めでいい気分だけど、風で飛ばされそうなのと、さっきは入り江の上をぐるぐる飛んでいたトンビが、駅の上まで旋回し始めた。弁当を狙われているようで警戒しながら食べた。
まだ時間があるので、海まで下りてみる。海の見えるホームに続いて畑があり、その途中の細い道を入ると急な坂


標高差が40メートルあり、何回か折り返してジグザクに下りていく

中央にスプリンクラーらしきものが埋め込まれている。秋田県内陸部や北陸の豪雪地帯で消雪用として設置されるものに似ている。秋田市では見られないが、それほど雪が多くないからだと思う。
でも、日本海側とはいえ、ここでそれほど雪が積もるとは思えない。単なる凍結防止用だろうか。秋田ならロードヒーティングのパイプを埋め込む状況だが、工費や工法の関係だろうか。

昔は、下で獲れた魚をケーブルカーで駅まで運んで出荷していたそうだ。


漁協の出張所みたいなのとその前に自販機があったほかは、民家だけ。生活の場に立ち入ってしまったおじゃま虫だし、ネコに不審な目で見られて、居心地が悪くて早々に駅へ戻る。この入り江は駅から見下ろすのがいいのかもしれない。
やって来た列車で1駅。香住から特急に乗る。