広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

山陰蟹駅弁

2009-09-22 19:44:15 | 各地お土産・食べ物
旅行記本編でカニの話になったので、カニ駅弁の記事もアップします。

カニを使った駅弁は北海道など各地にあるが、炊き込みご飯風だったり中華風だったりいろいろある。山陰各地にもカニの駅弁は多いが、僕は1度、イトーヨーカドー秋田店の駅弁まつりで米子駅のかにめしを食べただけ。酢が利いた寿司風だったと思う。
今回の旅行では3つのカニの駅弁を食べた。各店が昔から作る、純粋なかにめしを食べて比較すればいいのだろうけれど、なかなか行かない山陰(駅弁大会でも秋田では買えるとは限らないし)だから、欲張って「カニプラス何か」の駅弁を選んでしまった。
以下にご紹介するのは、特に味に関しては僕の主観なので、あまりアテになさらずに。また、駅弁はいつ行っても必ずあるとは限らないので、現地に行っても入手できない可能性もあります。特にカニは夏と冬で商品が違うことが多いようです。
【松江駅・境港水揚げ蟹としじみのもぐり寿し(一文字家)】1100円

牛肉など地元食材を使った駅弁を豊富にラインナップしている業者。
これは松江開府400年と松江駅開業100年を記念した駅弁で、紅ズワイガニは境港産。松江の対岸とはいえ、隣の鳥取県で獲れたものを使うのはそれだけ結びつきが強いことの現れか。シジミについては特に産地の表示がなかった。

かにめしに郷土料理のしじみのしぐれ煮が乗っている。寿司飯の中にもシジミが入っているので「もぐり寿し」。
しぐれ煮は佃煮みたいなものだが、濃すぎず薄すぎずいいお味で、カニとも合う。カニはだいぶ酢が利いているが、僕は酢好きだからおいしかった。
おかずは漬け物、カニしんじょう、汐ふき椎茸という酢こんぶみたいなの。
【27日追記】持ち帰った包装に材料が詳しく記載されていた。一部を抜粋すると、
島根県産コシヒカリ、しじみは宍道湖産は価格高騰と安定供給の点から使用していない、かにしんじょうは境港産ズワイと白身魚と豆腐を蒸したもの、漬け物は頓原町の福神漬け「とんばら漬け」、酒・醤油・塩にもこだわっている。


【米子駅・吾左衛門弁当(米吾)】1220円

製造元の米吾(こめご)は米屋 吾左衛門鮓(すし)といい、鯖などの押し寿司が主力商品。おこわや以前食べたようなかにめしもある。
西日本の弁当には珍しくお手ふきが付いていたのはうれしい
これは同社の各種商品のダイジェスト版的な駅弁で、かにめし、鯖鮓、大山おこわが少しずつ入り、おかずも付いている。この手の駅弁は量も充分だし、旅行者にとっては、1つの駅弁で何種類分もの味が楽しめるのが楽しい。
 
秋田のヨーカドーで買ったのと同じかにめし。味もたぶん同じ。
鯖鮓もおいしい。1人で1本は多いし飽きそうだから、2切れでちょうどいい。どちらも酢が利いていた(松江よりは少し弱い?)。山陰は酢っぱいのが多いのか?
おこわは100%もち米らしいが、ふっくらした薄味の醤油味でおいしかった。

【鳥取駅・お好みかに寿し(アベ鳥取堂)】1250円
袋にもカニ
昭和27年に全国初のかに寿しを発売した業者で、カニ関連の駅弁が多いが、鬼太郎の駅弁などもある。
鳥取駅構内の両端に対面するように同じ売店があり、あまり意味がない気がしたけど、豊富に取りそろえてあり、買いやすい。
“元祖かに寿し”をベースに、ちらし寿し・細巻・にぎり寿しが入っている
これはあまり酸っぱくなかった。ちょっと飽きてしまったので、単品のちらしか、おかずとセットの方がよかったかも。

ほかにも山陰では出雲市、城崎温泉と豊岡(同じ業者)などにカニ駅弁がある。
コメント (4)
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カニの町

2009-09-22 18:21:10 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
山陰の日本海側はカニが水揚げされる冬は、カニ目当ての大阪周辺からの観光客で賑わうそうだ。
数十分の待ち時間で駅前にちょっと出ただけの兵庫県香美町(かみちょう)の香住(かすみ)駅も、カニの町。駅前はカニだらけだった。まずはホームと改札口の上に、
カニ爪「きちゃったネ…香美町」 歓迎じゃなく「カニ迎」
カニ迎の下に「かにと応挙と香りのまち」とあるが、応挙は江戸時代の絵師 円山応挙のこと。町内のお寺に多数のふすま絵や屏風が残っている。
改札の外もカニばかり。
広告塔はもちろん駅舎にいろいろ…

