広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

選挙ポスター掲示場

2009-09-28 20:32:27 | その他もろもろ
各地の選挙ポスター掲示場(掲示板)を材質別に分類してご紹介します。
●木目むき出しの合板
 秋田県秋田市、秋田県井川町、秋田県能代市、島根県出雲市

秋田市
僕にとっては見慣れたタイプだが、全国的には少数派?
能代市(停車中の列車から)
上の写真手前のプランターに「木都のしろ」とあるように、能代市は秋田杉の町(集散地)だから当然といえる。秋田市とほぼ同フォーマットに見えた。
 出雲市
赤文字があって、枠が違う。裏面のシールによれば、東京都江東区新木場の製材会社の合板のようだ。裏面は枠が十字に組まれていて(他の自治体は横方向だけが多い)、やけに頑丈な作り。

●表面が白い合板(裏面は木がむき出し)
 青森県弘前市、青森県平川市、秋田県大館市

全国的にはこれが多いのではないだろうか。無塗装を見慣れた秋田市民からすると、塗装する費用・手間・環境負荷の点から無駄に思えるけど…
弘前市
注意書きが右側にあり、区画の番号も右上から始まる。柱は白木だが、ツノのように掲示板より上にだいぶ出っ張っている。かっこ悪いし無駄じゃないだろうか。
弘前と同じ選挙区の平川市
フォーマットは弘前とほぼ同一。柱の“ツノ”は短くてあまり気にならない。シールによれば新潟県の製材会社製。隣の秋田県にも業者はあるのに…

●白いプラスチック板
 島根県松江市

ここも柱が出っ張ってる。記載内容は、同じ県の出雲市に似ている
柱などは白木だから、掲示板自体も白い合板かと思ったら違った。
裏面も白い 
左下にエコマークが付いていて、「プラスチックの再利用 R-PET 70% 使用後は回収・リサイクルされます」とのこと。

●表面が白い金属板
 愛知県半田市

市長選のもの

反射する 裏は銀色
合板よりやや薄く表面に光沢があり裏側は銀色で、金属製。脚も金属パイプでコンパクトに見える。
区画番号がシールで貼られているので、使用後は保管し、次回以降使い回すのだろう。同日選挙や市議会議員選挙では立候補者が増えて掲示板の必要数も増えてしまうが、それに対応できるだけ金属板を持っているのだろうか。不足分は臨時に板で対応するのかもしれない。


さて、前の記事でも書いたが、秋田市では「選挙に関係のない内容は掲示板に記載できない」ので秋田杉間伐材使用の旨を表示するつもりはないようだ。国が決めたことだろうから、全国どこでもそうかなと思っていたが、松江市はエコマークを付けている。ということは、松江市では「選挙に関係なくても小さなエコマーク程度なら表示していい」あるいは「エコマークも選挙の一環」と解釈しているのだろう。
また、半田市では「(この掲示場の前には、駐車をご遠慮ください)」と書いてあった。ポスターが見えなくなるから駐めないでということだろうが、公道の駐車取り締まりは警察の仕事だから、それを掲示場に記載するのは選挙に直接関係しているとはいえないと考えることもできると思う。
それほど厳密に国が指示しているのではなく、各自治体に判断が任せられている部分もあるようだ。秋田市の掲示場は、製品としての合板自体がエコマーク認定製品(裏面にシールが貼ってある)だから、松江市の例と併せて考えると、掲示板面にエコマークを付けても問題はなさそうに思える。地場産品のPRの場になりそうなのに、もったいない。

掲示板は全国どこでも同じと思っていたが、比べてみると個性がある。その地域や自治体の状況に応じて、材料の入手のしやすさ、設置・保管の手間や費用などが違うわけだから、違って当然だ。
日本という同じ国だが、気候・言葉・風習そして交通機関・テレビ番組・店など、細かく見れば同じものって一つもないのかもしれない。

2021年の秋田県内4市のポスター掲示場
コメント (2)
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期日前投票と掲示板

2009-09-28 20:32:13 | 秋田のいろいろ
古い話ですが、選挙関連のお話です。
【すだれの陰で】
JR秋田駅東西を結ぶ自由通路「ぽぽろーど」
1997年の竣工時点では、西口側は駅ビルのすぐ西側、駐車場やバス・タクシー乗り場付近までしかなかった(上図ピンク色の部分)。2000年に西側(図下側)へ延長され、道路をまたいでイトーヨーカドー秋田店・西口広場まで延長されている(青の部分)。
1997年建設部分の西端は、南北それぞれに階段・エスカレーターがあるが、その外側にはガラス張りのベランダのような空間(図でオレンジ色の部分)があり、延長後も通路で分断されてしまったが残っている。
延長部つなぎ目付近から当初開業部分を見る

左端がつなぎ目。右が改札・東口方向
この空間、普段はあまり役に立っていないが、選挙期間中は北側が大活躍する。
バス乗り場から見た北側のベランダ
すだれが掛かっていて、物が置かれて人がたくさんいる。
 
