秋田駅西口バスターミナル改築の前期工事が11日で終わった。※直近の模様はこの記事後半
さっそく12日からは、新しくなった西側の3・4番バース(列)が供用(臨時乗り場として。後述)され、東側の2つのバースを改築するための後期工事が始まった。
まずは、紹介しそこなっていた前期工事の模様。
※細部の仕様等については、設計監理を行なっている共同企業体の1つ「間建築研究所」のブログ(http://archilab-ai.jugem.jp/)を参考にさせてもらいました。
解体が終わって、6月上旬に更地になりつつあったところまで紹介した続き。
6月21日
6月30日
当然ながらまず基礎を造ってから、上を建てる。
7月4日
上の写真のように、最初は西側の4番バース(写真左側)から、上部の建設に取り掛かったかのように見えた。
ところが、
7月15日
4番バースの建築は進まずに足場が一部撤去され、右の3番バースのほうが先に建てられてしまった。
この間、あまり見ていなかったこともあって、どういう事情かは見当もつかないけれど。
7月20日
その後、4番バースも追い付いて、
完成
1・2番バースはすぐ解体されるはずなので、新旧の乗り場が共存するのは、今だけの光景。
南西側ぽぽろーどの上から
北側から
建てられた位置は前と同じだし木材の色や質感は新旧で似ているので、特に上から一瞬だけ見たりせっかちな人が見たら、新旧の区別がつかないかもしれない。
でも、近くで見ると、新しい乗り場は今までのと印象が異なる。

1回見ただけなのでうまく表現できないが、新しい方が木材が多く(木造だから当たり前だけど)、背が高く、柱が整然と並ぶのが印象的。「雁木(がんぎ)」や「小店(こみせ)」と呼ばれる日本風アーケードとどことなく似た趣がある。