観光協会の時計 この中に3つのカニ

タクシー屋根のあんどん! ポストの上
ポストの上はブロンズ像でなく、鏡面加工のステンレス(?)で投函口と垂直に(=駅舎と相対して)置かれているのがおもしろい。投函口側から見ると、厚さ5センチほどの平べったい側面しか見えない。
ここにもカニの爪
ホームのとは爪の形が違う(開いている角度や左右)。「またきてね/香美町」の「美」だけフォントが違うが、合併で2005年に香住町から香美町に変わったため。

1日1往復ある香住始発の大阪行き特急「はまかぜ」に乗る。はまかぜは西の浜坂、鳥取始発も1往復ずつあり、それらを合わせて香住ー大阪間では3往復ある。冬はその名も「かにカニはまかぜ」というカニ観光用臨時列車も運転される。
 
昔ながらの改札口で、発車案内も懐かしい「ザ・ベストテン」みたいなパタパタ式(正式にはソラリー式という)。

そしてこの列車が懐かしいと思う方もいらっしゃるはず。特に秋田などでは。
キハ181系という形式のディーゼルカーで、塗装はJR西日本独特の地味なカラーに塗り替えられているが、元は肌色とエンジ色の国鉄特急色だった。
1968年から1972年に製造され、1970年から1975年の奥羽本線電化直前までは、秋田-上野間の特急「つばさ」にも使用されていた。現在、この形式の車両を使う定期列車は「はまかぜ」だけ。2011年春に新型車両が投入されることになっているので、それもあとわずか。

自由席2両、グリーン車1両、普通車指定席1両の4両編成。奥羽線電化によりつばさで使わなくなった車両は、山陰や四国へ転属したのだが、僕が乗った先頭の「キハ181 12」もつばさで使用されていたようだ。僕が生まれる前に秋田駅に出入りしていた車両に、遠く離れた山陰で乗るとは不思議な感覚。

車内の座席などは多少リニューアルされ、秋田の「かもしか」レベル。
車内放送のオルゴールは「アルプスの牧場(チロル民謡)」。国鉄では、電車は「鉄道唱歌」、ブルートレインなど客車では「ハイケンスのセレナーデ」と動力別に曲目を分けていたのが、なんとも国鉄らしい。国鉄からの古い車両には国鉄から勤務するベテラン車掌がふさわしい感じだが、若い女性車掌だった。
エンジンの音がすごい割りには、スピード感がない。国鉄型の普通列車気動車よりは快調だけど。「スーパーまつかぜ」のような新型車両と比べるのはかわいそうではある。

香住発時点では車内はまばらだったが、30分弱で着いた城崎温泉からたくさん乗ってきた。大きな発砲スチロールを持っている人もいた。季節外れのカニか他の魚介類か?
城崎は文豪が訪れ、カニ、コウノトリで名高い、歴史ある温泉地。カニの駅弁がたくさんあるのだが、ホームに降りて買っている時間はないし、このはまかぜには車内販売が全区間でない。夕食は大阪までおあずけ。3時間も走るのだから、一部区間だけでも車内販売してくれてもいいのに…

今走っているのは、京都まで続く山陰本線。米子からずっと電車が走れない非電化区間だったが、城崎温泉から京都までは電化されているので、城崎温泉始発の電車の特急がたくさん走っている。うち大阪行きの電車の特急「北近畿」は途中から福知山線に入り、大阪のすぐそばの尼崎へ抜ける。
一方、このはまかぜは城崎温泉の先の和田山という駅から、播但(ばんたん)線という電化されていないローカル線に入り、姫路へ抜ける。大阪までは福知山線経由より播但線経由の方がちょっと遠回りになるが、途中下車しなければ福知山線経由で運賃・料金を計算していい特例があり、今回もそれを適用して購入している。昔、秋田から上野へ行く時にあったのと同じ制度だ。

日が沈んで暗くなってきた。播但線の山あいに入り、山に囲まれた川沿いの平野を進んでいたが、川の護岸が崩れたり、古い橋がW字にひしゃげているのが見えた。先日の豪雨の被害だろう。
姫路からは山陽・東海道本線を走る。新しい新快速電車の合間を縫って古いディーゼルカーが疾走して、大阪着。香住から3時間強かかった。
明るい時間で食べ物があればもっと良かったけど、国鉄型車両の走りは楽しめた。

久々の大都会、大阪。新幹線の新大阪が別にあるせいか、大阪駅は東京駅ほどごちゃごちゃしていなくていい。隣接の大丸で値引きの弁当を買って、ホテルへ向かう。
ホテルは大阪からJR大阪環状線で5駅の森ノ宮という駅のそばなので、帰りのきっぷのルートから外れる。そこで、Suicaを使って(JR西日本のICOCAの相互利用として)初めての電車乗車。電子マネー同様、こちらも便利。でも改札機にタッチするタイミング・時間の感覚がつかめず、後ろから次の人が来ている場合は気を遣う。また、改札機のディスプレイを見て処理が正常に行われたことを確認した方がいい。まれに処理が行われずに通過してしまうことがあり、そうなると次回面倒なので。
ホテルの部屋から。反対側の部屋だと大阪城が見えたのだけど格安プランだからしょうがない
翌日は秋田へ帰るだけ
コメント (4)
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