ここは秋田市の期日前投票所になっていて利用者がひっきりなしにいる。
なんでも秋田県の期日前投票の利用率は全国トップだそう(だからといって当日投票を含めた投票率が高いというわけではない)。秋田県の人口の3分の1が住む秋田市が積極的に期日前投票を展開しているのも、その理由の1つだと思う。
庁舎前には期日前投票を勧める看板
期日前投票制度ができる前、不在者投票制度しかなかった頃は、市役所本庁舎と2支所でしかできなかったはず。しかし現在は(合併で秋田市になった雄和・河辺地区を除いて)5か所に増え、19時または20時まで投票できる。
その増えた2か所は、この「ぽぽろーど」と御所野地区の「イオンモール秋田(3階)」。中心市街地の駅と土日は異常と思えるほど賑わう郊外の大型ショッピングセンターに開設しているから、多くの市民が利用しやすい。
秋田駅東口隣接の「アルヴェ」には市役所窓口のサービスセンターがあるが、西口側からではわざわざ行く感じになり少し遠い。でもぽぽろーどは西口の通路に面した場所だから、立ち寄りやすい。僕も最近はここで投票している。
たまたま通りかかって存在に気づいたのか「入場券持ってきてないんだどもできるべか?(持ってきてないけど投票できるの?)」と職員に尋ねる人も見かけた。郵送される投票所入場券ハガキ裏面の宣誓書にあらかじめ記入して持って行くとスムーズだが、持って行かなくても現地で用意してある宣誓書に記入すれば期日前投票できるらしい(本人確認はどうするんだろう? ハガキはバーコードを読み取っていたけど)。そのための長テーブルも置いてあった。後は自宅の指定投票所で投票するのと同じ感覚。待たされることもまずない。【2022年7月2日追記・2010年代以降は期日前投票が浸透したのか、本来の投票日の前日などは、数十人が列を作ることも珍しくなくなった。】
投票所入場券裏面 ※2019年の入場券裏面はこちら
全国的には、駅や商業施設に期日前投票所を設ける自治体は増えているようだが、場所の借り賃や職員のやり繰りの問題もあるのだろうが、未だに役場と支所程度にしか設けていない所も多い。秋田市の期日前投票制度は手厚い方といえるだろう。
ベランダ部分から南を見る
ただしこの場所、本来は通路であって、ガラスや屋根は日差し除け&風雪除けで開閉しない。しかもベランダは西向きで冷暖房はない。
今回は珍しい8月の選挙。すだれのほか扇風機も持ち込んでいたようだが、温室の中で投票しているような暑い日もあったはず。
すぐいなくなる投票者はいい、市役所各部局から来ていた職員も数時間ごとに交代しているようだからまだマシ。おそらく窓の近くに座りっぱなしの3人の立会人の皆さんがいちばん苦しかったに違いない。

※通路の工事と選挙が重なった、2022年の状況

【選挙にしか使えないそうです】
さて、選挙ポスター掲示場(掲示板)。以前紹介した(こちらこちら)通り、秋田市では木目鮮やかな秋田杉の間伐材を使用している。
掲示板にその旨を記載するなどしてPRしてはどうかと秋田市選管に提案したのだが、「掲示場は選挙に使用するものであることから、それ以外の目的に使用することはできません」とのことだった。ただ、掲示板設置のマスコミ取材の際は宣伝してくれたらしく、掲示板が秋田杉間伐材であることを伝えた報道機関が複数あった。

また、選挙啓発ポスターが一部掲示場の空き区画に貼ってあったことにことについては「選挙啓発等のポスターについては、選挙管理委員会において必要と認めた場合には、候補者の選挙運動の妨げとならないよう配慮した上で掲示しております。」とのことだった。
じゃあ、秋田杉間伐材のPRも「必要と認め」ればいいんじゃないの? 広い意味で選挙啓発ととらえることもできなくはないのでは?
まあ、公平性が絶対に求められるものだし、おそらく総務省の決まりとか通達に基づいてやってるんだろうから、あまり目立つことはしない方がいいというのも分かるけどね。
※島根県松江市は違う解釈をしているようなので、別記事で。

【空きスペースで名前だけ】
今回の選挙の掲示場。秋田市全域のみがエリアの秋田1区では、5人が立候補。区画は8つあったので、今回も一部の掲示場では空いていた8番区画を有効活用していた。
今回は国民審査の名簿が貼ってある
掲示板内に立候補者以外(裁判官)の人名が書かれているから間違って裁判官の名前を投票されたりして、これこそ「選挙運動の妨げ」になりそうな気もするけど。それに裁判官の名前と任命日だけ見せられても判断のしようがないし、どうせ貼るなら全掲示場に貼ればいいと思う。
でも、従来は投票所で用紙をもらうまで対象の裁判官が何人なのかすら分からなかったので、投票所に行く前に人数や名前だけでも分かるというのはいいことだ(ちなみにYahooはサイト上で担当した裁判などの経歴を掲載していた)。

【1度に2枚見られます】
掲示場のだいたいの数は法律で決まっているようだが、最終的な数や設置場所は各選管が決めているそうだ。秋田市ではおおむねまんべんなく設置されていると思うが、いやに接近している場所がある。1点から2枚の掲示場が視野に入るのだ。
新国道の「川元小川町」交差点
茨島交差点の北にある旭橋を渡ってすぐの交差点で、付近は住宅地。写真では分かりにくいが、赤い○が掲示板。
 
 写真左は新国道に面した交差点角(設置番号5-37)。道路拡張準備のためと思われる空き地に立っている。
   右は交差点を西に曲がったNTT社宅前のゴミ置き場(設置番号5-35)。
特に理由もなさそうだが、両者は50メートルほどしか離れていない。設置番号を見ると「5-36」が飛んでいるけど、近くにもう1枚あるのだろうか?
※青森県弘前市で、ここ以上に掲示板が多い場所を発見したので、別記事で。
コメント (4)
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