この記事に続いて青森の話題。弘前市中心部の商業関係について、弘前駅から弘前公園方向に進みながら紹介します。
●JoppaL
弘前駅前の商業ビル「JoppaL(ジョッパル)」。
1994年にダイエー弘前店を核テナントとしてできた比較的新しい商業施設。ダイエー撤退後も営業していたが、2009年10月に経営する第3セクターが経営破綻。同年中に営業停止・閉鎖となった。
2010年秋に行ったら、出入口にベニヤ板が張られて閉鎖されていた。
その後、出資者である弘前市も関わって、営業再開を目指して動いてはいるようだ。
現地はどうなっているか?
北西角。「宮脇書店」の看板の下が出入口だった
2010年とほとんど変わらない状態。まだ古くはないビルがもったいない。

ドムドムバーガーとか閉鎖直前の各店舗の看板類もそのまま残る。前も書いたけれど「夜逃げ」したみたいでいかがなものか。撤去できないのだろうか。
営業再開は、来年7月を目指しているという。
当初計画していたシネマコンプレックスは流れて、食料品(地元スーパー?)や県内初出店のファッションブランド、そして弘前市役所の行政・子育て・市民活動等を行う「駅前分庁舎(仮称)」が入居する計画。
秋田駅前のフォンテ(旧・イトーヨーカドー秋田店)みたいな感じになるのだろうか。
これらを伝える報道では、このビルのことを「旧ジョッパル」と称するところがある(東奥日報など)。ということは、再開時には「ジョッパル」じゃなくなるかもしれないということか?
※その後、名前が変わることになった。続きの記事にて。
●イトーヨーカドー
ジョッパルのすぐ北側に位置するのが、イトーヨーカドー弘前店。弘前駅から見ると、左方向がジョッパル、右方向がヨーカドー(どちらも駅の真ん前ではなく、少し歩く)。
東北地方の同社店舗の中でも売上成績が良好だそうで、たしかに若者からお年寄りまで多くの人でいつも賑わっている。そのお陰で、
開業36周年セール開催中
秋田市と大して違わないはずなのに、どうして弘前がこうなのか、毎度のことながら不思議に思ってしまう。
●ドラッグストア
イトーヨーカドーの北側の通りの向かい側には、古くからの小さなビルや店が並ぶ。(一部で区画整理が行われる模様)
秋田駅でいえば、広小路北側のフォーラス~現・コンフォートホテル~ホテルハワイ辺りの何年か前のような雰囲気か。

