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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

さなづらゼリー・秋田マリーナ

2015-11-12 21:00:51 | 各地お土産・食べ物
秋田のお菓子2つ。※秋田のお菓子についての以前の記事
秋田市に本社があり、秋田市内外のいくつかのスーパーなどでも販売コーナーがある「菓子舗 榮太楼(えいたろう)」。
1883(明治16)年創業の老舗で、1947年から2006年までは千秋矢留町の旭川沿いに旅館を経営していたり、横綱大鵬夫人の生家であったりもする。
Wikipediaには「東京の栄太楼総本舗とはまったく関係はない」とあるが、「お菓子の型を東京の栄太楼から譲ってもらった縁で名前も譲ってもらった」というような話を聞いたこともある(信憑性は不明)。

多くの秋田市民が連想する榮太楼の看板商品といえば、「さなづら」であろう。
山形や水戸のお菓子で「のし梅」という梅味のシート状のゼリー菓子(正しくはゼリーではなく寒天)があるけれど、それのヤマブドウ版がさなづら。
「さなづら」とは、ヤマブドウ(の品種?)を指す方言だそうだが、今はお菓子の名称としてのほうが知られている。
榮太楼では1957年に発売を開始したそうだ。名刺くらいの大きさで1枚100円する高級品。
今まで、類似品は知らず、榮太楼だけが独占的に製造販売していると思っていたが、仙北市角館に「さなづら本舗・福寿」という昭和5年創業の店があった。
いずれにしても、秋田銘菓として一定の認知はされているが、例えば「もろこし」ほど知られてはいないと言えそう。

「さなづら」は、表面がベタベタしていて、甘さだけでなく酸味も強い。普通のブドウとは違うヤマブドウ独特の風味なんだろうけれど、僕は子どもの頃はあまり好きじゃなかった。


いつの頃からか、さなづらの派生商品も発売されていた。
興味はあったものの、買ってまでして食べていなかったら、その1つをついにもらえた!
さなづらゼリー
※パッケージの「な」が「ふ」に見えるのは、元祖さなづらと同じ。
手のひらに収まる大きさのドーム状の容器に入っている。こちらも1個200円以上するらしい高級品。

開け口は底面。ドーム状容器だけど、ひっくり返して置くことは可能。
ぱっと見、ちょっと色が濃いブドウゼリーかワインゼリー。開封しても、元祖さなづらほど甘酸っぱい香りは広がらない。

元祖さなづらほど強くはないものの、甘さと酸っぱさのハーモニーは控えめながら同じ。
ゼリーは柔らかめで、「どろっ」とした流動性が出る一歩手前(?)、ウイダーinゼリーをちょっと硬くした(?)ような食感。
固めるのにゼラチンではなく「増粘多糖類」を使っている。ペクチンなど増粘多糖類はいろいろで、海藻や植物など天然由来のものがよく使われるそうだ。「たらみのフルーツゼリー」も、ゼラチンではなく増粘多糖類で固めている。

さなづらを上手くゼリー化していると思う。当然ながら、冷やして食べるとおいしい。
甘くて酸っぱいから、人によって好みが分かれそうだけど、個人的にはけっこう好き。【15日追記】繰り返しますが、普通のブドウゼリーとは(もちろんワインゼリーとも)違う味わい。あと、パッケージが簡素に感じた。まとめて売る時は化粧箱にでも入るのでしょうけれど、もうちょっと「さなづら感」のような高級感のようなものがあってもいいかも。
ほかに「さなづら葛ようかん」や、一部店舗ではさなづらのソフトクリームもあるそうで、いつかまた。※この記事にて



もう1つ、榮太楼製品。
洋菓子も扱うものの、どちらかと言えば和菓子のイメージの榮太楼さんにしては珍しい商品。
秋田マリーナ
秋田港にあるレジャー用船舶の係留保管施設の名前をもらったお菓子。パッケージにはヨットの絵。
どんなお菓子か想像できますか?
 これ
秋田マリーナの正体は、パイ生地とクリームを重ねたものをミルクチョコレートでコーティングした、ミルフィーユ。
裏面シールの表示では「秋田マリーナ(ミルフェパイ」となっている。パッケージ正面には小さな文字で「HAND MADE SWEET PIE IN JAPAN」。「日本のパイ」なのね。
東京の「ベルン」やメリーチョコレートなどで、同コンセプトの商品がある。
秋田マリーナは、中のクリームが量の割に存在感がある(こってりしている?)感じだけど、個人的には好き。

榮太楼公式ホームページの通販では、和菓子系の商品を主体に扱っているが、完全な洋菓子としては唯一、秋田マリーナが販売されている。1本180円ほど。
その説明には「永く愛されている栄太楼の秋田代表銘菓です」とある。個人的には大好きだけど、そんなに有名なお菓子かな?
それ以前に秋田マリーナって(お菓子としても、施設としても)そんなに昔からないんじゃ…
調べてみると、施設の秋田マリーナは1995年オープン。だからお菓子も長くても20年。


味は大好きだけど、考えてみれば「港湾施設である秋田マリーナ」と「チョコがけミルフィーユ」ってどういうつながりがあるんだろう?
形状も、原材料も、まったく結びつかない。
深く追求してはいけないことで、お菓子の開発には想像力が要求されるのだろうけど、「なんでそれがそういうネーミングなの?」と思ってしまうお菓子が、ほかにも各地にある。洋風まんじゅうとかあんこ入りパイとかブッセとかゴーフレットとか。

そういえば、本荘のどこかのお菓子屋さんで「本荘マリーナ」ってのもあったような?? 調べてみても分からなかった。【2022年1月20日追記・本荘マリーナについて】由利本荘市川口の「かまた菓子舗」の商品で、2022年時点でも製造している模様。30年以上前からある、かぼちゃパイらしい。

【2018年5月9日画像追加・追記】商品に添付される説明書があった。

「西洋菓子」「弊店の味自慢」「折りパイをアマンドプードル入りのクリームでサンドし、その上を最高級のミルクチョコで包んだもの」「雲母の姿、形に似せて、出来るだけ薄くのしたパイを重ね合わせるのが、このお菓子のおいしさのカギでございます。」とのこと。

2020年末~2021年始頃に、「秋田マリーナ」は少し大きくなって、商品名も変わった。なお、秋田マリーナ当時から夏場は売らない期間限定商品だったようだ。
コメント (4)
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