柱と壁の位置関係からか、通路部分とベンチのある部分が区分されているようにも感じられ、ベンチに座る人は落ち着いて座っていられそう。
開けっぴろげでなく、かといって閉鎖的でもなく、デザインとしては悪くないかも。杉の香りが漂うのも、いい。
【14日追記】再度行ってみると、通路を歩く時には柱がジャマな気がしなくもない。また、柱の多さと屋根の高さのためか、バースが従来よりも広くというか長く感じられる。
天井からは透明で球形の照明がたくさんぶら下がっている。90センチ間隔とのこと。
このバスターミナルのために設計された灯具だそうで、電球色の電球型LEDが灯る。数日前に試験点灯が行われ、その模様が中央交通のホームページで紹介されている。NHKの天気カメラでも見える。なかなか美しい。(秋田県農林水産部 林業木材産業課のホームページにもアップされたのだが、今はなぜか削除されている【27日追記】その後、20日付で改めてアップされた)
※点灯した様子は、この記事末尾
※全部完成した後、夜霧の中で点灯した様子はこの記事中ほど
※2015年9月2日付秋田魁新報経済面によれば、「(裸電球型LEDを)172灯設置」「1カ月の電気代は3万円前後と、蛍光灯だった改築前の4分の1ほどに減った。」
写真に写っているように、各バース中央付近には乗り場側(と背中側)に透明な板(強化ガラス)が設置されて、待合室風になっている。
旧ターミナルの待合室は2番目のバースにしかなかったが、それはほぼ四方が板で囲まれていた。だから夏には熱がこもって暑かったのだが、新しい待合室は南北方向に風が抜ける構造。夏はいいけど冬場に寒くないか、雪が入らないか気になる。
以前のバスターミナルのベンチも秋田杉製だったが、新しい乗り場に置かれたものもそれと似ている。11日付秋田魁新報地域面によれば「長さ約180センチの秋田杉を使用。駅舎側の1レーンに6台、残りの3レーンにそれぞれ10台が置かれる。」。
【14日訂正】改めて見てみると、新しいターミナルに置かれたベンチにはニスの剥がれなどがあって新品ではなかった。以前のターミナルにあったものをそのまま使用していると思われる。最終的には、新たに別のものが置かれるということなのだろうか?
壁部分はほぼ全面が格子状の木材になっていて、見た感じではまさに「壁」だけど、実際には透明な板がある部分(ベンチが置いてある箇所と一致するようだ)とない部分がある。板がない箇所は風が抜けるので、従来と同じだろう。全面を格子にしたのは、バース間での横断を防止する目的もあると思われる。
また、目線の高さ付近は、格子がなくて「窓」のようになっている。ちょうど頭を出せるほどの幅。(ベンチ設置部分にはここにもガラスがついている)
閉塞感を解消するため?
格子状の杉材は、腰より下(ベンチ設置箇所以外)で、
波打っている
最初見た時、施工ミスか、自分の乱視が悪くなったのかとあせってしまった。なかなか手が込んでいる。
壁面には装飾として「組子細工」が取り付けられることになっている。そのスペースは、現在は板になっており、設置予定箇所であることと図柄を示した紙が掲示されている。
設置予定場所
11日魁によれば「組子細工は、県建具組合連合会(横手市)に制作を依頼。能代市と由利本荘市の組合業者が制作しており、施工中のベンチや外灯とともに9月下旬に完成、取り付ける予定。」。
予告通り、新しいターミナルでは、バースの途中での横断はできない。
そのため上記の通り、各バースの背中側(西側)に切れ目なく壁を設けて横断できなく(横断しても向かいの乗り場にたどり着けなく)している。
気になったのは、その壁の位置。歩道のない公道に面している4番バースは、道路スレスレに壁があるものの、3番バースは、スレスレではなく人が歩けるだけのスペースがあるのだ。
赤矢印の縁石と壁の間に空間があり、歩こうと思えば歩ける
両バースとも屋根の幅は同じなのに、柱の位置が違っているように見える。4番と3番では、4番バースのほうが乗客が利用できる幅は広いということになるのだろうか。
※旧ターミナルでは、4番バースだけはやや幅が広かったらしく、他と点字ブロックの位置が異なっていた。
わざわざ異なる設計にして、それによって乗客が利用できない空間を作る(利用できる空間を減らす)とは、無駄に思える。
横断してしまった人の退避スペースとしたのか、広告枠があるのでその交換時の作業スペースのつもりなのか。
以上、半分完成したことで新しいバスターミナルの形が見えてきたが、最終的には外灯も設置されるようだし、各乗り場のポールも、今は臨時用なので新たに設置されるだろう。最終的にはどんなものになるか。
最後に、臨時バス停関係。
まず、前後期通して臨時乗り場を使用する路線。臨時乗り場は、駅舎寄りの待機場とフォンテ側の歩道に分散して設置されているが、案の定、分かりにくい、屋根がない(待機場側)、ベンチがない(フォンテ側)と不満が出ていた(7月6日付秋田魁新報地域面)。
分かりにくいのは今さらしょうがないとして、ベンチや屋根は対策が取られている。
フォンテ側歩道の臨時乗り場には、
ベンチが置かれた
臨時8番乗り場の背後、ぽぽろーどの下・フォンテ正面玄関前のスペース(以前は喫煙コーナーのほかはあまり意味のない空間だった)に6台のベンチが置かれた。魁によれば7月10日に設置。
ベンチは「秋田中央交通」のシールが貼られていて、夜間(まだバスがある19時頃だけど)は片隅に寄せて座れないようにしているので、あくまでもバス会社が工事中の待合専用として置いている扱いなんだろう。
屋根がない臨時6・7番。
ベンチはあるけれど。後方の旧1番乗り場との格差が…
ここには魁によれば「日よけのひさしが8月下旬に設置される。」という。
後期工事開始に伴って、
すぐ後ろに足場が設置されたけれど?
後期工事の仮囲いと庇を兼ねたものでも作るのだろうか。
さて、後期工事では、前期は従来の乗り場(1・2番バースの1~5番)を使用していた残りの各路線も、臨時乗り場を使用する。
この臨時乗り場は、前期工事でできた3・4番バースの新しい乗り場を使うとのことだったので、そのままスライドするかと思っていたら、そうではなかった。
4番バース臨時2~5番乗り場の割り振り
旧1~5番乗り場を使っていた一般路線は、4番バースの臨時2~5番乗り場に集約して割り振られた。
県庁経由大川反車庫行きが臨時2番、臨海営業所線が臨時3番と、同方向が隣り合う乗り場になったのは便利。(どらも本数が多いのでつかえてしまう恐れもあるけれど)
でも、臨時3番には神田線も入り、従来臨海営業所線と一緒だった泉ハイタウン線は手形山・秋田温泉方面と一緒の臨時4番にされてしまった。
今までの感覚では間違えそうになるので、注意。
3番バースから発車するのは、臨時1番乗り場の空港リムジンだけが独占使用。
羽田便に接続するリムジンバスの発車前などには行列ができることがあり、従来はそこに県庁経由車庫行きが申し訳なさそうに発着していたものだった。リムジンを独立させたのは良かったかもしれない。
さらに、3番バースには、なんと
「降車専用」が設置された!
個人的には、降車専用場所を設けたほうがスムーズかつ安全ではないかと思っていたが、実現した。
4番バースから発車するバスが多いため、降車だけのバスは3番バースに入れて分離させる狙いか。
ただし、営業所と各方面を直通する路線では、路上を含む他の乗り場で降車を扱うはず。
なお、1番バース南端にあった案内所は、ぽぽろーどの直下付近(待機場の南端)に別棟の小屋を設置して対応。
※続きはこちら
さっそく12日からは、新しくなった西側の3・4番バース(列)が供用(臨時乗り場として。後述)され、東側の2つのバースを改築するための後期工事が始まった。
まずは、紹介しそこなっていた前期工事の模様。
※細部の仕様等については、設計監理を行なっている共同企業体の1つ「間建築研究所」のブログ(http://archilab-ai.jugem.jp/)を参考にさせてもらいました。
解体が終わって、6月上旬に更地になりつつあったところまで紹介した続き。


