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ぐるる代走ジャーニーK

2021-05-17 19:44:20 | 秋田のいろいろ
秋田市が秋田中央交通に委託して運行している「秋田市中心市街地循環バス『ぐるる』」。※中央交通が自発的に運行しているものではない。
2012年7月21日の運行開始時から、小田急バス中古の1999年製いすゞエルガミオの短尺車2台「834」と「835」が専属車。当初は一般路線バスと同じ塗装だったのが、ぐるるの愛称が付いた2013年7月から水色系で2台違うデザインの専用塗装になった。

実際の運行では、毎日2台が必要なため、定期整備や故障に備えた予備車も必要。
運行開始当初は、日野リエッセ「129」を五城目営業所から移籍させ、一般路線塗装のまま、ぐるる予備専用車としていた。当時秋田市内にあった小型バス路線に充当することは基本的になく、定期的に動かさないとならなかったのか、予備車にしてはかなりの頻度(少なくとも週1~2日)で営業運行していた。

そして、2018年5月に、新車の日野ポンチョ「13-44」が導入された。834と835のデザインを半分ずつ採用した、専用塗装。834、835も引き続き使われ、専用塗装車3台体制になった。129は男鹿へ転出した。
ポンチョ導入後は、835が予備車の位置付けになっていると思われる。他の2台より稼働日がやや少ない印象があるのと、液晶式運賃表示器とフリーワイファイ「秋田市Wi-Fi SPOT」の設備が搭載されていないことから推測。※運賃箱のICカード準備改造はポンチョのみで、834は旧型運賃箱のまま。
835は状態があまり良くないのだろうか。素人目には自動の車高調整機能が、過剰気味に作動するような気がする【18日補足・サスペンションが傾きやすくなってしまったような感じ?】けど… ただ、129時代と同様、835もけっこうな頻度で営業運行している。


それでもなお、3台のうち2台を動かせない場合があるようだ。今年2021年1月中旬には、
一般路線用の日野リエッセ
秋田市内から小型バス限定路線がなくなった後も、1台だけ秋田営業所に残っている、小田急(稲城市iバス)中古の日野リエッセ「12-69」。※1269は、2021年春時点では国際教養大学方面の路線に入る場合があるようだ。
1269はぐるる用予備車というよりは、応援とか代走ということになるだろう。

129には、行き先表示幕に「循環バス」のコマが入っていた。それでも分かりづらいので、フロントガラスや入口ドア横に紙、正面に“バスマスク”も掲示していた。
(再掲)2018年頃の129ぐるる運用時
ただ上の写真のように、方向幕はガラスの着色と干渉し、紙は小さく、バスマスクは色あせていた。戸惑う客や、一般路線と勘違いしてやり過ごす客はいる可能性があった。
1269代走時は、方向幕は青文字社名表示だが、紙は大判になり、バスマスクも新調されていた。それでも分からない人は分からないでしょうけどね。


ここから本題。
現在、少なくとも5月14日・金曜日から17日・月曜日の運行に、3【17日訂正】4日連続同じ代走車が入っている。もう1台は連日ポンチョなので、834・835が動いていない。
いすゞジャーニーK LR「864」
一般路線バス用の(短尺でない)フルサイズ中型車の代走。
知る限りでは、2013年834・835の塗装変更作業中に、エルガミオ「211」が代走して以来2度目。この時は、211に竿燈のラッピングが施されているため選ばれたのかもしれない。LEDの行き先表示は社名表示で対応。

今回、まずは感心したのが、ぐるるに入る機会がとても少ない、一般路線用車両の行き先表示にも、ぐるるのコマが用意されていたこと。
データを入れれば済むLEDだから、それは当然と思われるかもしれないが、それが当然でないのが中央交通。8年前は社名表示だったように。
2020年10月に「回送車」など一部の表示を見直した際、同時に追加されたのだと思う。
正面、後部とも、それぞれ同じ大きさの文字2段で「中心市街地循環バス/  ぐ  る  る  」。
ポンチョでも、昨秋から同じ表記にはなっているが、ポンチョは正面も小型表示器なので、中型車の正面表示器だと印象が違う。だけど、ぱっと見て分かりづらいかも。ドット数に余裕のある大型機では「ぐるる」を大きくするとかすれば、おもしろそう。→2022年10月に変更された
中型の後部表示(↓下の写真参照)が、ぐるるの正面・後部とよく似た見た目。側面は、ポンチョも中型も同じ表示器なので、同じ内容だと思われる。