その1つ、イトーヨーカドー北西角の交差点の所に、ドラッグストアがある。僕が弘前に住んでいた頃から変わらないはず。
東北地方のドラッグストアといえば、幹線道路に面した駐車場がある、新しい平屋建ての大きな建物が一般的。
この店は、駐車場がなく、入ったことはないけれど間口は狭くて奥行きもなさそうで、商品が所狭しと並んでいるように見ていた。個人経営の薬局か何かが、ドラッグストア風の店構えにしているのだと思い込んでいた。
ところが、今回、店名の看板に気づいた。
駐車車両が邪魔ですが「スーパードラッグアサヒ」
スーパードラッグアサヒといえば、東北ではそれなりに知られたドラッグストアチェーン。秋田市には泉、広面、寺内(八橋)、勝平に店があるが、上記のような道路沿いの新しい店。外壁は紫がかったピンク色かな。
ここがそのスーパードラッグアサヒだとは知らなかったし、こんな形態のスーパードラッグアサヒがある(首都圏の駅前にはこんなドラッグストアがありそうだけど、地方都市では…)とは知らなかった。店舗名は「弘前店」。
スーパードラッグアサヒは「横浜ファーマシー」という企業が経営し北海道から山形県に展開。その本社は弘前の隣の北津軽郡板柳町にある。(マツモトキヨシグループに加盟しているようだ。)
そういうわけで、弘前は地元であり、弘前市内に複数の店舗があるのに「弘前店」を名乗っているからには、ここは由緒ある店なのだろう。
※その後の関連記事
●中土手町商店街
商店街の土手町へ進む。
そのうち「中土手町」では、街路整備事業が行われた2010年春に、各店舗で扱う商品などをモチーフにした木製の看板が軒先に設置された。凝った作りで統一感があり、素敵な街に見えた。
それから2年。多くの看板はこうなっていた。
ボロボロ
表面の塗装やニス(?)が剥がれかけてボロボロ。色も変わっている。
わずか2年でこうなってしまうとは、耐久性に考慮していなかったのだろうか。残念。
【2021年4月10日追記】設置から11年経った2021年に看板が新しくなった。2021年4月7日アップ陸奥新報サイトより。
・(近くに新しくできた)弘前れんが倉庫美術館を象徴する「シードルゴールド」の屋根をイメージした真ちゅう製に変更。
・大きさが縦約45センチ、横約30センチの統一規格。
・何を扱っている店か見て分かる(デザイン)
・リニューアルに賛同した22店舗
(以上追記)
中土手町の北端・土淵川に架かる蓬莱橋から
川沿いに空き地ができていた。
庇だけが残る
ここは以前、「蓬莱堂」という帽子屋さんがあったようで、最近(9月?)に解体された模様。
※その後はこの記事末尾
●中三
下土手町に入ると、すぐ「中三弘前店」。
地元百貨店「中三(なかさん)」は、震災直後の2011年3月に民事再生手続きに入り、(弘前と青森で)営業を続けながら、再建を進めている。
1階と地階をちょっと見てみたが、以前と変わらない感じでお客も多かった。とりあえずは安心だろうか。
【2024年8月30日追記・その後の中三について】
2011年以降、経営再建が続けられ、2019年以降は弘前店のみが営業を継続していた。
ところが2024年8月29日、破産手続き開始。負債総額約9億円で、全従業員を解雇。土手町の衰退や、弘前店の建物の今後(解体する方針との報道も)を不安視する声が出ている。(以上追記)
蓬莱広場から
若干の変化もあった。
まず、上の写真に看板が出ているが、今年5月に6・7階にジュンク堂書店がオープンした。丸善の文具コーナーを併設し、約800坪。
土手町の通りでは、500メートル離れた中土手町南端に、古くから紀伊國屋書店がある。【2013年9月22日追記】紀伊國屋書店弘前店は、2013年9月22日で開店30年を迎えたそうなので、1983年に開店したことになる。
そういえば、昔は中三の少し先に、地元の「今泉本店(=“本店”とは“書店”の意味)」のわりと大きな店があったが、10年以上前に自己破産して廃業している。
再び、土手町に大きな書店が2つ共存することになったわけだけど、どうなっていくか。
なお、秋田市では2007年に、駅前のフォーラスの6・7階に650坪でジュンク堂がオープンしている(丸善コーナーはないのかな)。その後、宮脇書店もでき、地元の加賀谷書店は駅前の店を11月に閉じることになった。※加賀谷書店の駅前以外の店舗は営業継続
中三の建物本体と蓬莱橋の間に、小さな建物がある。デザイン的に統一されているようなので、関連があるのだろうか。
(再掲)手前の黄色い建物
この建物にはずっと、眼鏡店と「ミスタードーナツ弘前土手町ショップ」が入っていた。
ところが、ミスドがなくなって跡がピザ屋(宅配じゃなくレストラン)になっていた。
昔は手前がミスドだったはず
ナポリピッツァ専門店「pizzeria DA SASINO」が2010年8月26日にオープンしたそうなので、だいぶ前にミスドがなくなっていたことになる。
ミスタードーナツでは各店舗に通し番号(ショップNo.)を振っている。
弘前土手町ショップは「0475」だったそうだ。1980年代初めにできた秋田市のニューシティ隣にあった「秋田大町ショップ」が「0360」だったので、1980年代にできたのだろう。
現在「0475」は、弘前市樋の口のイオンタウンの中にある「イオンタウン弘前樋之口ショップ」に引き継がれている。(なぜか「の」が「之」になっている)
●土手町コミュニティパーク
中三を過ぎた向かい側で、建築工事が行われていた。
足場やシートはかかっているが、もうすぐできそう
昨年夏に明らかになった、複合施設「土手町コミュニティパーク」。昔は秋田の「協働社」の弘前店がここにあったらしい。
※昨年の記事では「「したどてスカイパーク」の向かいというから、百貨店「中三」の並びか」としていましたが、スカイパーク自体が中三の並びなのだから、その向かい側にあるのに「並びか」は間違いでした。

予定通り、10月20日に向かって右の「ごちそうプラザ」が先行オープン(この記事の写真はその1週間前撮影)、12月22日に「コミュニケーションプラザ」を含めてグランドオープンとのこと。
●ハイローザ跡地
さらに少し進んで、スクランブル交差点。
この角に1998年まであった商業施設「ハイローザ」が更地になり、「ドテヒロ」というイベント会場などどして使われていた。(秋田でいう産業会館やニューシティ跡地みたいなもの。一般的には「ハイローザ跡地」と呼ばれる)
そこにマンションが建つような話が出ていた。※2011年3月の記事(後半)
工事が始まっていた
15階建て・56戸が入る「ポレスター弘前」で、来年9月末竣工・11月末入居開始。
秋田市で言えば、広小路西の協働社跡→ベルドゥムールランドマーク秋田みたいな状況だけど、賑わっていた商業施設が単なるマンションになってしまうのは、ある種の寂しさを感じてしまう。
スクランブル交差点から夕暮れの中三方向を振り返る。この直後、街灯が点灯した
※土手町も、秋田市の広小路のように複数車線の一方通行です
弘前にしても秋田にしても、街は少しずつ姿を変えていく。
※次はこちら
●JoppaL
弘前駅前の商業ビル「JoppaL(ジョッパル)」。
1994年にダイエー弘前店を核テナントとしてできた比較的新しい商業施設。ダイエー撤退後も営業していたが、2009年10月に経営する第3セクターが経営破綻。同年中に営業停止・閉鎖となった。
2010年秋に行ったら、出入口にベニヤ板が張られて閉鎖されていた。
その後、出資者である弘前市も関わって、営業再開を目指して動いてはいるようだ。
現地はどうなっているか?