当然ながらまず基礎を造ってから、上を建てる。

上の写真のように、最初は西側の4番バース(写真左側)から、上部の建設に取り掛かったかのように見えた。
ところが、

4番バースの建築は進まずに足場が一部撤去され、右の3番バースのほうが先に建てられてしまった。
この間、あまり見ていなかったこともあって、どういう事情かは見当もつかないけれど。

その後、4番バースも追い付いて、

1・2番バースはすぐ解体されるはずなので、新旧の乗り場が共存するのは、今だけの光景。


建てられた位置は前と同じだし木材の色や質感は新旧で似ているので、特に上から一瞬だけ見たりせっかちな人が見たら、新旧の区別がつかないかもしれない。
でも、近くで見ると、新しい乗り場は今までのと印象が異なる。


1回見ただけなのでうまく表現できないが、新しい方が木材が多く(木造だから当たり前だけど)、背が高く、柱が整然と並ぶのが印象的。「雁木(がんぎ)」や「小店(こみせ)」と呼ばれる日本風アーケードとどことなく似た趣がある。


柱と壁の位置関係からか、通路部分とベンチのある部分が区分されているようにも感じられ、ベンチに座る人は落ち着いて座っていられそう。
開けっぴろげでなく、かといって閉鎖的でもなく、デザインとしては悪くないかも。杉の香りが漂うのも、いい。
【14日追記】再度行ってみると、通路を歩く時には柱がジャマな気がしなくもない。また、柱の多さと屋根の高さのためか、バースが従来よりも広くというか長く感じられる。
天井からは透明で球形の照明がたくさんぶら下がっている。90センチ間隔とのこと。
このバスターミナルのために設計された灯具だそうで、電球色の電球型LEDが灯る。数日前に試験点灯が行われ、その模様が中央交通のホームページで紹介されている。NHKの天気カメラでも見える。なかなか美しい。(秋田県農林水産部 林業木材産業課のホームページにもアップされたのだが、今はなぜか削除されている【27日追記】その後、20日付で改めてアップされた)
※点灯した様子は、この記事末尾
※全部完成した後、夜霧の中で点灯した様子はこの記事中ほど
※2015年9月2日付秋田魁新報経済面によれば、「(裸電球型LEDを)172灯設置」「1カ月の電気代は3万円前後と、蛍光灯だった改築前の4分の1ほどに減った。」
写真に写っているように、各バース中央付近には乗り場側(と背中側)に透明な板(強化ガラス)が設置されて、待合室風になっている。
旧ターミナルの待合室は2番目のバースにしかなかったが、それはほぼ四方が板で囲まれていた。だから夏には熱がこもって暑かったのだが、新しい待合室は南北方向に風が抜ける構造。夏はいいけど冬場に寒くないか、雪が入らないか気になる。
以前のバスターミナルのベンチも秋田杉製だったが、
【14日訂正】改めて見てみると、新しいターミナルに置かれたベンチにはニスの剥がれなどがあって新品ではなかった。以前のターミナルにあったものをそのまま使用していると思われる。最終的には、新たに別のものが置かれるということなのだろうか?
壁部分はほぼ全面が格子状の木材になっていて、見た感じではまさに「壁」だけど、実際には透明な板がある部分(ベンチが置いてある箇所と一致するようだ)とない部分がある。板がない箇所は風が抜けるので、従来と同じだろう。全面を格子にしたのは、バース間での横断を防止する目的もあると思われる。
また、目線の高さ付近は、格子がなくて「窓」のようになっている。ちょうど頭を出せるほどの幅。(ベンチ設置部分にはここにもガラスがついている)