今回の864は、2010年に小田急から中古で来た、いすゞジャーニーK(エルガミオの前の車種)。当初は臨海営業所にいたが、早い段階で秋田営業所に移って現在に至る。
(再掲)臨海時代の2010年
その後10年で、ミラーが白くなって、車椅子マークが1つに減っている。正面の色の面積が若干変わったように見えるのは気のせい?

この形のバスは、1984年から1999年に製造。秋田市交通局(旧塗装時代は未導入で、すべて新塗装)も、中央交通でも、数多く購入された。最近は、秋田でも廃車が進んで、864はごくわずかに残るうちの1台。
後部。ランプ周りのデザインが初期型とは若干違うそうで、言われてみれば…
864は、ジャーニーKの最末期製造分で、首都圏事業者発注だったこともあり、特徴的な仕様。すなわち、側面窓が下固定・上スライドの逆T字窓、中ドアが折り戸×2枚のワイドドア、そしてワンステップ。
もともとツーステップ仕様の床を下げているので、乗ってみると、窓の位置が高く感じる【21日訂正・改めて乗ってみると、窓の位置に違和感はなかった。同時期の日野レインボーだとかなり高く感じるのだが、いすゞは上手く処理しているようだ。】。その他車内の雰囲気には、昭和の香りが残る。

この10年、中央交通に小田急から、中古の中型車がたくさん来たわけだが、ジャーニーKはこの1台だけ。ワンステップもこれと、短尺エルガミオだけ。
少なくとも中央交通本体(=秋田市内)では、廃車済みを含めてもジャーニーKのワンステップは、これが唯一のはず。いろいろな意味で、珍しい車。
864は、秋田営業所の一般路線では、普通に活躍している車だと思っていたけれど、今回はどうしてこの車を代走に抜擢したのかな。
【2022年11月23日追記・864号車は、2022年11月に再び臨海営業所へ転属した。】


各バス停には、ラミネートされた紙がビニールひもで結ばれている。
「お知らせ」
「運用の都合上、秋田中央交通の一般路線の緑色車両で運行させていただく場合がございます。」とのこと。
今まではこんな掲示なかったはず。これを作ったということは、計画的な代走だったことになる。834・835が長期間使用できない事情ができたのか?

告知には写真も掲載。秋田営業所内で撮影されたと思しき(後ろに高速能代線で来た秋北バスが休んでいる)、いちばん新しい(といっても2017年末で、現行モデルの1つ前)、13-07または13-08(下1桁が隠れて分からない)をモデルに、紙表示を出す位置まで示している。どうせなら紙を掲出した状態で撮ればいいのに。
だけど実際に使われるのは、古い車。

特徴的な窓や中ドアが多少分かるでしょうか。この時は正面の大きい紙がない

129が代走していた時、北都銀行前から、牛島方面行きの一般路線バスと間違えて乗ってしまったおばあさんがいた。今回は車両サイズが同一なこともあり、大きな紙や自動放送があったとしても、やはり誤乗が心配。肉声の案内など丁寧な対応をお願いします。

ぐるるの2台の運用は、始発から16時までの早番と、10時から終車までの遅番の構成(2~3周して交替)。無線などではそれぞれ「循環A」「循環B」と呼んでいる。
864は、14日A、15日B、16日A、17日Bと、今のところ毎日ポンチョと交互の運用。
【追記】18日A、19日B、20日A。いずれももう1台はポンチョ。
864のぐるるに乗車した。自動放送は通常通りあり。運賃表示機は、レギュラー車と同じ液晶式だが、ぐるる用データが入っていないのか消灯。※弘南バスでは、1台で一般路線用と循環用両方の表示に対応できている。
運転士が車外に肉声案内していたほか、運転席後ろの仕切りだけでなく、車両中ほど(中ドア直後)にも路線図が掲出されていて、表示器以外は問題なさそうだった。