2010年とほとんど変わらない状態。まだ古くはないビルがもったいない。


ドムドムバーガーとか閉鎖直前の各店舗の看板類もそのまま残る。前も書いたけれど「夜逃げ」したみたいでいかがなものか。撤去できないのだろうか。
営業再開は、来年7月を目指しているという。
当初計画していたシネマコンプレックスは流れて、食料品(地元スーパー?)や県内初出店のファッションブランド、そして弘前市役所の行政・子育て・市民活動等を行う「駅前分庁舎(仮称)」が入居する計画。
秋田駅前のフォンテ(旧・イトーヨーカドー秋田店)みたいな感じになるのだろうか。
これらを伝える報道では、このビルのことを「旧ジョッパル」と称するところがある(東奥日報など)。ということは、再開時には「ジョッパル」じゃなくなるかもしれないということか?
※その後、名前が変わることになった。続きの記事にて。
●イトーヨーカドー
ジョッパルのすぐ北側に位置するのが、イトーヨーカドー弘前店。弘前駅から見ると、左方向がジョッパル、右方向がヨーカドー(どちらも駅の真ん前ではなく、少し歩く)。
東北地方の同社店舗の中でも売上成績が良好だそうで、たしかに若者からお年寄りまで多くの人でいつも賑わっている。そのお陰で、

秋田市と大して違わないはずなのに、どうして弘前がこうなのか、毎度のことながら不思議に思ってしまう。
●ドラッグストア
イトーヨーカドーの北側の通りの向かい側には、古くからの小さなビルや店が並ぶ。(一部で区画整理が行われる模様)
秋田駅でいえば、広小路北側のフォーラス~現・コンフォートホテル~ホテルハワイ辺りの何年か前のような雰囲気か。

その1つ、イトーヨーカドー北西角の交差点の所に、ドラッグストアがある。僕が弘前に住んでいた頃から変わらないはず。
東北地方のドラッグストアといえば、幹線道路に面した駐車場がある、新しい平屋建ての大きな建物が一般的。
この店は、駐車場がなく、入ったことはないけれど間口は狭くて奥行きもなさそうで、商品が所狭しと並んでいるように見ていた。個人経営の薬局か何かが、ドラッグストア風の店構えにしているのだと思い込んでいた。
ところが、今回、店名の看板に気づいた。

スーパードラッグアサヒといえば、東北ではそれなりに知られたドラッグストアチェーン。秋田市には泉、広面、寺内(八橋)、勝平に店があるが、上記のような道路沿いの新しい店。外壁は紫がかったピンク色かな。
ここがそのスーパードラッグアサヒだとは知らなかったし、こんな形態のスーパードラッグアサヒがある(首都圏の駅前にはこんなドラッグストアがありそうだけど、地方都市では…)とは知らなかった。店舗名は「弘前店」。
スーパードラッグアサヒは「横浜ファーマシー」という企業が経営し北海道から山形県に展開。その本社は弘前の隣の北津軽郡板柳町にある。(マツモトキヨシグループに加盟しているようだ。)
そういうわけで、弘前は地元であり、弘前市内に複数の店舗があるのに「弘前店」を名乗っているからには、ここは由緒ある店なのだろう。
※その後の関連記事
●中土手町商店街
商店街の土手町へ進む。
そのうち「中土手町」では、街路整備事業が行われた2010年春に、各店舗で扱う商品などをモチーフにした木製の看板が軒先に設置された。凝った作りで統一感があり、素敵な街に見えた。
それから2年。多くの看板はこうなっていた。

表面の塗装やニス(?)が剥がれかけてボロボロ。色も変わっている。
わずか2年でこうなってしまうとは、耐久性に考慮していなかったのだろうか。残念。
【2021年4月10日追記】設置から11年経った2021年に看板が新しくなった。2021年4月7日アップ陸奥新報サイトより。
・(近くに新しくできた)弘前れんが倉庫美術館を象徴する「シードルゴールド」の屋根をイメージした真ちゅう製に変更。
・大きさが縦約45センチ、横約30センチの統一規格。
・何を扱っている店か見て分かる(デザイン)
・リニューアルに賛同した22店舗
(以上追記)