格子状の杉材は、腰より下(ベンチ設置箇所以外)で、

最初見た時、施工ミスか、自分の乱視が悪くなったのかとあせってしまった。なかなか手が込んでいる。
壁面には装飾として「組子細工」が取り付けられることになっている。そのスペースは、現在は板になっており、設置予定箇所であることと図柄を示した紙が掲示されている。

11日魁によれば「組子細工は、県建具組合連合会(横手市)に制作を依頼。能代市と由利本荘市の組合業者が制作しており、施工中のベンチや外灯とともに9月下旬に完成、取り付ける予定。」。
予告通り、新しいターミナルでは、バースの途中での横断はできない。
そのため上記の通り、各バースの背中側(西側)に切れ目なく壁を設けて横断できなく(横断しても向かいの乗り場にたどり着けなく)している。
気になったのは、その壁の位置。歩道のない公道に面している4番バースは、道路スレスレに壁があるものの、3番バースは、スレスレではなく人が歩けるだけのスペースがあるのだ。

両バースとも屋根の幅は同じなのに、柱の位置が違っているように見える。4番と3番では、4番バースのほうが乗客が利用できる幅は広いということになるのだろうか。
※旧ターミナルでは、4番バースだけはやや幅が広かったらしく、他と点字ブロックの位置が異なっていた。
わざわざ異なる設計にして、それによって乗客が利用できない空間を作る(利用できる空間を減らす)とは、無駄に思える。
横断してしまった人の退避スペースとしたのか、広告枠があるのでその交換時の作業スペースのつもりなのか。
以上、半分完成したことで新しいバスターミナルの形が見えてきたが、最終的には外灯も設置されるようだし、各乗り場のポールも、今は臨時用なので新たに設置されるだろう。最終的にはどんなものになるか。
最後に、臨時バス停関係。
まず、前後期通して臨時乗り場を使用する路線。臨時乗り場は、駅舎寄りの待機場とフォンテ側の歩道に分散して設置されているが、案の定、分かりにくい、屋根がない(待機場側)、ベンチがない(フォンテ側)と不満が出ていた(7月6日付秋田魁新報地域面)。
分かりにくいのは今さらしょうがないとして、ベンチや屋根は対策が取られている。
フォンテ側歩道の臨時乗り場には、

臨時8番乗り場の背後、ぽぽろーどの下・フォンテ正面玄関前のスペース(以前は喫煙コーナーのほかはあまり意味のない空間だった)に6台のベンチが置かれた。魁によれば7月10日に設置。
ベンチは「秋田中央交通」のシールが貼られていて、夜間(まだバスがある19時頃だけど)は片隅に寄せて座れないようにしているので、あくまでもバス会社が工事中の待合専用として置いている扱いなんだろう。
屋根がない臨時6・7番。

ここには魁によれば「日よけのひさしが8月下旬に設置される。」という。
後期工事開始に伴って、

後期工事の仮囲いと庇を兼ねたものでも作るのだろうか。
さて、後期工事では、前期は従来の乗り場(1・2番バースの1~5番)を使用していた残りの各路線も、臨時乗り場を使用する。
この臨時乗り場は、前期工事でできた3・4番バースの新しい乗り場を使うとのことだったので、そのままスライドするかと思っていたら、そうではなかった。

旧1~5番乗り場を使っていた一般路線は、4番バースの臨時2~5番乗り場に集約して割り振られた。
県庁経由大川反車庫行きが臨時2番、臨海営業所線が臨時3番と、同方向が隣り合う乗り場になったのは便利。(どらも本数が多いのでつかえてしまう恐れもあるけれど)
でも、臨時3番には神田線も入り、従来臨海営業所線と一緒だった泉ハイタウン線は手形山・秋田温泉方面と一緒の臨時4番にされてしまった。
今までの感覚では間違えそうになるので、注意。
3番バースから発車するのは、臨時1番乗り場の空港リムジンだけが独占使用。
羽田便に接続するリムジンバスの発車前などには行列ができることがあり、従来はそこに県庁経由車庫行きが申し訳なさそうに発着していたものだった。リムジンを独立させたのは良かったかもしれない。
さらに、3番バースには、なんと

個人的には、降車専用場所を設けたほうがスムーズかつ安全ではないかと思っていたが、実現した。
4番バースから発車するバスが多いため、降車だけのバスは3番バースに入れて分離させる狙いか。
ただし、営業所と各方面を直通する路線では、路上を含む他の乗り場で降車を扱うはず。
なお、1番バース南端にあった案内所は、ぽぽろーどの直下付近(待機場の南端)に別棟の小屋を設置して対応。
※続きはこちら