5月21日は864が抜け「14-60」がB運用で代走に入った(A運用はポンチョ)。1460は京成グループ中古の日野レインボーHR(通常尺の中型車、ノンステップ)。行き先表示、バスマスクは864と同じ対応。
5月22日は834がついに復活! A運用。B運用のポンチョは1週間以上連日稼働。バス停のお知らせは撤去されていない。なお、834は運賃箱は旧型のままで、改造作業などがされたわけではなさそう。
5月23日は834A、ポンチョB。24日も834A、ポンチョB。25日はポンチョA、834B。
26日は834A、ポンチョB。以前からかもしれないが、834はヘッドライト(少なくともロービーム)がLEDに交換されていた。バス停の告知はまだ残っている。
27日は834A、ポンチョB。28日はポンチョA、834B。バス停の掲示が頑丈に結び直されていたので、今後も一般車代走があり、835が運行できない状態なのだろう。
29日は834A、ポンチョB。30日はポンチョA、834B。ポンチョの車内にも、バス停と同じ告知が貼ってあった。
5月31日834A、ポンチョB。6月1日834A、ポンチョB。6月2日834A、ポンチョB。
その後、毎日見たわけではないが、確認できた限り、834とポンチョが連日運用。
6月15日には、ポンチョがA、Bには一般路線車「11-60」が入った。新車導入の日野レインボー(エルガミオのヘッドライト違い)ノンステップ。
6月16日はポンチョA、834B。コメントによれば18日は12-69が代走。23日は12-69A、ポンチョB。
25日は12-69A、ポンチョB。12-69の方向幕は「循環バス」だった。いつの間にか追加されたのか、実は以前からセットされていたのか。
26日は12-69A、834B。ポンチョのお休みを初めて確認。
7月2日の12-69では、車内の液晶運賃表示器が作動し、専用車と同一の画面を表示していた。12-69がほぼ代走固定になっている感じ。

【8月2日追記】7月中は834とポンチョをメインに、12-69が代走していたようで、中型車代走は目撃しなかった。
7月中に、一般路線車も含めて、新型運賃箱搭載済み車(液晶画面やICの制御装置? は先に取り付け改造済み)へのICカード読み取り装置の設置が進み、中ドア整理券発行機近くには乗車用リーダーも設置された。一部車両では旧型運賃箱の交換もされたようだ(それでもなお旧型運賃箱の車も多い)。
当然、ポンチョも対応済み。さらに、834と864ともに、運賃箱がICカードリーダー付きの新型に交換された!
中央交通では、首都圏事業者の中古が多いこともあり、ドア周りのスペースや仕切り板の都合により整理券発行機の取り付け位置がまちまち。834は少数派の乗って左側が整理券で、乗車用リーダーも左に取り付けられた。配線の都合から、一般車も含めてリーダーもやはり統一されないことになるようだ。
したがって、ぐるるでも、乗車時にもタッチが必要になりそう。
そして、古い834・864とも、(致命的なアクシデントがない限り)来春以降も、秋田市内で活躍を続けることが確定したと言える。
【8月4日追記】リエッセ12-69も、運賃箱対応済みを確認。

9月6日に835の塗装を引き継いだ新車が導入された。これで一般路線車代走はひと段落し、835が運用を外れたことになる。

【2023年7月12日おことわり】この記事のコメント欄に、「一般路線用大型車がぐるるの代走をした」との投稿があります。しかし、その事実は確認しておらず、また総合的に判断してその可能性は低いように思われてなりません。嘘と決め付けることもできず、残しておくことにしますので、ご了承くださるようお願いします。
コメント (36)
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