川沿いに空き地ができていた。

ここは以前、「蓬莱堂」という帽子屋さんがあったようで、最近(9月?)に解体された模様。
※その後はこの記事末尾
●中三
下土手町に入ると、すぐ「中三弘前店」。
地元百貨店「中三(なかさん)」は、震災直後の2011年3月に民事再生手続きに入り、(弘前と青森で)営業を続けながら、再建を進めている。
1階と地階をちょっと見てみたが、以前と変わらない感じでお客も多かった。とりあえずは安心だろうか。
【2024年8月30日追記・その後の中三について】
2011年以降、経営再建が続けられ、2019年以降は弘前店のみが営業を継続していた。
ところが2024年8月29日、破産手続き開始。負債総額約9億円で、全従業員を解雇。土手町の衰退や、弘前店の建物の今後(解体する方針との報道も)を不安視する声が出ている。(以上追記)

若干の変化もあった。
まず、上の写真に看板が出ているが、今年5月に6・7階にジュンク堂書店がオープンした。丸善の文具コーナーを併設し、約800坪。
土手町の通りでは、500メートル離れた中土手町南端に、古くから紀伊國屋書店がある。【2013年9月22日追記】紀伊國屋書店弘前店は、2013年9月22日で開店30年を迎えたそうなので、1983年に開店したことになる。
そういえば、昔は中三の少し先に、地元の「今泉本店(=“本店”とは“書店”の意味)」のわりと大きな店があったが、10年以上前に自己破産して廃業している。
再び、土手町に大きな書店が2つ共存することになったわけだけど、どうなっていくか。
なお、秋田市では2007年に、駅前のフォーラスの6・7階に650坪でジュンク堂がオープンしている(丸善コーナーはないのかな)。その後、宮脇書店もでき、地元の加賀谷書店は駅前の店を11月に閉じることになった。※加賀谷書店の駅前以外の店舗は営業継続
中三の建物本体と蓬莱橋の間に、小さな建物がある。デザイン的に統一されているようなので、関連があるのだろうか。

この建物にはずっと、眼鏡店と「ミスタードーナツ弘前土手町ショップ」が入っていた。
ところが、ミスドがなくなって跡がピザ屋(宅配じゃなくレストラン)になっていた。

ナポリピッツァ専門店「pizzeria DA SASINO」が2010年8月26日にオープンしたそうなので、だいぶ前にミスドがなくなっていたことになる。
ミスタードーナツでは各店舗に通し番号(ショップNo.)を振っている。
弘前土手町ショップは「0475」だったそうだ。1980年代初めにできた秋田市のニューシティ隣にあった「秋田大町ショップ」が「0360」だったので、1980年代にできたのだろう。
現在「0475」は、弘前市樋の口のイオンタウンの中にある「イオンタウン弘前樋之口ショップ」に引き継がれている。(なぜか「の」が「之」になっている)
●土手町コミュニティパーク
中三を過ぎた向かい側で、建築工事が行われていた。

昨年夏に明らかになった、複合施設「土手町コミュニティパーク」。昔は秋田の「協働社」の弘前店がここにあったらしい。
※昨年の記事では「「したどてスカイパーク」の向かいというから、百貨店「中三」の並びか」としていましたが、スカイパーク自体が中三の並びなのだから、その向かい側にあるのに「並びか」は間違いでした。


予定通り、10月20日に向かって右の「ごちそうプラザ」が先行オープン(この記事の写真はその1週間前撮影)、12月22日に「コミュニケーションプラザ」を含めてグランドオープンとのこと。
●ハイローザ跡地
さらに少し進んで、スクランブル交差点。
この角に1998年まであった商業施設「ハイローザ」が更地になり、「ドテヒロ」というイベント会場などどして使われていた。(秋田でいう産業会館やニューシティ跡地みたいなもの。一般的には「ハイローザ跡地」と呼ばれる)
そこにマンションが建つような話が出ていた。※2011年3月の記事(後半)

15階建て・56戸が入る「ポレスター弘前」で、来年9月末竣工・11月末入居開始。
秋田市で言えば、広小路西の協働社跡→ベルドゥムールランドマーク秋田みたいな状況だけど、賑わっていた商業施設が単なるマンションになってしまうのは、ある種の寂しさを感じてしまう。

※土手町も、秋田市の広小路のように複数車線の一方通行です
弘前にしても秋田にしても、街は少しずつ姿を変えていく。
※次はこちら